
この記事は、フリーランス実務資格「個人事業経営士・CFQ」監修のもと作成しています。
こんにちは。フリーランスひかるです。
この記事にたどり着いたということは、有給が取りづらい、在宅勤務なのになんだか肩身が狭い、管理職になんてなりたくない、AIに置き換えられそうで怖い……そんな「もやもや」のどれかを抱えているんじゃないかと思います。
実はこれ、私自身が会社員だった頃には言葉にできなかった話です。独立してフリーランス歴10年を超えたいま振り返って、ようやく整理できるようになりました。
先に結論を言うと、これらのもやもやは、実はぜんぶ同じ場所から生まれています。
✅ この記事を読むとわかること
- 有給・在宅勤務・つながらない権利・管理職・AIへの不安、バラバラに見えるもやもやに共通する1つの構造
- なぜ会社員のままだと、この構造から抜け出しにくいのか
- 「自分の物差し」を持つために、会社員のうちからできる第一歩
有給、在宅勤務、つながらない権利、管理職、AI──会社員の「あるある」を並べてみる
個別に見ると、それぞれ違う話に見えます。でも数字で並べてみると、根っこにある構造がうっすら見えてきます。
| あるある | 実態(数字) | 出典 |
|---|---|---|
| 有給が取りづらい | 取得率66.9%で過去最高。裏を返せば約3人に1人は取り切れていない | 厚労省「令和7年就労条件総合調査」 |
| 在宅勤務なのに肩身が狭い | 実施率22.5%で横ばいなのに、継続希望は過去最高の82.2% | パーソル総合研究所「第十回テレワーク調査」 |
| つながらない権利が守られない | 2026年通常国会への法案提出は見送り。2027年以降に持ち越しの見通し | 厚生労働省発表(2025年12月) |
| 管理職になりたくない | 「なりたい」「どちらかといえばなりたい」はわずか18.1% | リクルートマネジメントソリューションズ調査 |
| AIに仕事を奪われそうで怖い | 働く人の23.2%が不安を感じ、20代ではほぼ3人に1人 | NRI「Quality of Society Index 2025」 |
「あるある」で済ませてしまいがちですが、こうして並べてみると、どれも「本当はこうしたいのに、自分では決められない」という共通点があることに気づきます。
なぜこの5つは、全部同じ理由で起きるのか
結論から言うと、会社員が感じるもやもやの多くは「評価・裁量・契約の物差しを、会社にしか持てていない」ことから生まれています。
・有給が取りづらいのは、取っていいかどうかの空気を、上司や周囲の目という物差しで測っているから
・在宅勤務ができるかどうかは、自分の実績ではなく「会社の方針」という物差しひとつで決まるから
・つながらない権利がないのは、勤務時間外の連絡に応じるかどうかの物差しが、労働者側ではなく会社の慣習に握られているから
・管理職になりたくないのは、なる・ならないの評価の物差しが、自分のキャリア観ではなく会社の人事制度に委ねられているから
・AIへの不安が強いのは、仕事を奪われるかどうかの判断基準が、自分のスキルの市場価値ではなく社内での役割配分に依存しているから
会社員である以上、この物差しを会社から完全に切り離すことはできません。でも「物差しを会社にしか持てていない」状態のままだと、会社の方針が変わるたびに、もやもやも形を変えて戻ってきます。
会社員のうちから「物差し」を持てていなかった、私自身の話

実は私自身、会社員だった頃、「年末調整」が何のための書類なのかわかっていませんでした。
「基本的に、払いすぎた税金が戻ってくる手続きですよ」と誰かが一言教えてくれていたら、あんなに適当に書類を出さなかったと思います。
有給も、評価も、税金も、会社員の間は「会社が決めてくれるもの」として受け取っていました。自分で判断する物差しを持とうとすら、思っていなかったんです。
会社員のままできる対処には、実は限界がある
有給の取り方を工夫する、在宅の日だけそっと愚痴る、転職サイトを眺めるだけで終わる、AIの勉強をなんとなく始める……。どれも悪いことではありませんが、これらは会社という土俵の中での「小手先の対処」にとどまります。
小手先の対処は、会社の方針が変わればまたゼロに戻ります。上司が変わればまた空気を読み直す必要があるし、AI活用の方針が変われば、また新しい不安が生まれます。
根本的な対処は少し違います。会社の物差し以外に、自分自身の物差し──契約・税務・評価の基礎知識──を持っておくことです。これは会社の方針が変わっても、上司が変わっても、自分の手元に残り続けます。
根本的な解決は、自分の「物差し」を持つこと
「自分の物差しを持つ」というと大げさに聞こえるかもしれませんが、やることはシンプルです。自分の仕事を「もし会社の外でやるとしたら、いくらの値段がつくか」で考えてみる。有給やつながらない権利など、労働者としての制度を自分の言葉で説明できるようにしておく。契約・税務の基礎知識に、会社員のうちから触れておく。
これだけで、会社の評価だけに一喜一憂する状態から、少しだけ距離を取れるようになります。
こうした「会社の外でも通用する基準」は、独立を考えている人だけのものではありません。今の会社に残るとしても、自分の市場価値を自分で把握できていることは、交渉やキャリアの選択肢を広げる土台になります。
会社員のうちからできる3つのこと
「自分の物差しを持つ」ための、今日からできる3ステップです。
ステップ1、「これ、他の会社でも同じかな?」と一度疑ってみる。
有給の取りづらさも、在宅勤務の格差も、「うちの会社ではこれが普通」という空気に慣れてしまうと、それが当たり前だと思い込んでしまいます。社外の基準と比べる視点を持つだけで、もやもやの正体が見えやすくなります。
ステップ2、自分の仕事を「会社の外でやるとしたら、いくらの値段がつくか」で考えてみる。
会社の評価とは別に、自分のスキルが市場でどう値付けされるかを一度考えてみます。答えが出なくても構いません。「考えたことがある」状態にしておくことが大切です。
ステップ3、契約・税務・キャリアの基礎知識に、会社員のうちから触れておく。
転職、副業、独立──どの選択肢を取るとしても、契約書の読み方や税金の仕組みを知っているかどうかで、いざという時の落ち着き方が変わります。会社員のうちに触れておいて損はありません。
この3つを押さえておけば、「会社の方針に振り回されるだけ」の状態から、少しずつ抜け出せます。

あなたは「会社の物差し」だけに頼らない自分になれているか。3つの質問でセルフチェックしてみましょう。
会社員の「もやもや」に関するよくある疑問 
(個人事業経営士CFQ 監修)
Q1. 会社員なのに、フリーランス向けの資格を取る意味はあるんですか?
A:CFQ(個人事業経営士)はフリーランス向けにつくられた資格ですが、内容は契約・税務・ビジネスマナーなど、会社員にも直結する実務知識です。独立するかどうかに関わらず、会社の評価軸とは別に「自分の市場価値」を測る基準を持てることが、会社員のうちに触れておくメリットです。
Q2. 管理職になりたくないと思うのは、甘えなんでしょうか?
A:甘えではありません。2025年11月の調査では、一般社員のうち管理職に前向きだったのはわずか18.1%でした(リクルートマネジメントソリューションズ調べ)。多くの人が同じように感じているのが実態です。
Q3. つながらない権利は、いつから使えるようになりますか?
A:2026年通常国会への法案提出は見送られ、2027年以降の法案提出・段階的施行が有力とされています(2025年12月26日、厚生労働大臣発表)。現時点ではまだ法律として存在していないため、個人であらかじめ線引きを持っておくことが大切です。
Q4. 在宅勤務の不公平感は、どうすれば解消できますか?
A:会社の制度自体をすぐに変えるのは難しいですが、「なぜ自分はこの働き方を望むのか」を自分の言葉で説明できるようにしておくと、会社との交渉材料になります。感覚ではなく根拠を持って話せることが、まず一歩目です。
このように、正しい知識があるだけで会社員のもやもやは軽くなります!
まとめ|会社員のもやもやは、自分の「物差し」を持つことで軽くなる
有給、在宅勤務、つながらない権利、管理職、AIへの不安──バラバラに見えるこれらのもやもやは、すべて「評価・裁量・契約の物差しを会社にしか持てていない」という同じ場所から生まれています。
この構造に気づくだけでも、もやもやの正体が少し見えてきます。
迷ったらまたこの記事に戻ってきて、「今、自分はどの物差しで判断しているんだろう」と考えてみてください。
個人事業経営士CFQは、フリーランス向けの資格として作られていますが、契約・税務・ビジネスマナーといった内容は、会社を離れても通用する「自分の物差し」そのものです。
独立する・しないに関わらず、会社員のうちに一度触れておくことで、いざ転職や副業、独立を考えたときにも、慌てずに条件を見比べられるようになります。「今の会社にしがみつくしかない」ではなく「今の会社を選び続けている」という感覚を持てること。それが、会社員のうちにCFQを知っておく一番の意味だと思っています。
実際、私自身、会社員の頃に契約や税金の仕組みを知らないまま独立してしまい、最初の数年は本当に苦労しました。もしあの頃、会社員のうちからこうした知識に触れていたら、独立するにしても会社に残るにしても、もっと落ち着いて自分の選択を決められたと思います。
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この記事の監修者
フリーランスひかる
大手IT企業に勤務後独立。フリーランス歴10年超。
報酬未払い、契約トラブル、ブラッククライアント案件…いろんな修羅場を経験してきました。
「あの時知ってさえいれば…」という後悔をバネに、フリーランスの人が同じ失敗をしないよう、自分の身を守る知識と、今日からできる対処法をお伝えしていきます。
※フリーランス実務資格「個人事業経営士CFQ」監修
※個人事業経営士(CFQ)は、当機構が認定する民間資格です。
※記事内の調査データは2025年9月〜2025年12月時点で公表されたものです。制度改正等により内容が変わる可能性があります。



