
こんにちは。フリーランスひかるです。
あの日、クライアントから届いたメールを見た瞬間、目の前が真っ暗になりました。
「納品物に著作権上の問題があるため、報酬5万円の返金を求めます」
え、何が問題なの?ちゃんと作ったのに。そう思いながらメールを読み進めると、「納品物を他の用途に使おうとしたら、著作権が移転していないと言われた」とありました。
でも、契約書には著作権のことなんて一言も書いていなかったんです。口頭で「ロゴ作ってください」と依頼されて、納品して、入金確認。それだけ。
まさか、こんなことになるなんて。
フリーランスとして仕事を受ける時、「著作権」という言葉をなんとなく聞いたことはあっても、「自分の仕事に関係ある」とは思っていませんでした。デザインや文章、プログラムを納品したら、それで終わり。そんな風に考えていたんです。
でも違ったんです。著作権を知らないまま仕事をすると、後からトラブルになる。最悪の場合、報酬を返金したり、損害賠償を求められたりする可能性もあります。
この記事では、私が実際に経験した著作権トラブルと、フリーランスが最低限知っておくべき権利について、具体的にお伝えします。
✅ この記事はこんな方におすすめ
- 契約書に著作権のことを書いたことがないフリーランス
- 「納品したら権利も全部クライアントのもの」だと思っている方
- 過去の制作物を自分のポートフォリオに使っていいか迷っている方
この記事の監修者
フリーランスひかる
フリーランス歴10年超。
報酬未払い、契約トラブル、ブラッククライアント案件…いろんな修羅場を経験してきました。
「あの時知ってさえいれば…」という後悔をバネに、フリーランスの人が同じ失敗をしないよう、役に立つ知識と今日からできる対処法をお伝えします。
私が5万円返金要求された理由
何が問題だったのか
クライアントは地方の小さな飲食店でした。新しいロゴを作ってほしいという依頼で、5万円で受注。デザイン案を3パターン出して、修正を2回重ねて完成。PDFとPNGデータを納品して、「ありがとうございました」で終わり。
その3ヶ月後、問題が起きました。
クライアントがそのロゴを使ってグッズ展開をしようとしたところ、製作会社から「このロゴの著作権はどなたが持っていますか?」と聞かれたそうです。クライアントは「うちが発注したから、うちのものでしょ」と答えたら、「制作者から著作権譲渡の契約書をもらってください」と言われたとのこと。
そこで私に連絡が来ました。「著作権譲渡の書類を出してください」と。
正直、何を言われているのか最初は理解できませんでした。だって、納品したんだから終わりじゃないの?
調べてみて、初めて分かりました。
著作権は、納品しただけでは移転しない。
納品したのは「データ」であって、「権利」ではなかったんです。つまり、クライアントは私が作ったロゴを使う権利は持っているけど、著作権そのものは私に残ったまま。だから、グッズ展開など新しい用途に使う場合は、改めて許可が必要だったんです。
クライアントは激怒しました。「そんなこと聞いてない。最初から全部渡すつもりだと思っていた。だったら返金してほしい」と。
私は焦りました。こんなトラブルになるなんて思ってもいなかったから、どうしたらいいか分からない。とりあえく「著作権譲渡します」と伝えたけど、クライアントの怒りは収まらず、「信頼関係が崩れた」として返金を求められました。
結局、話し合いの末に一部返金という形で解決しましたが、このトラブルで学んだことは大きかったです。
なぜトラブルになったのか
振り返ると、原因は明確でした。
契約の段階で、著作権について一切話していなかった。
クライアントは「納品=全部もらえる」と思っていた。私は「納品したら終わり」と思っていた。お互いの認識がズレていたのに、確認しなかった。
もし契約書に「著作権は譲渡する」と書いてあれば、こんなことにはならなかったんです。あるいは「著作権は譲渡しない」と明記して、その分料金を安くする選択肢もあった。
どちらでもよかった。ただ、何も決めていなかったことが問題だったんです。
知らないと危険な「負のスパイラル」
信頼を失うと仕事が減る
このトラブル以降、そのクライアントからの追加依頼は一切なくなりました。それだけじゃなく、同じ地域で経営者同士の横のつながりがあったようで、「あの人はトラブルがあった」という噂が広まってしまったんです。
直接的な悪評ではなかったと思いますが、新規の紹介が来なくなりました。地方の小さなコミュニティでは、一度信頼を失うと回復が難しい。それを痛感しました。
実際に起きている著作権トラブル
私のケースは軽い方です。実際には、もっと深刻なトラブルも起きています。
たとえば、2022年には、フリーランスのイラストレーターが制作したキャラクターデザインをクライアントが無断で商標登録し、逆に使用料を請求されたという事例が報道されました。(出典: 弁護士ドットコムニュース)
また、Webデザイナーが納品したサイトデザインを、クライアントが別の業者に渡して類似サイトを作らせたケースもあります。著作権を主張しようとしたものの、契約書に何も書いていなかったため、立証が難しくなったそうです。
こうした事例を見ると、著作権トラブルは「他人事」ではないと感じます。
後悔しても遅い
あの時、もっと勉強しておけばよかった。契約書を作っておけばよかった。そう思っても、時間は戻りません。
トラブルが起きてから慌てて調べても、すでに関係は悪化しています。冷静に話し合うのが難しくなる。そして、結果的に自分が損をする。
こんな思いをする人が一人でも減ってほしい。だから、今この記事を読んでいるあなたには、私と同じ失敗をしてほしくないんです。
フリーランスが知っておくべき3つの権利
1. 著作権は自動的に発生する
まず大前提として、著作権は「作った瞬間に自動で発生」します。
デザインでも、文章でも、プログラムでも、あなたが創作したものには著作権があります。登録も申請も必要ありません。作ったら、その瞬間にあなたのものです。
これは逆に言えば、納品しただけでは著作権は移転しないということ。
たとえば、あなたがロゴを作って納品しても、著作権はあなたに残ったまま。クライアントが持っているのは「使用する権利」であって、「著作権そのもの」ではありません。
もしクライアントが著作権を持ちたいなら、契約書に「著作権を譲渡する」と明記する必要があります。
2. 著作者人格権は譲渡できない
著作権とセットでよく出てくるのが「著作者人格権」です。
これは、作った人の名前を表示する権利や、作品を勝手に改変されない権利のこと。たとえば、あなたが書いた記事を、クライアントが勝手に書き換えて公開したら、著作者人格権の侵害になります。
面白いのは、著作者人格権は譲渡できないという点。著作権は契約で譲渡できるけど、著作者人格権は一生あなたのもの。
ただし、「著作者人格権を行使しない」という契約は可能です。つまり、「勝手に書き換えていいですよ」と合意することはできる。実際、多くの企業案件では、こうした契約が結ばれています。
3. 二次利用の権利は別途契約が必要
納品した制作物を、クライアントが別の用途で使いたい場合、それは「二次利用」になります。
たとえば、Web用に作ったイラストを、後から印刷物にも使いたい。こういうケースです。
契約時に「Web用のみ」と決めていたら、印刷物に使うには改めて許可が必要。追加料金をもらうこともできます。
逆に、最初から「どんな用途でも自由に使っていいですよ」と契約していれば、追加料金はもらえません。
だから、契約の段階で「どこまでの利用を許可するか」を明確にしておくことが大切なんです。
スマートに解決する方法
契約時に確認すべきこと
トラブルを防ぐには、仕事を受ける時点で著作権について話しておくことが一番です。
具体的には、以下の3点を確認します。
著作権は誰のものにするか
- 譲渡する場合は、その旨を契約書に明記
- 譲渡しない場合は、使用許諾の範囲を決める
著作者人格権をどうするか
- 行使しないのか、条件付きで行使するのか
二次利用はどこまで認めるか
- Web限定なのか、印刷物も含むのか、グッズ展開もOKなのか
これを口頭ではなく、必ず文書で残します。簡単なメールでも構いません。後から「言った、言わない」を防ぐためです。
テンプレート例
いきなり難しい契約書を作るのはハードルが高いですよね。だから、まずはシンプルなテンプレートから始めるといいです。
たとえば、こんな感じ。
著作権に関する確認事項
・本件制作物の著作権は、納品と同時にクライアント様に譲渡します。
・著作者人格権は行使しません。
・納品後の改変や二次利用は自由に行っていただけます。
・ポートフォリオへの掲載については、事前にご相談させてください。
これをメールの最後に添えるだけでも、トラブルのリスクは大きく減ります。
もっとしっかりした契約書を作りたい場合は、「フリーランス 契約書 テンプレート」で検索すると、無料のひな形がたくさん見つかります。
たとえば、みんなの契約書では、フリーランス向けの契約書テンプレートが無料でダウンロードできます。
ツールを使って楽に管理
契約書を作るのが面倒なら、ツールを使うのもおすすめです。
クラウドサインやfreeeサインといった電子契約サービスを使えば、テンプレートを選んでオンラインで契約を完結できます。印鑑も不要で、スマホで完結するので、クライアントにも喜ばれます。
私も今では、すべての案件でクラウドサインを使っています。最初は「面倒くさそう」と思っていたけど、使ってみたら逆に楽。契約書を郵送する手間もないし、過去の契約もすぐに検索できる。
何より、「この人、ちゃんとしてるな」という印象を持ってもらえるのが大きいです。
本当のメリットは「信頼」と「収益の安定」
信頼関係が深まる
著作権について最初に話しておくと、クライアントは「この人はプロだな」と感じてくれます。
逆に、何も言わずに納品だけすると、「この人、大丈夫かな?」と不安にさせてしまう可能性もあります。
実際、私がトラブル以降、契約書を使うようになってから、クライアントからの信頼度が上がったと感じています。「きちんとしている」という印象を持ってもらえるし、追加の依頼も増えました。
収益が安定する
著作権について明確にすることで、二次利用や追加利用の際に正当な対価を請求できます。
たとえば、最初は「Web用イラスト」として5万円で受注。後からクライアントが「印刷物にも使いたい」と言ってきたら、追加で3万円請求する。こういうことができるんです。
もし最初の契約で「どんな用途でもOK」と決めていたら、追加料金はもらえません。でも、「Web限定」と決めておけば、正当な理由で追加請求ができる。
これは「ぼったくり」ではなく、正当な権利です。
スコープが明確になる
著作権について話すと、自然と「納品物の範囲」も明確になります。
「どこまで作るのか」「どこまで使っていいのか」が最初に決まるので、後から「あれも作ってほしい」「これも追加で」という曖昧な依頼を防げます。
結果的に、自分の時間を守れるし、クライアントも予算を管理しやすくなる。お互いにとってメリットがあるんです。
さらに深く学ぶなら
著作権について、もっと体系的に学びたい方には、「CFQ公式参考書」がおすすめです。
フリーランスとして仕事をする上で必要な法律知識、契約の基本、著作権や下請法など、実務で使える知識がまとまっています。私もトラブル後に手に取って、「最初からこれを読んでおけば」と思いました。
特に、契約書の作り方やトラブル対応の章は、具体例が豊富で実践的。読むだけで「明日から使える知識」が手に入ります。
明日からできること
まずは、次の案件から以下の3ステップを実践してみてください。
ステップ1: 契約前に著作権について一言触れる
「念のため確認ですが、著作権についてはどうしますか?」とメールやチャットで聞いてみる。それだけでOK。
ステップ2: 簡単なメモでいいので文書に残す
口頭で話した内容を、メールで「本日確認した内容」として送る。これだけで証拠になります。
ステップ3: テンプレートを1つ用意しておく
次の案件で使えるように、シンプルな契約書のひな形を1つ作っておく。1回作れば、あとはコピペで使えます。
よくある疑問と誤解(Q&A)
Q1. 過去に納品した制作物を自分のポートフォリオに載せてもいいですか?
A:👉著作権を譲渡していても、ポートフォリオへの掲載は別の話です。契約時に「ポートフォリオ掲載OK」と確認していれば問題ありませんが、何も確認していない場合は、クライアントに一度相談するのが安全です。多くのクライアントは快く許可してくれますが、機密情報が含まれる場合や競合他社に知られたくない場合は断られることもあります。事前に確認する習慣をつけておくと、後からトラブルになりません。
Q2. フリーランスが著作権トラブルに巻き込まれた実例を教えてください
A:👉2023年に話題になったケースでは、フリーランスのイラストレーターが企業向けに制作したキャラクターを、契約終了後も企業が無断で商品展開に使い続けたという事例があります。契約書に「納品後の使用範囲」が曖昧にしか書かれていなかったため、企業側は「買い取ったから自由に使える」と主張し、イラストレーター側は「使用許諾の範囲を超えている」と主張して対立しました。最終的には和解に至りましたが、弁護士費用や精神的負担を考えると、最初の契約段階で明確にしておけば防げたトラブルでした。
これらは全て正しい知識があるだけで避けられるトラブルばかりです!
トラブルの原因はあなたの人間性ではなく「知識不足」
「何でこんなトラブルばっかり起こるんだろう。もしかして向いていないのかな…」と悩んだこと、私も何度もありました。
でも今になって思い返してみると、自分自身を責める必要なんて全くなくて、ただの知識不足だったんですね!
CFQ(個人事業経営士)公式参考書は、まさにそんな人のために作られました。
この1冊で身に付く知識
- 届出・税務の基礎(開業届、青色申告、インボイス制度)
- 契約・法務の実務(契約書の作り方、著作権、下請法)
- 保険・リスク管理(損害賠償、PL保険、トラブル対応)
- ビジネスマナー・オンラインマナー(会社員勤務の経験が少ない方にも)
- ケーススタディ(実例から学ぶ失敗パターン)
- 4択式テスト(理解度チェック)
単なる制度を解説する内容ではなく、「明日から使える実践知識」が詰まっています。

こんな人におすすめ
- 今の自分、何がいけないかが分からない
- 契約書・見積書の作り方に自信がない
- 確定申告でいつも不安になる
- クライアントと対等に接したい
- もっと自分に自信を持ちたい
私自身、この参考書に出会ってから、「一人で抱えて不安」が「自信を持って対応できる」に変わりました。
あなたの「事業者としての土台」を、この1冊がしっかり支えてくれます。
【まとめ】あなたの作品は「あなたの財産」
私は5万円のトラブルを経験して、やっと著作権の大切さに気づきました。
もっと早く知っていれば、あんな思いをしなくて済んだのに。そう思います。
でも、今のあなたは違います。この記事を読んだことで、最低限の知識は手に入れました。あとは、次の案件から少しずつ実践していくだけ。
完璧な契約書を作る必要はありません。まずは「著作権について確認する」という一言から始めてみてください。
その小さな一歩が、あなたとクライアントの信頼関係を守り、フリーランスとしてのキャリアを安定させてくれます。
あなたが自分で選んだ道を、安心して進めますように。
このようなモヤモヤを解決したいのであれば、フリーランスの資格「CFQ」を取得を検討しましょう。
この資格は、クライアントに対して「フリーランス実務をしっかり学んだ人」という信頼を、目にみえる形で示すことができるようになります!
よくある疑問と誤解(Q&A)
トラブルの原因はあなたの人間性ではなく「知識不足」

