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無限修正地獄から抜け出す!追加作業の見積もりを『スマートに伝える』ための『あの方法』とは?

こんにちは。フリーランスひかるです。

「あと1回だけ修正お願いできますか?」「ちょっとだけ追加でやってもらえませんか?」そんな言葉を聞くたび、あなたの心臓は少しドキッとしていませんか。

私も何度も経験しました。最初は「いいですよ」と軽く返事をしたのに、気づけば修正が5回、6回と続き、元の契約にない作業まで増えていく。そして、追加料金を請求するタイミングを完全に逃してしまう。あの時の自分に「ちゃんと見積もり出して!」と叫びたくなります。

追加作業が発生すること自体は悪いことじゃありません。問題なのは、それを「どう伝えるか」を知らないまま、我慢して仕事を続けてしまうこと。今日は、私が何度も失敗して、ようやくたどり着いた「追加作業の見積もりをスマートに伝える方法」をお話しします。


✅ この記事はこんな方におすすめ

  • 「ちょっとだけ追加で」と言われて断れないフリーランスの方
  • 追加料金を請求したいけど、関係が悪くなるのが怖いと感じている方
  • どのタイミングで、どう伝えればいいかわからず悩んでいる方
  • スコープを曖昧にしたまま仕事を始めてしまい、後悔した経験がある方
  • クライアントに「そのくらいサービスでやってよ」と言われて悔しい思いをした方

追加作業が発生する”あるあるシーン”

あれは、フリーランス3年目の夏でした。私はあるWebサイトのデザイン案件を受けていました。契約では「トップページデザイン1案、修正2回まで」と決まっていたはずです。

最初の修正は軽微なもので、すぐに対応しました。2回目の修正も、まあ想定内。でも、そこからが始まりだったんです。

「あ、やっぱりここもう少し変えられますか?」「実は下層ページのデザインも少し見てほしくて」「バナーもついでに作ってもらえませんか?」

毎回、クライアントの言葉は優しくて、「ちょっとだけ」「ついでに」という枕詞がついていました。私は断れませんでした。なぜなら、こう思っていたからです。

「ここで断ったら、次の仕事がもらえなくなるかもしれない」「まだ関係が浅いから、良い顔をしておきたい」「そんなに時間はかからないし、まあいっか」

でも、現実は違いました。追加作業は雪だるま式に増えていき、気づけば当初の見積もりの倍以上の時間を費やしていたんです。そして、追加料金を請求するタイミングは完全に逃していました。

今思えば、あの時に「追加作業については別途お見積もりさせていただきますね」と一言伝えていれば、こんなに苦しむことはなかったはず。でも、その一言が言えなかった。それが、私の最大の後悔です。

追加見積もりを出さないことで起きる”負のスパイラル”

追加見積もりを出さずに仕事を続けると、どんなことが起きるのか。私が実際に経験した「負のスパイラル」をお話しします。

まず、収益が一気に悪化します。時給換算すると、最低賃金を下回っていたこともありました。それでも「もう少しで終わるから」と自分を言い聞かせて続けた結果、疲弊だけが残りました。

次に、クライアントとの信頼関係が崩れ始めます。「なんでもやってくれる人」と思われると、どんどん要求がエスカレートしていくんです。そして、私がついに「これ以上は難しいです」と伝えた時、クライアントは驚いた顔をしました。「今までやってくれてたのに、急にどうして?」と。

それもそのはず。私が最初に境界線を引かなかったから、クライアントは「この範囲は無料でやってもらえる」と認識していたんです。結局、その案件は気まずい空気のまま終わり、次の依頼はありませんでした。

実際、公正取引委員会と厚生労働省の調査によると、「不当なやり直しがあった」と感じているフリーランスは13.7%いる一方で、クライアント側はわずか0.4%しかその認識がなかったそうです。つまり、私たちが「これはおかしい」と感じていても、クライアントは悪気なく当然だと思っていることが多いんです。

そして最後に訪れるのが、自分自身への失望感です。「なんで断れなかったんだろう」「プロとして失格だ」そんな思いが、胸の奥で渦巻きます。涙が出るほど悔しかった夜もありました。

この負のスパイラルから抜け出すには、最初の一歩が肝心。それが「追加作業の見積もりをスマートに伝える」ことなんです。

追加作業の見積もりを『スマートに伝える』方法

では、具体的にどうすればいいのか。私が試行錯誤して見つけた方法を、3つのステップでお伝えします。

ステップ1:追加作業の「兆し」を見逃さない

追加作業は、ある日突然降ってくるわけじゃありません。必ず「兆し」があります。

例えば、「ちょっと相談なんですけど」「実はもう少しやりたいことがあって」といった言葉。これが聞こえたら、追加作業の可能性があると思ってください。

この段階で、すぐに動きます。「承知しました。それは追加作業になりますので、お見積もりをお出ししますね」と、明るく、でもはっきりと伝えるんです。

ポイントは、「追加作業」という言葉を使うこと。「それもやります」と言ってしまうと、クライアントは無料だと思い込んでしまいます。

ステップ2:見積もりは「即座に」出す

追加作業の話が出たら、できる限り早く見積もりを出してください。理想は、その日のうち。遅くとも翌営業日までには出すのがベストです。

なぜなら、時間が経つほど「あの件、どうなってるんだっけ?」と曖昧になり、クライアントは「もう進んでるんだろう」と思い始めるから。

見積もりの出し方は、こんな感じです。

【テンプレート例】
「お世話になっております。先日ご相談いただいた〇〇の件、お見積もりをお送りします。

・作業内容:〇〇ページのデザイン追加
・納期:〇月〇日
・金額:〇〇円(税込)

ご確認いただき、問題なければ進めさせていただきます。もし予算やスケジュールでご調整が必要でしたら、お気軽にご相談ください」

このテンプレートのポイントは、「作業内容」「納期」「金額」を明確に示すこと。そして、最後に「調整できますよ」という柔軟性を見せることです。これで、クライアントも安心して検討できます。

見積書のテンプレートは、boardやマネーフォワード クラウド請求書など、無料で使えるツールがたくさんあります。私も最初は手書きで作っていましたが、今はテンプレートを使って効率化しています。

ステップ3:「なぜこの金額なのか」を説明する

見積もりを出した時、クライアントから「思ったより高いですね」と言われることがあります。そんな時、焦らず、丁寧に説明してください。

「この作業には〇〇時間ほどかかる見込みで、△△という工程が含まれます。品質を保つために、このくらいのお時間とコストが必要になります」

こう伝えることで、クライアントは「ちゃんと考えて見積もりを出してくれているんだな」と信頼してくれます。そして、もし予算が合わなければ、一緒に代替案を考えればいい。

「もし予算が厳しい場合は、〇〇の部分を簡略化して△△円に抑えることも可能です。いかがでしょうか?」

こうやって選択肢を提示すると、クライアントは「自分で選べる」と感じて、満足度が上がります。これが、スマートな伝え方の本質です。

実際のフリーランスの事例を見ても、契約に含まれない作業を明確にし、修正回数の上限や追加作業の料金設定を事前に合意しておくことが重要だと言われています。

追加見積もりで得られる『本当のメリット』

ここまで読んで、「そんなことしたら、クライアントに嫌われるんじゃないか」と思った方もいるかもしれません。でも、実は逆なんです。

追加見積もりをきちんと出すことで、得られるメリットは想像以上に大きいです。

メリット1:信頼関係が深まる

見積もりを出すことは、「私はプロとして、この仕事にこれだけの価値があると考えています」という意思表示です。それを受け入れてくれたクライアントとは、対等な関係が築けます。

私が今、長くお付き合いしているクライアントは、全員「追加作業はきちんと見積もりを出してくれる人」を評価してくれています。「わかりやすくて助かる」「透明性があって安心」そんな言葉をいただけるようになりました。

メリット2:収益が安定する

追加作業分の収益がきちんと確保できると、生活が安定します。そして、精神的な余裕も生まれます。

フリーランスは、収入の波が激しい働き方。だからこそ、「やった仕事にはちゃんと対価をもらう」という基本を守ることが、長く続けるための秘訣なんです。

メリット3:スコープが明確になる

見積もりを出すたびに、「ここからここまでが今回の作業」という線引きが明確になります。これが積み重なると、クライアントも「このプロジェクトはこういう形で進むんだな」と理解してくれます。

結果的に、無駄なすれ違いが減り、プロジェクト全体がスムーズに進むようになります。

『あの方法』の核心とは

ここまで読んでくださった方には、もうお気づきかもしれません。追加作業の見積もりを「スマートに伝える」ための『あの方法』とは、「早く、明確に、柔軟に」伝えることです。

早く伝えることで、曖昧さを残さない。明確に伝えることで、信頼を得る。柔軟に伝えることで、クライアントと一緒に解決策を探る。この3つが揃えば、追加作業はもう怖くありません。

もしあなたが「もっと体系的に契約や実務の知識を学びたい」と思っているなら、CFQ公式参考書も参考にしてみてください。フリーランスとして必要な契約書の書き方や、トラブルを未然に防ぐ方法が、わかりやすくまとめられています。私自身、最初に読んでおけば良かったと思う一冊です。

明日からできる3つのアクション

さて、ここまで読んでくださったあなたに、明日からすぐに実践できるアクションをお伝えします。

アクション1:テンプレートを1つ作る

まずは、追加作業の見積もりテンプレートを1つ作りましょう。ペイトナーやboardなどのサイトから無料テンプレートをダウンロードして、自分用にカスタマイズするのがおすすめです。

作っておけば、いざという時にすぐ使えます。準備しておくことで、心の余裕も生まれます。

アクション2:「追加作業はお見積もりします」と一度言ってみる

次のミーティングや、メールのやり取りで、一度だけでいいので「追加作業については別途お見積もりさせていただきますね」と言ってみてください。

最初はドキドキするかもしれません。でも、一度言えば、次からはもっと楽になります。小さな勇気が、大きな変化を生みます。

アクション3:過去の案件を振り返る

もし時間があれば、過去の案件を振り返ってみてください。「あの時、追加料金を請求していれば、いくら増えていたか」を計算してみるんです。

きっと、思った以上の金額になるはず。それを見ると、「次は絶対に見積もりを出そう」という決意が固まります。


よくある疑問と誤解(Q&A)

Q1. フリーランスが追加料金を請求するタイミングはいつですか?

A:👉追加作業の話が出た瞬間です。「相談」の段階で、「それではこちらのお見積もりをお出ししますね」と伝えましょう。後になればなるほど、言い出しづらくなります。

Q2. フリーランスが見積もりを出したら、クライアントに嫌われませんか?

A:👉いいえ、むしろ逆です。きちんと見積もりを出すフリーランスは、プロとして信頼されます。曖昧なまま進めて、後から「実は困っていました」と言う方が、信頼を失います。

Q3. フリーランスとして、追加作業の見積もり金額はどう決めればいいですか?

A:👉基本的には、通常の時給や単価と同じ基準で計算します。「この作業に何時間かかるか」を見積もり、それに自分の時給をかけた金額が目安です。最初は少し安めに設定して、慣れてきたら適正価格に調整していくのもいいでしょう。

Q4. フリーランスが「ちょっとだけの追加で」と言われた時、どう対応すればいいですか?

A:👉「ちょっとだけ」でも、追加作業は追加作業です。「承知しました。念のため、お見積もりをお出ししますね」と伝えましょう。金額が例え数千円程度でも、きちんと線引きをすることが大切です。

Q5. 追加見積もりを断られたらどうすればいいですか?

A:👉無理に受ける必要はありません。「承知しました。もし予算が合う別の方法があれば、またご相談ください」と伝えて、そのまま元の契約通りに進めましょう。追加見積もりを断わられたからといって、無料で作業をするのが一番良くないことです。


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【まとめ】ポイントは「事務的に進める」

追加作業の見積もりを出すのは、最初はとても勇気がいります。私も何度も躊躇しました。「今言ったら、関係が壊れるんじゃないか」そんな不安が、頭をよぎりました。

でも、言わなかったことで失ったものの方が、ずっと大きかったんです。収益、時間、そして何より、自分への信頼。

あなたは、自分の仕事に価値をつける権利があります。その価値を、ちゃんと伝える権利があります。そして、それを受け入れてくれるクライアントと一緒に働く権利があります。

追加作業の見積もりは、あなたとクライアントの間に引く「優しい境界線」です。それは、お互いを守り、信頼を育てるためのもの。決して、壁ではありません。

もしあなたが今、追加作業に悩んでいるなら、次の一歩を踏み出してみてください。テンプレートを作る、一度言ってみる、過去を振り返る。どれか一つでいい。その小さな一歩が、あなたのフリーランス人生を大きく変えるはずです。

私自身、いろいろな失敗した経験があったからこそ、今は慎重に、でも自信を持って実務を進められるようになりました。

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