
こんにちは。フリーランスひかるです。
「ちょっとお願いしたいことがあって」 そんなメッセージがSlackに届いたとき、あなたはどうしていますか?
以前の私は、気心の知れたクライアントからのカジュアルな依頼に対して、「契約書とかいらないよね」と思っていました。 チャットでサクサク話が進むのは気持ちいいし、信頼関係があるから大丈夫だろうと。
でも、その考えが大きな後悔を生むことになったんです。
納期が曖昧なまま進み、報酬の認識にズレが生じ、気づけば「言った言わない」の泥沼に。 信頼していた相手との関係にヒビが入り、心も懐も傷つきました。
もしあなたが今、ChatやSlackだけで仕事を進めているなら、この記事を読んでほしいんです。 口約束のような軽いやりとりには、実は大きなリスクが潜んでいます。
✅ この記事はこんな方におすすめ
- チャットツールでの依頼をそのまま引き受けてしまうフリーランス
- 契約書を交わさずに仕事を始めてしまうことがある方
- クライアントとのトラブルを未然に防ぎたい方
- 単価交渉や条件提示に自信が持てない方
- もっと信頼されるフリーランスになりたい方
1. 「やりとりだけ契約」で私が失った3つのもの
あれは独立3年目の春でした。 長く付き合いのあるクライアントから、Slackで新規案件の相談が届きました。
「例のプロジェクト、ひかるさんにお願いしたいんだけど、来月末までにできる?」
私は嬉しくて、すぐに「大丈夫です!」と返信しました。 報酬の話も「前回と同じくらいで」という曖昧なやりとりで終わり、そのまま作業に入ったんです。
でも、進めていくうちに雲行きが怪しくなってきました。
失ったもの1: 明確な納期
「来月末まで」と言われていたのに、途中で「できれば来週中に一部見せてほしい」と言われました。 チャット上の軽いトーンだったので、これが正式な納期変更なのか、単なる希望なのか判断できません。 結局、私は無理をして前倒しで対応しましたが、クライアントは「急いでとは言ってない」という認識でした。
失ったもの2: 適正な報酬
完成後に請求書を送ったら、「え、この金額?前回より作業量少なかったよね」と返ってきました。 私の認識では前回と同等の内容だったのですが、Slackのやりとりには具体的な業務範囲の記録がなく、証拠も曖昧。 結局、値引きを飲むしかありませんでした。
失ったもの3: 信頼関係
一番辛かったのは、信頼していた相手との関係がギクシャクしたことです。 お互いに「悪気はなかった」けれど、認識のズレが不信感を生みました。 次の案件の声はかからなくなり、それまで築いてきた関係が一気に冷めていきました。
この経験から学んだのは、「信頼関係があるからこそ、記録を残すべき」ということでした。
2. チャットツールが持つ「契約の落とし穴」
フリーランスにとって、SlackやChatworkなどのチャットツールは便利です。 でも、この便利さが契約上のトラブルを生む原因にもなっています。
落とし穴1: 情報が流れていく
チャットは会話のスピードが速く、大量のメッセージがどんどん流れていきます。 重要な条件確認も、雑談の中に埋もれてしまうんです。 あとから「あのとき言ったよね?」と探そうとしても、どこにあったか見つからない。
落とし穴2: 軽いトーンが「曖昧さ」を許してしまう
「だいたい〇〇円くらいで」「納期は来月くらいで」 チャットの気軽さが、本来明確にすべき条件を曖昧なまま進めてしまう空気を作ります。 face to faceなら慎重に確認することも、チャットだと流してしまいがちです。
落とし穴3: 法的な証拠能力が弱い
チャットのやりとりは、契約書としての証拠能力が限定的です。 裁判や調停になった場合、誰が発言したのか、改ざんされていないか、本当に合意があったのかを証明するのが難しいんです。
国民生活センターの報告によれば、フリーランスに関する相談件数は年々増加しており、その多くが「契約内容の認識相違」に関するものです。 特に口頭やチャットだけでの契約トラブルが目立っています。
3. 「記録化」が信頼と収入を守る理由
では、どうすればいいのか。 答えはシンプルで、「やりとりを記録化する」ことです。
私が実践している方法は、チャットでの依頼を受けたあと、必ず以下の内容をまとめたメールまたは契約書を送ることです。
記録化すべき5つの項目
- 業務内容(具体的な成果物)
- 納期(日付と時間まで明記)
- 報酬額(税込/税抜、支払期日も)
- 修正回数や追加費用の条件
- 著作権や機密保持などの権利関係
これを「合意確認書」として送り、「認識に相違がなければ返信ください」と依頼します。
実際に使っているツール紹介
私が愛用しているのは、「クラウドサイン」です。 https://www.cloudsign.jp/
電子契約サービスで、スマホからでも簡単に契約書を交わせます。 無料プランもあるので、まずは試してみるのがおすすめです。
この方法に変えてから、トラブルはほぼゼロになりました。 それどころか、「きちんとしてるね」と評価され、単価交渉もしやすくなったんです。
4. 「記録化」を習慣にする3ステップ
「でも、毎回契約書を作るのは大変そう…」 そう思いますよね。私も最初はそうでした。
でも、実はたった3ステップで習慣化できます。
ステップ1: テンプレートを作る
まず、自分専用のテンプレートを1つ作りましょう。 Word、Googleドキュメント、Notionなど、使いやすいもので構いません。
基本項目(業務内容、納期、報酬、支払条件、著作権)を記載したひな形を用意しておけば、あとは案件ごとに空欄を埋めるだけです。 私はNotionに保存していて、コピペで5分もかからず作れます。
ステップ2: 依頼を受けた当日に送る
鉄則は「依頼を受けた日のうちに記録を送る」ことです。 時間が経つほど、お互いの記憶も曖昧になり、後回しにしてしまいます。
チャットで「お願いします!」と言われたら、その日の夕方までに確認書を送る。 これを習慣にすると、クライアントも「この人はプロだな」と認識してくれます。
ステップ3: 相手の反応を待ってから着手する
記録を送ったら、必ず相手からの「了解しました」を待ってから作業に入りましょう。 これが合意の証拠になります。
もし相手から修正依頼があれば、そこで条件を調整できます。 作業を始めてから「やっぱり違った」となるより、ずっと効率的です。
会計ソフトとの連携もおすすめ
私は「freee」を使っています。 https://www.freee.co.jp/
請求書作成機能があり、案件ごとに記録を残せるので、確定申告の時期にも慌てません。 契約内容と請求書をセットで管理できるのが便利です。
今日からできる具体的な行動
ここまで読んでくださって、ありがとうございます。 「明日からやろう」と思っても、忘れてしまうかもしれません。
だから、今日できることをお伝えします。
今すぐできるアクション
- テンプレートを作る(10分)
- Googleドキュメントを開いて、基本項目だけ書き出してみましょう
- 完璧じゃなくていいんです。まずは形にすることが大事
- 過去のチャットを見返す(5分)
- 今進行中の案件で、曖昧になっている条件はありませんか?
- あれば、今から確認メールを送ってみましょう
- 電子契約サービスに登録する(5分)
- クラウドサインなどの無料プランに登録してみてください
- 使ってみると、思ったより簡単だと実感できます
相談窓口も活用しよう
もし今、すでにトラブルを抱えている方は、専門家に相談することも大切です。
「フリーランス・トラブル110番」という無料相談窓口があります。
https://freelance110.jp/
第二東京弁護士会が運営していて、契約トラブルや報酬未払いなどの相談ができます。 一人で抱え込まず、プロの力を借りることも選択肢の一つです。
よくある疑問と誤解(Q&A)
Q1. フリーランス初心者でも契約書って必要ですか?
A:👉必要です。むしろ初心者のうちこそ、きちんとした契約を交わす習慣をつけるべきです。
最初から記録を残す癖をつけておけば、トラブルを未然に防げますし、クライアントからの信頼も高まります。
「初心者だから…」と遠慮する必要はありません。
Q2. 契約書を出したらフリーランスとして堅苦しいと思われませんか?
A:👉逆です。「この人はプロだな」と評価されます。
私も最初は同じ不安がありましたが、実際には「ちゃんとしてるね」と褒められることが多かったです。
信頼されるフリーランスほど、契約を大切にしています。
Q3. 既に始まっている案件でも、今から記録化できますか?
A:👉できます。「業務内容を確認させてください」という形で、途中から確認書を送っても大丈夫です。
「お互いの認識を合わせたい」と伝えれば、クライアントも快く応じてくれることが多いですよ。
Q4. フリーランスが使える契約書のテンプレートはどこで手に入りますか?
A:👉経済産業省が「フリーランスとして安心して働ける環境を整備するためのガイドライン」を公開しており、契約書のサンプルも掲載されています。
また、フリーランス協会などの団体サイトでもテンプレートが配布されています。
まずはそれらを参考に、自分用にカスタマイズするのがおすすめです。
Q5. チャットのやりとりだけでもフリーランス契約として有効ですか?
A:👉法的には有効な場合もありますが、証拠能力が弱く、トラブル時に不利になる可能性が高いです。
口頭やチャットでの合意も契約は成立しますが、後から「言った言わない」になったとき、書面がないと証明が難しくなります。
自分を守るためにも、必ず記録に残しましょう。
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この参考書は、単なる理論の解説ではありません。
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【まとめ】口頭で仕事は受けちゃダメっ!!
チャットの軽いやりとりで仕事が決まるのは、確かに気持ちいいものです。 でも、その気軽さが大きなリスクを生むことも、私は身をもって学びました。
記録を残すことは、相手を疑うためではありません。 お互いの認識を合わせ、信頼関係をより強固にするためなんです。
「この条件で合ってますよね?」と確認することは、プロとして当たり前の姿勢です。 むしろ、それができるフリーランスこそが、長く愛されて、高い報酬を得られる存在になります。
テンプレートを作るのも、電子契約を導入するのも、最初の一歩は少し面倒かもしれません。 でも、その一歩が、あなたの仕事を守り、収入を守り、何より心の安心を守ってくれます。
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