
こんにちは。フリーランスひかるです。
あなたは突然、クライアントから「今月から単価下げさせて」と言われたこと、ありますか?
私はあります。しかも電話で、軽いノリで。
「ちょっと予算厳しくなってさ〜。来月から単価5万円でお願いできない?」
これまで8万円で受けていた案件です。
返事に困って「えっと…検討します」と言ったまま電話を切りました。
その夜、ものすごく悔しくて眠れませんでした。
なぜ私がこんな扱いを受けなきゃいけないのか。
でも同時に「断ったら切られるかも」という不安も押し寄せてきて、どうすればいいかわからなくなりました。
結論から言うと、私は翌月も「8万円」で請求書を出し続けました。
そして、その判断が正しかったことを、今、確信しています。
✅ この記事はこんな方におすすめ
- 口頭での報酬減額や条件変更を求められて困っている方
- 契約書なしで仕事を受けてしまい、後から不利な条件を押し付けられている方
- クライアントとのトラブルをどう解決すればいいかわからない方
- フリーランスとして自分を守る方法を知りたい方
- 適当なクライアントに振り回されたくない方
なぜ私は「そのまま請求」したのか
その電話の翌日、私は冷静になって考えました。
まず確認したのは契約書です。
幸い、私はこのクライアントとは簡易的な業務委託契約書を交わしていました。
そこには「報酬は月額8万円」と明記されています。
契約書には「契約内容の変更は書面で行う」とも書いてありました。
つまり、口頭での減額要求には法的な効力がない。
そう気づいた瞬間、胸のつかえが少しほぐれました。
でも問題は「これを主張したら、関係が壊れるんじゃないか」という恐怖です。
フリーランスにとって、クライアントを失うことは収入を失うことです。
私は3日間、本気で悩みました。
友人に相談し、ネットで事例を調べ、契約に詳しい先輩にも意見を聞きました。
そして出した答えが「契約書通りに請求し続ける」でした。
翌月、私はいつも通り8万円の請求書を送りました。
メールには一言だけ添えました。
「契約書に基づき、従来通りの金額で請求させていただきます」
このメールを送信ボタンを押すとき、手が震えました。
でも、送りました。
クライアントの反応と「あの方法」の正体
送信してから2日後、クライアントから電話がかかってきました。
心臓がバクバクしました。
「ああ、怒られる。契約切られるかも」
でも、実際の反応は意外なものでした。
「あ、ひかるさん。請求書の件だけど、わかりました。8万円で問題ないです」
えっ?
拍子抜けするほどあっさりとした返事でした。
後から冷静に振り返ると、相手は「言ってみただけ」だったのです。
フリーランスは立場が弱いから、押せば引くだろうと思っていた。
でも契約書を盾に毅然とした態度を取ったら、相手も引いたのです。
この経験から学んだ「あの方法」とは何か。
それは「契約書という盾を持ち、書面ベースでやりとりする」ことです。
口頭での約束は水のように消えます。
でも書面に残した約束は、石のように固い。
そしてもう一つ。
「感情的にならず、淡々と事実を伝える」ことも重要でした。
私は怒りをぶつけるのではなく、ただ「契約書に基づいて」と伝えただけです。
これが相手に「この人は筋を通している」と思わせる効果を生みました。
契約トラブルを防ぐために、今すぐできること
この経験以降、私は契約に対する意識が180度変わりました。
具体的に何を変えたのか、お伝えしますね。
まず、どんなに小さな案件でも必ず契約書を交わすようにしました。
「契約書なんて面倒」と思っていた過去の自分を叱りたいです。
契約書はあなたを守る盾であり、同時にクライアントとの信頼関係を築く土台でもあります。
契約書には最低限、以下の項目を入れるようにしています。
- 報酬額と支払い時期
- 業務内容の範囲
- 納品物の定義
- 契約期間
- 契約変更の方法
特に「契約変更は書面で行う」という一文は必須です。
これがあるだけで、口頭での一方的な変更を防げます。
次に、すべてのやりとりをメールやチャットで残すようにしました。
電話で話した内容も、必ず後からメールで「本日お電話で確認した内容」として送信します。
これは証拠を残すという意味もありますが、お互いの認識のズレを防ぐ効果もあります。
そして、万が一トラブルになったときの相談先も確保しました。
私が登録したのは「フリーランス・トラブル110番」です。
厚生労働省が委託している無料の相談窓口で、弁護士に相談できます。
参照URL: https://freelance110.jp/
実際に相談したことはまだありませんが、「何かあったらここに相談できる」と思えるだけで心の支えになっています。
さらに、フリーランス向けの損害賠償保険にも加入しました。
私が選んだのは「フリーナンス」の損害賠償保険です。
年間数千円で、万が一のトラブルに備えられます。
参照URL: https://freenance.net/
こうした準備をしておくことで、いざというときに冷静に対応できる余裕が生まれました。
「言いなりにならない」ための心の持ち方
契約書やツールも大事ですが、それ以上に大切なのは心の持ち方だと思います。
フリーランスは孤独です。会社員のように上司や同僚に相談できる環境がありません。
だからこそ、クライアントの言葉に過剰に反応してしまいがちです。
でも、あなたはプロです。対等なビジネスパートナーです。
一方的に条件を押し付けられる立場ではありません。
私自身、この意識を持つまでに時間がかかりました。
最初の頃は「仕事をもらっている」という感覚が強くて、どうしても下手に出てしまっていました。
でも、それは間違いです。
あなたはスキルと時間を提供し、その対価として報酬を得ています。
これはギブアンドテイクの関係です。
だから、無理な要求には「NO」と言っていい。
むしろ、言うべきです。
そのためには、自分の価値を正しく認識することが大切です。
私は定期的に自分のスキルや実績を棚卸しするようにしています。
「私はこれだけのことができる」「この金額には根拠がある」
そう自信を持って言えるようになると、不当な要求にも堂々と対応できるようになります。
また、一つのクライアントに依存しない体制を作ることも重要です。
収入源が一つだと、そのクライアントの言いなりになるしかありません。
でも複数の収入源があれば、「最悪このクライアントを失っても大丈夫」という心の余裕が生まれます。
実際、私は今、5社のクライアントと取引しています。
一社あたりの売上比率は最大でも30%程度に抑えています。
これは意識的にそうしています。
リスク分散は、精神的な安定にもつながるのです。
よくある疑問と誤解(Q&A)
Q1. フリーランスで契約書がない場合、口頭での約束は無効ですか?
A:👉いいえ、口頭でも契約は成立します。ただし後から「言った言わない」のトラブルになりやすいため、必ず書面やメールで証拠を残すことが重要です。特にお金関係の話は、フリーランスが弱い立場に立たされがちです。録音や第三者の証言でもいいので有効な証拠を残すようにしましょう。
Q2. フリーランスとクライアントの契約内容を途中で変更したい場合、どうすればいい?
A:👉双方の合意があれば変更可能です。ただし口頭ではなく、必ず書面(メールでも可)で変更内容を明記し、お互いに確認してから進めましょう。変更契約書を交わすのがベストです。
Q3. 報酬を一方的に減額されたら、フリーランスはどう対応すべき?
A:👉まず契約書の内容を確認し、契約違反であることを書面で伝えましょう。それでも応じない場合は、フリーランス・トラブル110番などの相談窓口や弁護士に相談することをおすすめします。
Q4. フリーランスが契約トラブルで相談できる窓口はありますか?
A:👉「フリーランス・トラブル110番」(厚生労働省委託)が無料で利用できます。弁護士による相談が可能で、契約や報酬に関するトラブルに対応しています。また、各地の法テラスも活用できます。
Q5. フリーランスとして自分を守るために最低限必要な契約書の内容は?
A:👉報酬額と支払時期、業務範囲、納品物の定義、契約期間、契約変更の方法(書面で行う旨)の5つは必須です。シンプルな雛形でも構わないので、必ず書面で残しましょう。
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フリーランスの実務や疑問を解決するためには、「フリーランスの実務教科書」をお勧めします。
この参考書は、単なる理論の解説ではありません。
- 届出・税務・契約・保険などの基礎知識
- 実際に起こる事例でケーススタディ
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といった3ステップ構成で、あなたの不安を「自信」に変える実践的な教材です。
もう一人で不安にならなくていい。
あなたの「フリーランスとしての信用」をしっかり支えてくれる教科書です。


【まとめ】自分の権利をしっかり守ろう!
あの日、震える手でメールを送った自分を、今は誇りに思います。
あのとき言いなりになっていたら、今の私はなかった。
契約トラブルは、フリーランスにとって避けられないリスクです。
でも同時に、自分の価値と権利を見つめ直すチャンスでもあります。
契約書は、あなたを縛るものじゃない。
あなたを守ってくれる、心強い味方です。
口頭での約束に流されそうになったとき、立ち止まってください。
「これは書面で残すべきことか?」と自問してみてください。
そして、必要なら「書面でお願いできますか」と伝える勇気を持ってください。
最初は怖いかもしれません。私も最初は怖かった。
でも、一度でもきちんと主張できたら、次からはもっと楽になります。
あなたには、正当な報酬を受け取る権利があります。
対等なビジネスパートナーとして扱われる権利があります。
その権利を守るために、契約書という盾を持ってください。
そして、何かあったときのために、相談できる場所を確保しておいてください。
一人で抱え込まないでください。フリーランスは孤独な働き方ですが、味方はたくさんいます。
私自身、いろいろな失敗した経験があったからこそ、今は慎重に、でも自信を持って実務を進められるようになりました。
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