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副業の業務委託なのに「出社して」はおかしい?偽装請負の可能性を場所の指定から検証【15年フリーランスが解説】

  

こんにちは。フリーランスひかるです。

台風の季節になると必ず流れるニュース。「台風時の出社はどうすべきか?」

交通機関が乱れるなか、SNSでは「出勤は各自の判断に任せます」と言っておきながら、実際に休んだ社員を「責任感がない」と叱責した上司の話が940万インプレッションを超えてバズっていましたね。

そのニュースを見ながら、ふと思ったんです。

「雇用契約の会社員でさえこれなら、業務委託のフリーランスや副業の人はどうなんだろう?」

副業を探したことがある人なら、一度はこんな求人を見たことがあるはずです。

「業務委託契約・週2〜3日・リモート可・ただし月1〜2回の出社あり」

あれ、業務委託なのに出社? なんかおかしくない?

そう感じた直感、正解です。
今日はその理由を、法的な根拠と私自身の経験をもとにきちんと整理します。

この記事を読むとわかること

  • 業務委託契約と雇用契約で「場所の指定」ルールがどう違うのか
  • 副業サイトの「出社あり・業務委託」求人が偽装請負になりうる理由
  • 出社条件の案件を見つけたときに自分で判断するための3ステップ

ある日の副業探しで、ひかるが感じた違和感

副業を始めたころのことです。

フリーランスとして仕事をしながら、もう1本収入の柱を作ろうと思っていたひかるは、いくつかの副業マッチングサイトをひらいていました。

条件でフィルタをかける。「業務委託」「週2〜3日」「リモート可」。

スクロールしていくと、気になる案件が目に止まりました。SNSのコンテンツ企画・ライティング。単価もそこそこ、業種も馴染み深い。

でも、詳細を読み進めると一行だけこうあった。

「月2回の定例MTGは原則出社をお願いしています」

原則出社。業務委託なのに。

「顔を合わせたいという気持ちはわかる。でも、それって契約条件にしていいんだっけ?」

ページを閉じながら、なんとも言えないもやもやが残りました。「細かいことを気にしすぎかな」と思いつつも、どこか釈然としない。


業務委託に「出社して」はおかしい? 結論から言います

原則として、業務委託契約でクライアントが一方的に場所を指定することはできません。

ただし完全にNGかというと、少しだけ複雑です。正確には「クライアントの都合・指揮命令のために場所を指定することがNG」であり、「業務の性質上どうしても必要な場合は、双方合意があればOK」というルールになっています。

詳しい理由は後ほど解説しますが、大事なのはここです。

副業マッチングサイトで「業務委託」と書かれているのに、出社が「条件」として提示されているなら、その実態は偽装請負に該当する可能性があります。

「偽装請負ってなに?」という方も安心してください。この記事で順番に解説します。


そもそも雇用契約と業務委託契約の違いとは? 場所の指定に注目

まず、2つの契約の違いを整理します。

比較項目雇用契約業務委託契約
契約の本質会社の指揮命令下で労働を提供成果物・業務の遂行を約束
場所の指定会社側が決定できる原則、受託者の裁量
時間の指定会社側が決定できる原則、受託者の裁量
適用される法律労働基準法・労働契約法民法(請負・準委任)・フリーランス保護法
社会保険加入義務ありなし(自己負担)

ポイントは「指揮命令の有無」です。

雇用契約は、会社が「いつ・どこで・どのように働くか」を指示できます。だから台風の日に「出社して」と言えるし、会社にはその代わり安全配慮義務も生まれます。

業務委託契約は違います。依頼するのは「成果物の完成」や「業務の遂行」であって、「労働力を買う」契約ではありません。いつ・どこで・どうやってやるかは、受託者(フリーランスや副業ワーカー)が決める。それが本来の姿です。


副業サイトの「出社あり・業務委託」求人はなぜ偽装請負になりうるのか

ここが今日のメインテーマです。

偽装請負とは、契約書の形式は「業務委託」なのに、実態は雇用契約と同じ働き方になっている状態のことです。法的には「偽装フリーランス」「名ばかり業務委託」とも呼ばれます。

判断基準は次の4つです。

指揮監督性の判断ポイント

  1. 仕事の依頼・指示への「断る自由」がない
  2. 業務遂行に具体的な指揮命令がある
  3. 勤務時間・勤務場所の拘束がある ←ここが今日のポイント
  4. 本人以外が代わりに仕事をしてはいけない縛りがある

出社条件の問題は、まさに「3」に直撃します。

クライアントが「月2回の出社を義務付ける」のは、業務の遂行を指揮監督するために場所を拘束している、とみなされる可能性があります。特に副業マッチングサイトの案件で「業務委託」と書かれながら、シフト制・出退勤管理・毎週の定例出社が条件になっていたら、それは実態として雇用契約に近い。

正直、副業サイトを見ていると「出社必須・業務委託」の求人は今でも普通に存在しています。企業側が悪意を持っているかどうかはわかりません。ただの知識不足で「みんなそうしてるから」と慣行になっているケースも多い。

でも知らないほうが損をする。そこは変わりません。


では「出社OK」な業務委託はゼロ? 合法になるケースも知っておく

「業務委託=絶対に出社させてはいけない」は正確ではありません。

合法になるのは、次の条件が揃ったときです。

  • 出社の理由が「業務の性質上どうしても必要」な場合
  • 双方が合意して契約書に明記している場合
  • 出社を強制する「指揮監督」ではなく、業務遂行の条件として設定されている場合

たとえばコールセンター業務・現場作業・医療現場などは、性質上リモートが難しい。常駐型のエンジニア案件も、契約書に条件明記があれば適法の範囲と解釈されるケースがあります。

問題になるのは「顔を合わせたいから」「管理しやすいから」といった、クライアント都合の出社条件です。
それは業務の性質ではなく、指揮監督の意図と見なされます。

まとめると、こういうことです。

出社の理由判断
業務の性質上必要(現場・対面必須の職種)合法の可能性あり
双方合意の上、契約書に明記されている合法の可能性あり
クライアントの都合・管理のため偽装請負の疑い
求人票に条件として一方的に提示偽装請負の疑い

出社条件の業務委託案件を見つけたら、今日からできる3ステップ

知識があれば、動けます。

ステップ1 出社の「理由」を確認する

案件に応募する前に「なぜ出社が必要なのか」を確認しましょう。「業務の性質上どうしても必要」な理由が説明できるなら、合法のケースもあります。理由が「コミュニケーションのため」「管理しやすいから」なら、それは注意信号です。

ステップ2 契約書を確認する

口頭で「月1回くらい来てもらえれば」は最悪のパターンです。契約書に出社条件が明記されているか、頻度・目的・拒否できるかどうかを確認してください。書面がなければ「言った言わない」になります。

ステップ3 「断れるかどうか」を自問する

業務委託の本質は、受託者に裁量があることです。「断れない」「断ったら契約解除される」なら、それはすでに雇用に近い関係性です。自分が対等な立場で仕事を受けているかどうか、確認してみてください。


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業務委託の出社に関するよくある疑問 

(個人事業経営士CFQ 監修)

Q1. 業務委託の副業で「月1回だけ出社」と言われました。断っていいですか?

A:断ることができます。業務委託では、受託者には業務の進め方に関する裁量があり、出社の強制はクライアントの権限の範囲外です。ただし、契約書に出社条件が双方合意で明記されている場合は話が変わります。まずは契約書の内容を確認し、記載がなければ「リモートで対応します」と伝えることは正当な主張です。拒否を理由に一方的に契約解除された場合、フリーランス保護法(フリーランス・事業者間取引適正化等法)に基づく相談窓口への申し立ても選択肢になります。

Q2. 副業ではなくフリーランスの専業案件でも、出社条件は同じルールが適用されますか?

A:はい、契約形態が業務委託である限り、専業フリーランスでも同じルールが適用されます。雇用か業務委託かの判断は、契約書の名称ではなく「実態」で行われます。週5日・毎日出社・タイムカード管理・上司からの直接指示、これらが揃っていれば、契約書が「業務委託」と書かれていても法的には雇用とみなされる可能性があります。この状態は「偽装フリーランス」と呼ばれ、企業側にも法的リスクがあります。


このように、正しい知識があるだけでトラブルは避けられます!


まとめ|副業の業務委託で「出社して」と言われたら、知識が自分を守る 

台風の日の出社問題は、雇用契約だからこそ起きる問題です。業務委託のフリーランスや副業ワーカーには、そもそも「出社させられる立場」ではないはずです。

でも現実には、副業サイトで「業務委託・出社あり」の求人が普通に存在しています。
企業側も悪意があるわけではなく、「昔からそうしてるから」というケースがほとんどです。

だからこそ、受ける側が知っておく必要があるのです。

出社条件を提示されたとき、「なぜ?」と一言確認できるだけで、自分の立場は変わります。
断れるかどうかを知っているだけで、対等な関係を築くことができます。

 

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この記事の監修者

フリーランスひかる
大手IT企業に勤務後独立。フリーランス歴15年超。
報酬未払い、契約トラブル、ブラッククライアント案件…いろんな修羅場を経験してきました。
「あの時知ってさえいれば…」という後悔をバネに、フリーランスの人が同じ失敗をしないよう、自分の身を守る知識と、今日からできる対処法をお伝えしていきます。
フリーランス実務資格「個人事業経営士CFQ」監修