
こんにちは。フリーランスひかるです。
深夜2時、MacBookの画面を睨みながら、私は何度目かのため息をついていました。クライアントから届いたメッセージには「バグが見つかったので至急修正をお願いします」とだけ。でも、このプロジェクトはもう納品して2週間も経っている。報酬も既に振り込まれている。それでも無償で対応しなきゃいけないの?
頭の中でぐるぐると疑問が渦巻きます。「でも、クライアントとの関係を壊したくない」「次の仕事がもらえなくなったらどうしよう」「自分のコードに問題があったのかも」。結局その夜、私は無償で4時間かけてバグ修正をしました。時給換算すると約2万円の損失。こんなことが月に2回あれば、年間で48万円も失っている計算になるんです。
あなたも同じような経験、ありませんか。
✅ この記事はこんな方におすすめ
- 準委任契約と請負契約の違いが曖昧で、バグ対応の責任範囲に迷っている方
- クライアントから無償での修正依頼が来て、断れずに困っている方
- 契約書のチェックポイントが分からず、不利な条件を飲んでしまっている方
- 適切な見積もりと契約で、年間の収益を安定させたい方
- トラブルを避けながら、クライアントとの信頼関係を築きたい方
私がハマった「無限バグ修正地獄」の実話
2年前の春、私は大手広告代理店から「ECサイトのカート機能開発」を受注しました。報酬は80万円。当時の私にとっては大きな案件で、気合いを入れて取り組んだのを今でも覚えています。
契約書には「請負契約」と書かれていました。でも、正直なところ、準委任との違いなんて深く考えていませんでした。「成果物を納品すればいいんでしょ」くらいの認識。今思えば、この軽い気持ちが地獄の始まりだったんです。
納品から3週間後、クライアントから連絡が来ました。「商品を100個以上カートに入れるとエラーが出る」。確かに私のテストでは30個までしか確認していませんでした。すぐに修正して再納品。でも、それで終わりじゃなかった。
次は「スマホの特定機種で決済ボタンが押せない」。その次は「クーポンコードを複数入力すると計算がおかしくなる」。毎週のように新しいバグ報告が届き、そのたびに無償で対応していました。なぜなら、契約書には「瑕疵担保期間は納品後6ヶ月」と書かれていたから。
気づけば、納品後3ヶ月で追加作業時間は60時間を超えていました。時給換算で24万円分。80万円の案件が、実質56万円になっていた計算です。しかも、その間に新規案件を受ける余裕もなく、精神的にも追い詰められていきました。
「これ、いつまで続くんだろう」。夜も眠れない日が続きました。
知らないと危険。フリーランスを追い詰める「契約の落とし穴」
私のような経験は、実は珍しくありません。フリーランス協会が2023年に実施した調査によると、フリーランスの約62%が「契約トラブルを経験したことがある」と回答しています。その中でも最も多いのが「想定外の追加作業を求められた」というケースです。
特にエンジニアの場合、バグ修正の責任範囲が曖昧なまま契約してしまうと、想像以上の損失につながります。実際に、2022年には東京のフリーランスエンジニアが「納品後1年間、無制限でバグ修正を求められた」として、クライアント企業と裁判になった事例も報道されました(出典:日経クロステック、2022年8月記事)。
この負のスパイラルは、次のように進行していきます。
まず、曖昧な契約のまま案件を受注してしまう。最初は「信頼関係があるから大丈夫」と思っていても、いざトラブルが起きると、文書に残っていないことは全て不利に働きます。クライアント側も悪気があるわけじゃない。ただ、「これくらいはやってもらえるだろう」という認識のズレが生まれるだけ。
次に、断れない空気が生まれます。「次の案件がもらえなくなるかも」という不安が、正当な主張をする勇気を奪っていく。結果として、無償対応が常態化し、時間単価はどんどん下がっていきます。
さらに深刻なのは、精神的な疲弊です。常に「また連絡が来るんじゃないか」というプレッシャーに晒され、新しいことにチャレンジする余裕がなくなる。スキルアップの時間も取れず、市場価値も停滞してしまいます。
私自身、あの3ヶ月間は本当につらかった。朝起きるたびにSlackの通知が怖くて、クライアントの名前が表示されるだけで心臓がバクバクしていました。「自分はプロとして失格なんじゃないか」とまで思い詰めていたんです。
でも、今だから言えます。それは私のスキル不足じゃなく、契約設計の問題だったんだと。
年間48万円の損失を防ぐ、契約チェックリスト
あの経験から学んだことを、全て共有します。これを知っているだけで、あなたの年収は確実に変わります。
まず、準委任契約と請負契約の違いを正確に理解しましょう。準委任契約は「業務遂行」が目的です。つまり、指定された時間や期間、誠実に業務に取り組めば義務を果たしたことになります。一方、請負契約は「成果物の完成」が目的。納品した成果物に問題があれば、完成まで責任を負う必要があります。
エンジニアの場合、どちらの契約形態が多いかというと、圧倒的に請負契約です。「システムを作って納品する」という性質上、これは自然な流れ。でも、だからこそ契約書の細部にこだわる必要があるんです。
契約前に必ず確認すべき5つのポイント
1つ目は、成果物の定義です。「何をもって完成とするのか」を具体的に文書化しましょう。例えば、「Chrome最新版、Safari最新版、Firefox最新版で動作確認済み」「同時アクセス数100までの動作保証」など、テスト条件を明記します。ここが曖昧だと、後から「これもやってほしい」が無限に増えていきます。
2つ目は、瑕疵担保期間と範囲です。これは本当に重要。「納品後◯ヶ月以内に発見された、仕様書記載の機能に関する不具合」と限定しましょう。私の失敗は、「納品後6ヶ月」としか書いていなかったこと。範囲が無制限だったんです。理想的には「納品後1ヶ月」程度に設定し、それ以降は保守契約として別料金にするのがスタンダードです。
3つ目は、仕様変更時の扱いです。開発中に「やっぱりこの機能も追加したい」と言われることは日常茶飯事。そのたびに無償対応していては、採算が合いません。「仕様書に記載のない追加機能については、別途見積もりとする」と明記しておきましょう。
4つ目は、責任の範囲です。「クライアント側で用意する環境やデータに起因する不具合については、責任を負わない」といった条項も重要。例えば、クライアントのサーバー設定が原因でエラーが出ているのに、こちらが対応させられるケースは意外と多いんです。
5つ目は、損害賠償の上限です。万が一の場合に備えて、「損害賠償の上限は契約金額の範囲内とする」と定めておくと安心です。大企業相手の場合、この条項がないと数千万円単位の請求をされるリスクもゼロではありません。
すぐに使える契約書チェックシート
私が実際に使っているチェックシートを公開します。新規契約の際は、これを印刷して1つずつ確認しています。
- 契約形態(準委任/請負)が明記されているか
- 成果物の具体的な定義と完成基準が記載されているか
- 瑕疵担保期間が「◯ヶ月」と具体的に記載されているか
- 瑕疵の範囲(仕様書記載機能に限定など)が明記されているか
- 仕様変更時の扱い(別途見積もり)が記載されているか
- 責任範囲の除外事項(クライアント環境起因など)が記載されているか
- 損害賠償の上限が定められているか
- 検収基準と検収期間が明確か
- 支払い条件(納品後◯日以内など)が記載されているか
- 知的財産権の帰属が明記されているか
このチェックシートは、法務専門家の監修を受けたものではありませんが、実務で使う分には十分です。もし不安な場合は、「フリーランス・トラブル110番」(運営:第二東京弁護士会)や「フリーランス協会の契約相談窓口」などで無料相談を受けることもできます。
実践で使える、角が立たない伝え方
「でも、クライアントに細かいこと言ったら嫌がられるんじゃ…」と不安になりますよね。私もそうでした。でも、伝え方次第で印象は大きく変わります。
例えば、瑕疵担保期間について確認したいとき。「契約書に瑕疵担保期間が書いてないんですけど」と言うと、何だか責任逃れをしているように聞こえてしまいます。
代わりにこう言ってみましょう。「今回のプロジェクトを確実に成功させるために、いくつか確認させていただきたいことがあります。納品後の品質保証期間を1ヶ月とさせていただき、その期間は無償で対応いたします。それ以降は保守契約として別途お見積もりさせていただく形でよろしいでしょうか。こうすることで、お互いに安心して進められると思うのですが」
このように、「お互いのため」というスタンスで伝えると、クライアントも納得してくれることが多いんです。実際、私がこの伝え方に変えてから、契約時のトラブルはほぼゼロになりました。
もう1つ、追加料金を請求するときのテンプレートも共有します。
「お世話になっております。ご依頼いただいた◯◯の件ですが、当初の仕様書には含まれていない機能追加となります。品質を担保するため、追加で◯時間ほどの開発時間が必要となりますが、別途お見積もりをお送りしてもよろしいでしょうか。もちろん、予算の都合もあるかと思いますので、代替案もご提案できます」
ポイントは、「品質を担保するため」という言葉。これがあるだけで、「お金のことしか考えてない」という印象を避けられます。そして最後に「代替案も提案できます」と添えることで、柔軟に対応する姿勢も伝わります。
ちなみに、契約書のひな形を無料で提供しているサービスもあります。「フリーランス協会」では会員向けに各種契約書テンプレートを提供していますし、「FREENANCE(フリーナンス)」でも業務委託契約書のサンプルがダウンロードできます。
スマートな契約が生む「本当のメリット」
ここまで読んで、「そんな細かいこと気にしてたら、仕事がもらえなくなるんじゃないか」と思った方もいるかもしれません。私も最初はそう思っていました。
でも、実際は真逆でした。
きちんとした契約を結ぶようになってから、クライアントとの関係は逆に良くなったんです。なぜなら、お互いの責任範囲が明確になることで、無用な誤解や不満が生まれなくなったから。「言った・言わない」の水掛け論もなくなり、プロジェクトがスムーズに進むようになりました。
具体的な変化を数字で示すと、契約見直し前と後では年収が約30%アップしました。無償対応が減ったことで時間効率が上がり、その分新規案件を受けられるようになったんです。さらに、精神的な余裕が生まれたことで、スキルアップの時間も確保できるようになりました。
何より大きかったのは、自信を持って提案できるようになったことです。「この価格でこれだけの価値を提供します」と堂々と言えるようになり、結果として単価の高い案件も受注できるようになりました。
そして、もう1つ重要なこと。クライアント側も、実はちゃんとした契約を求めているんです。特に大手企業ほど、曖昧な契約は避けたいと考えています。コンプライアンスの観点からも、明確な契約書があることは双方にとってメリットなんです。
私がこうした知識を体系的に学べたのは、「フリーランス実務CFQ®公式参考書」との出会いがきっかけでした。この本には、契約だけでなく、税務、会計、法務、労務まで、フリーランスとして知っておくべき実務知識が網羅的にまとめられています。特に契約の章は、実際の事例をもとに具体的な対処法が解説されていて、すぐに実務に活かせる内容ばかり。読んだ後、「もっと早く知りたかった」と心から思いました。
フリーランスとして長く活動していくなら、こうした体系的な知識を持っておくことは、もはや必須だと感じています。目の前の案件に追われていると、なかなか勉強する時間は取れません。でも、だからこそ、こうしたガイドブックを1冊手元に置いておくだけで、困ったときにすぐ調べられる安心感があるんです。
明日からできる3つのアクション
長い話にお付き合いいただき、ありがとうございます。最後に、今日から実践できる具体的なステップをまとめます。
ステップ1:既存契約の見直し(所要時間30分)
まずは、手元にある契約書を引っ張り出してきて、先ほどのチェックシートで確認してみてください。不足している項目があれば、メモしておきましょう。既に進行中の案件については今さら変更できませんが、次回更新のタイミングで改善できます。もし契約書がない案件があれば、メールで簡単な確認を取っておくだけでも、後々のトラブル防止になります。
ステップ2:テンプレートの準備(所要時間1時間)
次に、自分専用の契約書テンプレートを作りましょう。フリーランス協会やFREENANCEのテンプレートをベースに、あなたの業務内容に合わせてカスタマイズするのがおすすめです。一度作ってしまえば、次回からはコピーして使うだけ。最初の1時間の投資で、今後何年も使える資産になります。
ステップ3:伝え方の練習(所要時間15分)
最後に、クライアントへの伝え方を練習してみてください。鏡の前で実際に声に出してみるだけでも、本番での緊張が和らぎます。「お互いのため」「品質を担保するため」というキーワードを使いながら、自然に話せるようになるまで何度か繰り返してみましょう。
この3ステップ、トータルでも2時間かかりません。でも、この2時間が年間48万円の違いを生むんです。
よくある疑問と誤解(Q&A)
Q1. フリーランスエンジニアが追加料金を請求するタイミングはいつがベストですか?
A:👉最適なタイミングは、仕様変更の依頼を受けた直後です。作業に着手する前に、「この機能追加は当初の見積もりには含まれていないため、別途お見積もりが必要になります」と伝えましょう。作業後に請求すると「聞いてない」とトラブルになるリスクがあります。また、口頭だけでなくメールやチャットで記録を残すことも重要です。クライアントが予算を確保する時間も必要なので、作業開始の最低3営業日前には伝えるのが理想的です。
Q2. 準委任契約でもバグ修正の責任を負う必要はありますか?
A:👉準委任契約の場合、原則として「善管注意義務」を果たしていれば、成果物の完成責任は負いません。ただし、明らかな過失(例えば、基本的なテストをしていないなど)がある場合は責任を問われる可能性があります。そのため、準委任契約でも作業範囲と品質基準を明確にしておくことが重要です。納品物に対する保証期間を設けない代わりに、作業中の品質管理プロセスを文書化しておくと、後のトラブル防止になります。
Q3. クライアントから無理な要求をされたとき、フリーランスはどう断ればいいですか?
A:👉断り方の基本は「理由を明確に伝えること」と「代替案を提示すること」です。例えば「ご依頼いただいた納期での対応は、品質を担保できないため難しいです。ただし、納期を1週間延ばしていただければ、ご希望の品質で納品できます」という具合です。感情的にならず、事実ベースで説明することがポイント。また、どうしても断りにくい場合は、「一度検討させてください」と時間を置くのも有効です。冷静に判断する時間を作ることで、適切な対応ができるようになります。
これらは全て正しい知識があるだけで避けられるトラブルばかりです!
トラブルの原因はあなたの人間性ではなく「知識不足」
「何でこんなトラブルばっかり起こるんだろう。もしかして自分は向いていないのかな…」と悩んだこと、私も何度もありました。
でも今になって思い返してみると、自分自身を責める必要なんて全くなくて、ただの知識不足だったんですね。
CFQ(個人事業経営士)公式参考書は、まさにそんな人のために作られました。
この1冊で身に付く知識
- 届出・税務の基礎(開業届、青色申告、インボイス制度)
- 契約・法務の実務(契約書の作り方、著作権、下請法)
- 保険・リスク管理(損害賠償、PL保険、トラブル対応)
- ビジネスマナー・オンラインマナー(会社員勤務の経験が少ない方にも)
- ケーススタディ(実例から学ぶ失敗パターン)
- 4択式テスト(理解度チェック)
単なる制度を解説する内容ではなく、「明日から使える実践知識」が詰まっています。

こんな人におすすめ
- 今の自分、何がいけないかが分からない
- 契約書・見積書の作り方に自信がない
- 確定申告でいつも不安になる
- クライアントと対等に接したい
- もっと自分に自信を持ちたい
私自身、この参考書に出会ってから、「一人で抱えて不安」が「自信を持って対応できる」に変わりました。
あなたの「事業者としての土台」を、この1冊がしっかり支えてくれます。
【まとめ】時間お金は「自分で生み出せ!」
あの深夜2時の私に、今の知識があったらどんなに楽だったろうと思います。「断ったら嫌われる」「プロなら無償で対応すべき」そんな思い込みに縛られて、自分を追い詰めていました。
でも、本当のプロフェッショナルとは、適切な対価を受け取りながら、クライアントに価値を提供し続けることなんですよね。そのためには、まず自分自身を守る契約が必要なんです。
契約書って、相手を疑うためのものじゃありません。お互いが安心して、良い仕事をするための「地図」みたいなもの。どこまでが今回の仕事で、どこからが次の仕事なのか。それが明確になっているだけで、関係性はむしろ良くなります。
あなたがもし今、無理な要求に悩んでいたり、適正な対価を受け取れていないと感じているなら、それは決してあなたのスキル不足じゃありません。ただ、契約という「ルール」を知らなかっただけ。これから学べばいいんです。
年間48万円の損失は、言い換えれば年間48万円の可能性でもあります。その可能性を手に入れるために必要なのは、特別な才能でも運でもなく、正しい知識と少しの勇気だけ。
明日から、いえ、今日から変わることができます。あなたの時間と技術には、それだけの価値があるんですから。
私自身、いろいろな失敗した経験があったからこそ、今は自信を持って実務を進められるようになりました。
「税務が不安…」「契約が苦手…」
そんな悩みも、正しい知識を持つことで大きな武器に変わります。
不安をそのままにするのではなく、知識を身につければ、あなたの自信につながり、そして、その自信が信頼を生むという未来が待っています。
フリーランスの資格「CFQ」は、そんなあなたの「自信と未来」を一緒に育てていきます。

よくある疑問と誤解(Q&A)
トラブルの原因はあなたの人間性ではなく「知識不足」

