
こんにちは。フリーランスひかるです。
取引先から「インボイス登録についてご確認させてください」というメールが届いて、どう答えればいいのかわからなくて、結局そのまま閉じてしまう。そのまま気づけば時間が過ぎたりしちゃいますよね。
「登録すれば消費税を払わなきゃいけない。でも登録しないと取引を切られるかもしれない」
頭の中でぐるぐる考えても、答えが出ない。ネットで調べても「登録すべき」「いや、様子を見るべき」って意見が分かれていて、余計に混乱する。誰かに相談したいけど、こんな基本的なこと聞いていいのかな、って不安になったりもしますよね。
私も全く同じでした。というか、このメールを2回も受け取って、そのたびに胃が痛くなるほど悩みました。でも結果的に、2件とも取引を継続できたんです。インボイス登録はしていません。
この記事では、私が実際に使ったメールの文例と、取引先との交渉で意識したポイントをすべて公開します。完璧な正解はないかもしれないけれど、少なくとも「こういう選択肢もあるんだ」と思ってもらえたら嬉しいです。
✅ この記事はこんな方におすすめ
- インボイス未登録で取引先から連絡が来て、どう返信すべきか迷っている人
- 契約を切られるのが怖くて、言いたいことを我慢してしまっている人
- 取引先との関係を壊さずに、自分の条件も守りたいと思っている人
この記事の監修者フリーランスひかる
フリーランス歴10年超。
報酬未払い、契約トラブル、ブラッククライアント案件…いろんな修羅場を経験してきました。
「あの時知ってさえいれば…」という後悔をバネに、フリーランスの人が同じ失敗をしないよう、役に立つ知識と、今日からできる対処法をお伝えします。
1. 「登録してください」メールが届いた日の話
最初の危機は、前述した長期取引先からの連絡でした。相手は中堅の制作会社で、私はWebデザインを担当していました。月に2〜3件のペースで依頼があって、単価も悪くない。失いたくない取引先でした。
メールには「2024年10月1日以降、適格請求書を発行できない事業者との取引は段階的に見直す予定です」と書かれていました。「段階的に見直す」って、要するに「切るかもしれない」ってことですよね。胃がキリキリしました。
当時の私は売上が年400万円くらいで、インボイス登録すると年間40万円近くの消費税を納めることになる計算でした。月3万円以上。家賃の半分くらいの金額です。それを払ってまで契約を守るべきなのか、それとも他の取引先を探すべきなのか。正直、答えが出ませんでした。
ネットで検索すると「インボイス未登録だと仕事がなくなる」「登録しないと生き残れない」みたいな記事ばかりで、ますます不安になりました。でも冷静に考えると、取引先も私との関係を簡単に切りたいわけじゃないはず。なんとか話し合える余地があるんじゃないか。そう思って、まずは現状を正直に伝えることにしました。
2. 沈黙が生んだ「信頼の崩壊」
2件目の危機は、もっと深刻でした。こちらは個人で事業をやっている社長との取引で、ライティングの仕事を定期的にもらっていました。この時は、相手からのメールに1週間も返信できずにいたんです。
理由は単純で、「どう答えていいかわからなかった」から。相手は「インボイス登録してもらえますか?」とストレートに聞いてきていて、YesかNoで答えなきゃいけない雰囲気でした。でも登録するかどうか自分でも決められていなくて、結局何も返せないまま時間が過ぎていきました。
そしたら1週間後、「お忙しいところ恐縮ですが、ご返信いただけますでしょうか」という催促メールが来て、ハッとしました。ああ、これは完全に信頼を失ってるな、と。
中小企業庁の調査によると、インボイス制度の導入に伴い、約6割の事業者が「取引条件の見直しを検討した」と回答しています(参考:中小企業庁「インボイス制度に関する事業者アンケート」)。つまり、私のような状況に直面した人は決して少なくないんです。
でもここで大事なのは、「見直しを検討した」であって「即座に取引を停止した」ではないということ。多くの取引先は、できれば既存のパートナーと関係を続けたいと思っています。問題は、こちらが何も言わないと相手も判断できないということでした。
あの時の私は、「返事を先延ばしにすればするほど、相手の不信感が募る」という当たり前のことに気づいていませんでした。沈黙が一番よくない。それを痛感した経験です。
3. 2回の危機を乗り越えた「断らない断り方」
結論から言うと、私は2件とも取引を継続できました。しかも、インボイス登録はしていません。ポイントは3つありました。
ポイント① すぐに返信する(内容は後から考える)
まず、メールが来たらとにかく24時間以内に返信することを徹底しました。内容が完璧じゃなくてもいい。「ご連絡ありがとうございます。少しお時間をいただき、ご返信させてください」だけでも全然違います。
実際に使った文例がこちらです。
【文例1:初回返信】
件名:Re: インボイス制度対応についてのお願い
◯◯様
いつもお世話になっております。
ご連絡いただき、ありがとうございます。
インボイス登録の件、承知いたしました。
こちらの状況も含めて整理したいので、
少しお時間をいただけますでしょうか。
今週中には改めてご連絡いたします。
引き続きよろしくお願いいたします。これだけで「ちゃんと読んでます」「逃げてません」というメッセージが伝わります。相手も安心してくれるんです。
ポイント② 自分の状況を正直に伝える
次に大事なのは、なぜ登録しないのか(できないのか)を説明することでした。ただし、「お金がない」「損したくない」みたいな言い方だと、相手も困ってしまいます。
私が使ったのは、「現在の売上規模では、登録による負担が大きいため、慎重に検討している」という表現です。これなら相手も納得しやすい。
【文例2:状況説明】
インボイス登録について検討いたしましたが、
現在の事業規模では消費税の納税負担が大きく、
即座の登録は難しい状況です。
ただ、今後売上が増えた際には登録も視野に入れております。
もし可能であれば、当面は現状のまま
お取引を継続させていただけないでしょうか。こう書くと、「将来的には対応する可能性もある」という前向きな姿勢が伝わります。実際、1件目の取引先はこれで「わかりました。しばらく様子を見ましょう」と返してくれました。
ポイント③ 代替案を提示する
もう一つ効果的だったのが、「代わりにこういう対応ならできます」という提案でした。例えば、報酬を税抜き価格に調整する、請求書のフォーマットを相手の経理に合わせる、などです。
2件目の取引先には、こんなメールを送りました。
【文例3:代替案の提示】
インボイス未登録のため適格請求書は発行できませんが、
以下の対応でしたら可能です。
・報酬額を税抜き価格に調整
・請求書に「適格請求書発行事業者ではない」旨を明記
・経理処理に必要な情報があれば追加記載
ご不便をおかけしますが、ご検討いただけますと幸いです。相手の経理担当者は、「この人は協力的だな」と感じてくれたようで、結果的に取引は継続になりました。「できません」で終わらせず、「できることはこれです」と示すだけで、印象は大きく変わります。
こうした交渉のテンプレートは、フリーランス協会の公式サイトでも公開されています(参考:フリーランス協会「インボイス対応ガイド」)。困ったときは、こういった公的機関の情報も参考にするといいと思います。
4. 契約が続いて気づいた「本当の価値」
取引を守れたことで、私が得たのは単なる収入の維持だけではありませんでした。
一番大きかったのは、「ちゃんと話せば伝わる」という経験です。それまでの私は、言いたいことがあってもつい飲み込んでしまうタイプでした。でもこの件で、正直に自分の状況を伝えたら相手も理解してくれるんだと知りました。それ以来、納期の調整や報酬の交渉も、以前よりスムーズにできるようになった気がします。
もう一つは、「知識があると選択肢が増える」ということ。最初は「登録するかしないか」の二択だと思っていましたが、調べていくうちに「値引きで対応」「税抜き調整」「経過措置の活用」など、いろんなやり方があることがわかりました。知らなかったら、焦って登録していたかもしれません。
実は、インボイス制度には経過措置があって、2029年9月30日までは仕入税額控除の一定割合が認められています。つまり、取引先側も「完全に損をする」わけではないんです。こういう制度の仕組みを知っているかどうかで、交渉の余地は全然変わってきます。
これって、スキルの問題じゃないんですよね。単純に「知っているか、知らないか」だけ。私自身、最初は「自分の実力不足でトラブルになってる」と思い込んでいましたが、実際は制度や交渉の知識が足りなかっただけでした。
5. 明日からできる3つのアクション
じゃあ具体的に何から始めればいいのか。私の経験から、すぐに試せることを3つ挙げてみます。
ステップ1:取引先のメールにまず返信する
保留中の連絡があるなら、今日中に返事を送りましょう。内容は「確認しました。少し検討させてください」だけでもOKです。とにかく「逃げてない」という姿勢を見せることが大事。
ステップ2:自分の状況を整理する
年間売上、消費税の負担額、各取引先の売上比率などを書き出してみてください。数字で見ると、「この取引先は絶対守りたい」「ここは正直代わりがいる」みたいな優先順位がはっきりします。感情だけで判断するより、ずっと冷静に交渉できます。
ステップ3:知識を「お守り」として持っておく
交渉術やビジネスの基礎知識は、持っていて損はありません。私が最近知ったのが、**個人事業経営士(CFQ)**という資格です。これは「稼げる資格」というより、フリーランスが直面する契約トラブルや税務、法律の基礎を体系的に学べる内容になっています。
実際、私みたいに「知識不足でトラブルを大きくしてしまった」経験がある人には、こういった資格を取ることで「無理な要求から自分を守るための盾」になると感じました。資格そのものが仕事を増やすわけではないけれど、判断に迷ったときの「基準」があると、不安が減るんです。
詳しくは個人事業経営士・CFQ資格の公式サイトに載っています。もし「もっと体系的に学びたい」と思ったら、選択肢の一つとして見てみるのもいいかもしれません
よくある疑問と誤解(Q&A)
Q1. 取引先が大手企業の場合、インボイス登録交渉の余地はありますか?
A:👉手企業は社内ルールが厳格なので、個別対応が難しい場合もあります。ただ、経理部門や購買部門に直接問い合わせて「経過措置の適用は可能か」「税抜き調整での継続は検討できるか」など具体的に聞いてみる価値はあります。意外と柔軟に対応してくれるケースもあるので、諦めずに一度相談してみるといいと思います。
Q2. インボイス登録を強く迫られた場合、どう断ればいいですか?
A:👉まず「登録を検討している」という姿勢は見せつつ、現時点での事業規模や負担を正直に伝えましょう。その上で「登録した場合の報酬の見直しは可能か」「経過措置期間中は現状維持でお願いできないか」など、具体的な条件を提示してみてください。一方的に断るのではなく、対話のテーブルに乗せることが大切です。
これらは全て正しい知識があるだけで避けられるトラブルばかりです!
トラブルの原因はあなたの人間性ではなく「知識不足」
「何でこんなトラブルばっかり起こるんだろう。もしかして向いていないのかな…」と悩んだこと、私も何度もありました。
でも今になって思い返してみると、自分自身を責める必要なんて全くなくて、ただの知識不足だったんですね!
じゃあどうやって効率よく学ぶ?
私が「もっと早く知りたかった…」と思ったのが、CFQ(個人事業経営士)の公式参考書でした。
この1冊で身に付く知識
- 届出・税務の基礎(開業届、青色申告、インボイス制度)
- 契約・法務の実務(契約書の作り方、著作権、下請法)
- 保険・リスク管理(損害賠償、PL保険、トラブル対応)
- ビジネスマナー・オンラインマナー(会社員勤務の経験が少ない方にも)
- ケーススタディ(実例から学ぶ失敗パターン)
- 4択式テスト(理解度チェック)
単なる制度を解説する内容ではなく、「明日から使える実践知識」が詰まっています。

こんな人におすすめ
- 今の自分、何がいけないかが分からない
- 契約書・見積書の作り方に自信がない
- 確定申告でいつも不安になる
- クライアントと対等に接したい
- もっと自分に自信を持ちたい
私自身、この参考書に出会ってから、「一人で抱えて不安」が「自信を持って対応できる」に変わりました。
あなたの「事業者としての土台」を、この1冊がしっかり支えてくれます。
資格取得が目的じゃなくても、手元に置いておくだけで「困ったときの辞書」みたいに使えるので、私は今でもたまに見返しています。
【まとめ】自分だけで悩まず「対話する」ことが大事
インボイス未登録で取引先から連絡が来たとき、「もうダメかもしれない」と思う気持ち、すごくわかります。私も同じでした。
でも、焦って登録する前に、一度立ち止まって考えてみてください。本当に登録が必要なのか、他の選択肢はないのか、取引先と話し合う余地はないのか。答えは一つじゃありません。
大事なのは、自分の状況を正直に伝えて、相手と一緒に解決策を探ること。そして、そのための知識を少しずつ身につけていくこと。それだけで、見える景色は変わってきます。
もし今、どう返信すればいいか迷っているなら、まずは「ご連絡ありがとうございます。少し検討させてください」と返すところから始めてみてください。そこから、きっと道は開けていきます。
迷ったら、またいつでもここに戻ってきてくださいね。
よくある疑問と誤解(Q&A)
トラブルの原因はあなたの人間性ではなく「知識不足」

