コンテンツへスキップ

フリーランス新法:知らないと損する3つの落とし穴|タダ働きを「事務的な正当請求」に変えた話

  

こんにちは。フリーランスひかるです。

「フリーランス保護法って、名前は聞いたことあるけど、自分には関係ないかな」——そう思っていませんか?

正直、私もそうでした。2024年11月に施行されたフリーランス新法のニュースを見ながら、「どうせ建前でしょ。クライアントが意識してくれなきゃ意味ないし」と、完全に他人事でした。

ところが。

法律の中身をちゃんと読んだ日、ある場面が頭をよぎったんです。「あの無料修正、請求できたんじゃないか」と。

フリーランス10年のあいだに、何度タダ働きを飲み込んできたか数えきれません。「関係ない」と思って無視した法律が、実は自分の毎日の仕事に直結していた。この記事は、そんな気づきを整理したものです。

この記事を読むとわかること

  • フリーランス新法の「書面明示・支払期日・ハラスメント対策」3つのポイントが実務でどう使えるか
  • 「自分には関係ない」が危険な理由と、泣き寝入りをなくすための考え方
  • 今日から使える、無料修正・追加作業の正当請求へのアプローチ方法

フリーランス新法で変わった3つのこと【2024年11月施行】

まず、法律の中身を簡単におさえておきましょう。

フリーランス新法(正式名称:特定受託事業者に係る取引の適正化等に関する法律)は、2024年11月1日に施行されました。対象は「従業員を使用しない個人または一人社長」、つまりひとりで働いているフリーランス全員です。

ポイントは大きく3つ。

① 書面明示義務 発注事業者は、業務内容・報酬額・支払期日などを書面(またはメール等)で明示しなければなりません。口頭だけの発注は、この時点でアウト。

② 報酬の支払期日(原則60日以内) 成果物を納品してから、原則60日以内に報酬を支払う義務が課されます。「いつ振り込まれるかわからない」という状況は、明確に違法になりました。

③ ハラスメント対策義務 発注事業者には、フリーランスへのハラスメント対策のための体制整備が義務づけられています。従業員と同様の扱いです。

「なんだ、発注者側の話か」と思った方、ちょっと待ってください。ここが落とし穴のはじまりです。


「自分には関係ない」が危ない、本当の理由

フリーランス側が法律を知らないと何が起きるか。答えは単純で、「相手も守らなくていい」という空気が生まれます。

法律はあくまで権利のフレームワークです。知識がなければ、権利は存在しないも同然。

実際、フリーランス・トラブル110番(厚生労働省委託・第二東京弁護士会運営)には、「口頭発注で仕事をして、後から報酬を減額された」「追加修正を断ったら契約を打ち切られた」という相談が今も絶えないそうです。

一方で、フリーランス保護法の「書面明示義務」を知っているだけで、たとえばこんな対応が自然にできるようになります。

「今回の業務範囲について、書面か書面に準じるもの(メール等)で確認させていただけますか。先日の法改正で、私のほうでも記録を残すようにしています」

これだけで、後から「言った言わない」のトラブルを防ぎ、無根拠な追加要求にも「契約範囲外です」と言いやすくなります。

意外と知られていないのですが、フリーランス新法の施行後も「クライアントが意識していない」ケースは非常に多い。だからこそ、フリーランス側が知識を持つことが重要です。


タダ働きを「事務的な正当請求」に変えた話【最差別化ゾーン】

ここから少し、私自身の話をします。

フリーランスひかる、10年目。これだけキャリアを積んでも、数年前まで「無料修正」を何度も飲み込んでいました。

あるデザイン案件で、初回提案後に5回以上の修正依頼が来たことがあります。最初の契約書(というか、メール一行の「お願いします」)には修正回数の記載なし。「プロとしての誠意」だと思いこんで、黙って対応し続けました。

結果、時給換算で800円を下回りました。

法律を知ったのは、その翌年です。フリーランス新法の内容を読んで気づいたのは、「私が損をしたのは、スキルが足りなかったからじゃない。知識がなかったから」という事実でした。

書面明示義務を知っていれば、「契約範囲の確認」を自然に求められた。支払期日のルールを知っていれば、「これ以上は別途見積もりが必要です」と言う根拠ができた。

もっと重要なのは、「法にのっとって正しい請求をしているだけ」という心の整理がついたことです。

以前は、追加請求をすること自体が「クレーマーみたいで嫌だ」という感覚がありました。でも法律を知ると、それは感情の問題ではなく、「事務処理」になる。

「契約書に記載のない追加作業については、別途お見積もりをさせていただきます。ご確認いただけますでしょうか」

この一文が、自然に送れるようになった。

「ミスを減らしたい」ではなく、「信頼される実務力を身につける」。フリーランスとしての武器は、技術だけじゃないと実感した瞬間でした。


今日からできること【3ステップ】

「法律を知ろう」と言っても、条文を読むのはハードルが高い。実務ベースで、今日できることを3つだけ挙げます。

ステップ1:今の契約書・発注メールを見直す 現在進行中の取引に、業務範囲・修正回数・支払期日が明記されているか確認しましょう。記載がない場合は、「確認のため書面化させていただけますか」と依頼するだけでOKです。

ステップ2:「業務範囲外です」を一言添えるクセをつける 口頭で追加依頼が来たとき、即答しないのも立派な実務スキルです。「確認してからご連絡します」と一呼吸置くだけで、あとの対応が変わります。

ステップ3:契約・税務・マナーを体系的に学ぶ 実はここが本質です。フリーランス新法の3つのポイントは、どれも「契約」の話です。契約書の書き方、見積もりのルール、報酬交渉のマナー——これらをバラバラに学ぶより、体系的に整理しておくほうが、現場での判断が速くなります。

個人事業経営士・CFQ資格(https://biz-support.or.jp/cfq)は、税金・確定申告・契約・マナーをトータルで学べる、フリーランス向けの実務資格です。「なぜそうなるのか説明できる」レベルの理解を目指せます。テキストについては公式参考書も参考にしてみてください。


フリーランス新法に関するよくある疑問

(個人事業経営士CFQ 監修)

Q1. フリーランス新法の対象は?副業フリーランスも入りますか?

A:👉はい、対象です。フリーランス新法では「従業員を使用しない個人事業者」が対象とされており、本業が会社員でも副業で業務委託を受けている場合は対象に含まれます。ただし、B to Cの取引(一般消費者が直接依頼するケース)は対象外です。自分の取引が「発注事業者(従業員を持つ事業者)からの業務委託かどうか」を確認しましょう。

Q2. クライアントが法律を守ってくれない場合、どこに相談できますか?

A:👉厚生労働省委託の「フリーランス・トラブル110番」(https://freelance110.jp/)に電話またはメールで相談できます。弁護士に無料で相談でき、匿名での問い合わせも可能です。また、公正取引委員会や中小企業庁にも申告窓口が設けられています。一人で抱え込まず、まず相談してみることをお勧めします。

このように、正しい知識があるだけでトラブルは避けられます!


まとめ|フリーランス新法は「知ってから使う」時代へ  

フリーランス新法(保護法)の内容を改めて振り返ると、書面明示・支払期日・ハラスメント対策の3点は、どれも「知っているだけで使える知識」です。

条文を暗記する必要はありません。「こういう権利がある」という感覚を持てるかどうか、それだけで現場での判断がまったく変わります。

「自分には関係ない」と思っていたフリーランス新法が、気づけばタダ働きを防ぐ一番の武器になっていた——私の経験がそのまま誰かの「そういうことか」につながれば、この記事を書いた意味があります。

法律を知ることは、クライアントに強く出ることでも、交渉上手になることでもない。「事務的に、正当に、自分の仕事に値段をつける」ための、静かな自信の話です。

あなたがすでに積み上げてきた経験と、この小さな知識の積み重ね。その組み合わせが、信頼される実務力になっていくんだと思います。

✅ あなたのフリーランス新法の知識、落とし穴がないか3分で確認しよう!
👉 【完全保存版】フリーランス実務チェックリスト

この記事の監修者

フリーランスひかる
フリーランス歴10年超。
報酬未払い、契約トラブル、ブラッククライアント案件…いろんな修羅場を経験してきました。
「あの時知ってさえいれば…」という後悔をバネに、フリーランスの人が同じ失敗をしないよう、自分の身を守る知識と、今日からできる対処法をお伝えします。
※フリーランス実務資格「個人事業経営士CFQ」監修