
この記事は、フリーランス実務資格「個人事業経営士・CFQ」監修のもと作成しています。

こんにちは。フリーランスひかるです。
フリーランスの単価交渉って、頭では「やらなきゃ」とわかっているのに、いざとなると言葉が出てこないですよね。
「嫌われたらどうしよう」「他の人に変えられたら」「これくらいの実績じゃまだ早いかな」
そんな言葉がぐるぐると頭を巡って、結局また見送り。変わらない金額で請求書を送りながら、どこかモヤモヤしたまま仕事を続ける。
正直に言います。私もそうでした。フリーランス歴10年の今でも、単価交渉は「得意です」とは言えない。でも、断られ続けた経験の中で気づいたことがあります。うまくいかなかった理由のほとんどは、「勇気の問題」じゃなかった。
「伝え方のズレ」と「知識の不足」だったんです。
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✅ この記事を読むとわかること
- 単価交渉を断られやすい人がやってしまいがちな3つのパターン
- 値上げの切り出し方で失敗しない「言い方」の考え方
- 自己評価が低いフリーランスでも動ける、今日からの3ステップ
断られる前にやるべき3つの確認
まず、単価交渉に入る前に確認しておきたいことがあります。
① 信頼の土台はできているか クライアントが「この人に長く頼みたい」と思っている状態かどうか。納期を守っている、修正対応が丁寧、連絡が早い。この3点が揃っているかが、交渉の前提です。
② タイミングは適切か プロジェクト佳境のタイミングや、クライアント側の期末直後は避けましょう。期初や、自分の実績が出た直後が動きやすい。
③ 市場相場を把握しているか 感覚ではなく、同じ職種・経験年数の相場を調べておくことで、交渉の根拠が生まれます。クラウドソーシングや求人サイトで確認できます。
これを踏まえても断られる場合、問題は別のところにある可能性が高い。ではなぜ断られるのか。
値上げを断られた3つの本当の理由
「実力不足」だと思っていた。でも、実際は違いました。
理由① 「自分の価値を言語化できていなかった」
単価交渉で断られたとき、相手は「あなたの実力が足りない」と思っているケースより、「なぜ上げる必要があるのかがわからない」と感じているケースのほうが多いです。
フリーランス歴3年目ごろ、私はあるクライアントに「そろそろ少し単価を見直せたらと思っていて…」と切り出しました。
返ってきた言葉は「うーん、今のままで十分助かってるんですけどね」。
断られた、と感じました。でも後から冷静に振り返ると、相手は「断った」というより「なぜ上げるのかがわからなかった」だけだったと気づきました。私は自分が提供している価値を、一切言語化していなかった。
「納品が早い」「修正が少ない」「企画まで対応できる」といった事実は、言わなければ伝わらない。
理由② 「昨今の値上げ便乗」に見えてしまっていた
物価高・インボイス制度・光熱費の上昇。これらを理由に値上げを求めるフリーランスは増えています。でも、クライアント目線で考えると「うちも同じ状況だし」と思われるケースがある。
昨今の値上げに乗っかる言い方が悪いわけじゃないですが、「あなたを雇い続けるメリット」と紐づけないと、説得力が弱くなる。
「物価が上がったので」ではなく、「○○の対応ができるようになったため、より貢献できると考えています」という構成に変えるだけで、印象がかなり変わります。
理由③ 「自己評価が低い」ままで交渉していた
単価交渉で自己評価が低いフリーランスに多いパターン。それは「交渉している途中で自分から引いてしまう」こと。
「まぁ、ご予算の都合もあると思いますので…」「もしご迷惑でなければ…」という言い方をしていませんか。
相手が保留にしているだけなのに、「ああ、嫌がっているな」と自分で判断して撤退してしまう。
これは、交渉の「怖い」という感情が先に動いてしまっているから。
意外と知られていないですが、クライアントが「難しいですね」と言うのは、拒否ではなく「もう少し理由を聞かせてほしい」という意味であることも多い。
失敗経験が武器になる3つの理由
断られた経験って、実は「次に活かせる情報の塊」です。
① 「断られた理由」を聞くクセがつく
一度断られた後、「よろしければ、どのような点が難しかったか教えていただけますか?」と一言聞く。これができるようになっただけで、次の交渉の精度がぐっと上がります。「予算の都合」なのか「今の業務内容では根拠が薄い」のか、理由によって次のアクションがまったく違う。
② 「交渉しなくていい仕組み」に気づける
断られ続けた経験から気づいたのが、「毎回交渉するより、最初の契約設計でカバーできることがある」ということ。
たとえば、修正回数の上限設定、追加タスクの単価を最初に明記する、など。
交渉が苦手なら、そもそも「言わなくていい仕組み」を設計するほうが、精神的にもラクです。
この考え方を掘り下げた記事をnoteで公開していますので、気になる方はこちらも読んでみてください。
③ 知識があれば「根拠」になる
単価交渉に失敗したとき、「スキルが足りなかった」と思いがち。
でも実際は「業務委託契約の構造」や「下請法の適用範囲」を知っているかどうかが、交渉の自信に直結していることが多い。
「一般的にはこういった契約形態では○○が相場とされています」と言える人と、「なんとなく上げたい」という人では、交渉の説得力がまったく違う。
知識は「強気になるためのもの」じゃなくて、「自分の立ち位置を正確に把握するため」のものだと思っています。
10年目が使う言い方:今日からできる3ステップ
STEP 1 自分の「提供価値リスト」を作る
過去の案件で自分がやった仕事を書き出してみてください。「対応が速かった」「仕様変更に柔軟だった」「提案を自発的にした」など、些細なことでOK。
これが交渉の材料になります。
STEP 2 切り出す文を一つ決めておく
単価交渉の切り出し方で一番怖いのは「その場で何を言うか考えること」です。
あらかじめ文章を決めておくと、心理的ハードルが下がります。
シンプルな例はこちら。
「継続してご依頼いただきありがとうございます。
次回更新のタイミングで、単価について一度ご相談させていただけますでしょうか。
これまでの業務内容と今後の対応範囲を踏まえ、○○円を希望しております。
ご検討いただけると幸いです。」「ご迷惑でなければ」は不要です。丁寧に、でも明確に。これだけで印象が変わります。
STEP 3 断られたら「理由を聞く」だけでいい
断られた直後に感情的になるのは逆効果。「承知しました。よろしければ、どのような点が難しかったか教えていただけますか?」の一文だけ返して、引き下がる。
これが次の交渉の布石になります。
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フリーランスの単価交渉に関するよくある疑問
Q1. 単価交渉の切り出し方、メールと口頭どちらがいいですか?
A:👉一般的には、まず口頭やチャットで「ご相談したいことがあります」と伝え、その後メールで書面として残す方法が信頼を損ないにくいとされています。実務では、いきなりメール一本で伝えるとクライアントが驚くケースもあるため、事前の一声があると丁寧な印象になります。ただし関係性や職種によって正解は変わるので、一概に「こちらが正しい」とは言い切れません。
Q2. フリーランス新法(フリーランス・事業者間取引適正化等に関する法律)は単価交渉に関係しますか?
A:👉2024年11月に施行されたフリーランス保護新法では、業務委託時の条件明示や報酬の減額禁止などが義務付けられています(公正取引委員会の公式情報参照)。単価交渉そのものを定めた法律ではありませんが、「正当な理由のない値下げ要求」がしにくくなった背景として活用できます。「法令上も適正な単価の確保が求められる時代になっています」という文脈で、交渉の根拠の一つにすることができます。
このように、正しい知識があるだけでトラブルは避けられます!
まとめ|単価交渉やり方より、「なぜ断られるか」を知ることが先
フリーランスの単価交渉でうまくいかないとき、問題は「言い方」よりも「根拠の薄さ」と「自己評価の低さ」にあることが多いです。
断られた経験は、次の交渉を精度高くするための情報です。失敗談を積み上げてきたフリーランス10年目として言えるのは、「知識があると、自分の立ち位置がわかる。立ち位置がわかると、言葉が出てくる」ということ。
テンプレを使えるかどうかより、なぜその言い方が機能するのかを理解できているかどうか。その差が、長期的な信頼につながります。
契約・交渉・マナーの知識をトータルで整理したい方には、フリーランス向けの実務資格「個人事業経営士(CFQ)」も参考にしてみてください。テキスト・試験・資格取得まで一貫して設計されていて、公式参考書は実務にも使える内容になっています。
自分で判断できるフリーランスになるために、一歩ずつ積み上げていきましょう。
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この記事の監修者
フリーランスひかる
フリーランス歴10年超。
報酬未払い、契約トラブル、ブラッククライアント案件…いろんな修羅場を経験してきました。
「あの時知ってさえいれば…」という後悔をバネに、フリーランスの人が同じ失敗をしないよう、自分の身を守る知識と、今日からできる対処法をお伝えします。
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