
この記事は、フリーランス実務資格「個人事業経営士・CFQ」監修のもと作成しています。

こんにちは。フリーランスひかるです。
「業務委託なのに、まるで社員みたいな扱いをされた」——そんな経験、ありませんか?
フリーランスへのパワハラ事例を調べているあなたは、もしかしたら今まさにその状況にいるか、過去のモヤモヤを整理しようとしているのかもしれません。わたしにも、似たような経験があります。
でも、一つだけ先に言っておきたいことがあります。あなたが「おかしい」と感じたその感覚、たぶん正しいです。そしてその経験は、今後の取引先を見極めるうえで、ものすごく大事なセンサーになります。
✅ この記事を読むとわかること
- フリーランスへのパワハラ・ハラスメントの具体的な事例7選
- 「会社文化の押し付け」がフリーランス新法の違反になるかどうか
- ハラスメントを受けたときに、今日からできる3つの対処法
まず結論!「会社文化の押し付け」は状況次第でフリーランス新法違反になりえる
先に結論を出しておきます。
「社員と同じように扱う」「発注者の社内ルールを強制する」といった行為は、程度によってはフリーランス新法(2024年11月施行)が定めるハラスメントに該当する可能性があります。
ただし、すべてが即「違法」になるわけではありません。どんな行為が、どの程度続いたかによって判断が変わります。グレーゾーンも多い。
なぜそう言い切れるのか、実はわたし自身がこれに近い体験をしています。その話は後半の「小説セクション」に書きました。先に全体像を掴んでから読んでもらえると、より刺さると思います。
フリーランスへのパワハラが起きやすい「構造的な理由」
フリーランスがパワハラを受けやすいのは、「気が弱い」とか「断れない性格」とかではありません。そもそもの構造に問題があります。
契約関係の非対称性が根本にあります。発注者は「仕事を出す側」、フリーランスは「仕事をもらう側」。この非対称性があるかぎり、フリーランスはどうしても立場が弱くなります。「嫌なら切る」という暗黙のプレッシャーが常にある。
加えて、発注者側の担当者が「フリーランスは労働者じゃない=何をしてもいい」と無自覚に思っているケースが少なくありません。会社の中の常識がそのままフリーランスにも適用されてしまう。
これはあなたの問題ではなく、知識とルールの問題です。
フリーランスへのパワハラ事例7選
実際に起きているハラスメントの事例を、パターン別に整理しました。
事例① 業務委託なのに「社員扱い」で指示命令
「明日の朝9時に出社してください」「毎週月曜はミーティング必須」——フリーランスに対して、まるで雇用されているかのように指揮命令をするケースです。
業務委託契約において、発注者がフリーランスの働き方を細かく指定するのは、法的には「偽装請負」に当たる可能性があります。これは労働者派遣法違反の問題にもなりえます。
事例② 会社の社内ルールをそのまま押し付ける
「うちの会社はアイデア出しのとき、社長が話し始めるまでは発言しないルールがある」「報連相は必ず○○のフォーマットで」といった、その会社固有のカルチャーをフリーランスにも強要するパターン。
社員同士のルールが外部の業務委託先に及ぶのは、契約の範囲を超えた要求になりえます。
事例③ アイデアへの一方的なダメ出し・否定
提案を出すたびに「それはない」「センスが悪い」と否定される。しかも代替案もなし。
パワハラの6類型(厚生労働省定義)のうち「精神的な攻撃」に当たる可能性があります。業務改善を目的としない繰り返しの否定は、ハラスメントとして認定されることもあります。
事例④ 「契約を切るぞ」という脅し
「この件がうまくいかなければ、次はないよ」「他にも候補はいる」といった、契約継続をちらつかせた圧力。
これはフリーランス新法第5条の「禁止行為」に該当する可能性があります。特に報酬の減額や契約の一方的な打ち切りと組み合わさると、法律違反になりえます。
事例⑤ 過大・過小な要求
契約外の業務を無償で求められる(過大な要求)、逆に報酬だけ抑えて仕事内容を矮小化される(過小な要求)。どちらもパワハラの類型に含まれます。
事例⑥ 無視・孤立化
打ち合わせに呼ばれない、情報共有から外される、返信が極端に遅くなる——雇用関係にあれば「無視」として問題視されるような行為も、フリーランスに対して起きています。
事例⑦ セクシャルハラスメント
発注者との食事の場での性的な言動、オンラインでの不適切なメッセージ。フリーランス新法では、セクハラも対象のハラスメントとして明示されています。
フリーランス新法(2024年施行)が変えたこと
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 施行日 | 2024年11月1日 |
| 正式名称 | 特定受託事業者に係る取引の適正化等に関する法律 |
| ハラスメント規定 | 第14条:発注事業者にハラスメント対策の体制整備を義務化 |
| 対象ハラスメント | パワハラ・セクハラ・マタハラの3種類 |
| 違反した場合 | 勧告・企業名公表・50万円以下の罰金 |
| 相談窓口 | 各都道府県の労働局 |
フリーランス新法の重要なポイントは、「体制整備の義務」です。
発注事業者がハラスメント対策の相談窓口を設けることが義務付けられました。窓口を設けていない企業自体が違反になりえます。
ただし「会社文化の押し付け」がそのまま法律違反かというと、現時点では条文上明確ではないケースも多い。
「業務上必要な範囲を超えているか」「継続的か」「就業環境を害しているか」という3つの要素が揃ったときに、ハラスメントと認定されやすくなります。
「これってハラスメント?」と迷ったら、まずはフリーランス・トラブル110番(厚生労働省委託、第二東京弁護士会運営)に相談するのが一番です。
「お前の部下じゃない」——ある打ち合わせの記憶
ひかるがそのクライアントと初めて打ち合わせをしたのは、都内のガラス張りの会議室でした。
ホワイトボードに「ブレスト」と書かれ、「じゃあアイデアを出し合いましょう」と言われた。
でも蓋を開けてみると、社長が話し始めるまで誰も口を開かない。
若い社員たちはノートにペンを走らせながら、ちらちらと上を見ている。
ひかるがそこに気づいたのは、最初のアイデアを出した直後でした。
「それはちょっと違うかな」
社長の声は穏やかでした。だからこそ、何も言えなかった。
二回目のアイデアも、三回目も、「うーん」の一言で終わった。
代替案は出ない。なぜダメなのかも説明されない。ただ、否定される。
会議が終わったあと、ひかるはエレベーターのボタンを押しながら、自分が何の役割でここにいたのか考えていました。
アイデアを出す人間として呼ばれた。
でも実際には、出したアイデアを否定されるための人間として機能していた。
その認識が整理されたのは、後日たまたま見たXのポストがきっかけでした。
「フリーランスへのパワハラ事例」というスレッドに、似たような体験談が並んでいた。指揮命令の問題、社員扱い、ダメ出しの連鎖——。
画面をスクロールしながら、ひかるは静かに思いました。
名前があったんだ、これに。
今日からできること3ステップ
Step1:記録を残す
ハラスメントを受けたら、日時・場所・発言内容・同席者を記録しておきましょう。
感情的なメモではなく、「いつ・どこで・何を言われたか」という客観的な記述が後で役に立ちます。
チャットのスクリーンショットや、メールのログも保存しておくと安心です。
Step2:相談窓口に連絡する
フリーランス・トラブル110番(0120-532-110、受付11:30〜19:30・土日祝除く)に相談できます。
厚生労働省委託の第二東京弁護士会が運営しており、法律的にハラスメントに該当するかどうか、弁護士に無料で確認できます。匿名での問い合わせも可能です。
あるいは、各都道府県の労働局窓口でも相談を受け付けています。
Step3:契約内容を見直す
今後の予防のために、業務委託契約書に「指揮命令の禁止」「業務範囲の明示」を盛り込むことが有効です。
フリーランス新法では、発注時に書面での取引条件提示が義務化されています。
口頭の発注だけで動くのはリスクがあります。
まとめると、記録→相談→契約の見直し、この順番で動くのが現実的です。
今後、このような失敗や損は経験したくないですよね?
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フリーランスへのパワハラに関するよくある疑問 
(個人事業経営士CFQ 監修)
Q1. フリーランスがパワハラを受けても、労働基準監督署には相談できないの?
A:フリーランスは「労働者」ではなく「個人事業主」のため、基本的には労働基準法の対象外です。そのため労働基準監督署への相談は原則として難しい状況です。ただし、フリーランス新法施行後は各都道府県の労働局がフリーランスからの相談窓口となっています。法律の適用が複雑なケースもあるため、まずはフリーランス・トラブル110番への相談を優先するのがよいでしょう。
Q2. 契約書がない場合、ハラスメントの証明はできる?
A:契約書がなくても、メールやチャットのログ、振込記録、打ち合わせの議事録などで取引関係の存在を示せる場合があります。過去の裁判例(業務委託契約なし・セクハラ事案)でも、契約書がない状態で発注者側の安全配慮義務違反が認められたケースがあります。証拠として残しておけるものは、種類を問わず保存しておきましょう。
このように、正しい知識があるだけでトラブルは避けられます!
まとめ|フリーランスへのパワハラ「なんかおかしい」は間違っていない
フリーランスへのパワハラ・ハラスメントは、法整備が遅れてきた分野でした。でも2024年のフリーランス新法施行で、状況は少しずつ変わっています。
「業務委託なのに社員扱い」「会社文化の押し付け」「アイデアへの一方的なダメ出し」——これらが常態化しているなら、それは取引先の問題であって、あなたの能力の問題ではありません。
ハラスメントかどうか判断に迷ったとき、またこの記事に戻ってきてください。
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この記事の監修者
フリーランスひかる
大手IT企業に勤務後独立。フリーランス歴15年超。
報酬未払い、契約トラブル、ブラッククライアント案件…いろんな修羅場を経験してきました。
「あの時知ってさえいれば…」という後悔をバネに、フリーランスの人が同じ失敗をしないよう、自分の身を守る知識と、今日からできる対処法をお伝えしていきます。
※フリーランス実務資格「個人事業経営士CFQ」監修



