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フリーランス保護法を知らないと損する6つのこと|あなたのクライアント、実は違法かも!?

  

こんにちは。フリーランスひかるです。

「また修正が来た。しかも今回はイメージが違うって……」

フリーランスで働いていると、一度はこういう経験をしたことがあるんじゃないでしょうか。口頭で受けた仕事、証拠のない約束、無償でのやり直し要求。以前のわたしも、これを「フリーランスだから仕方ない」と受け入れていました。

でも実は、その「仕方ない」が2024年11月からぜんぶ違法になっています。

フリーランス保護法(特定受託事業者に係る取引の適正化等に関する法律)の施行により、発注者側に具体的な義務が課されるようになりました。知っているだけで、次の交渉から使える話です。

この記事を読むとわかること

  • フリーランス保護法で「違法」になった6つの発注者の行為
  • 泣き寝入りしてきた状況に使える具体的な条文番号
  • 裁判なしで解決できる行政窓口の使い方

フリーランス保護法とは?まず結論から

フリーランス保護法とは、フリーランスに仕事を発注する事業者に対して、取引条件の明示・報酬の支払い期限遵守・ハラスメント対策などを義務づけた法律です。2024年11月1日に施行されました。

対象になるのは「従業員がいない個人事業主または一人社長」。デザイナー・ライター・エンジニア・カメラマン・インストラクターなど、業種を問わず幅広く適用されます。

これまでフリーランスには、労働基準法のような保護がほとんど及びませんでした。雇用契約ではなく業務委託であるため、支払い遅延や一方的な契約変更が横行していたのが現実です。それを「構造ごと変えよう」という意図で作られたのが、この法律です。


なぜフリーランスは泣き寝入りしてきたのか

「でも、クレームを入れたら次の仕事がなくなる」

多くのフリーランスがそう考えて黙ってきた。これはあなたの性格の問題でも、メンタルの弱さでもなく、単純に「法律上の根拠がなかった」という構造の問題です。

根拠がないまま交渉しようとすれば、相手に押し切られる。逆に言えば、法律という根拠を持てば、感情をぶつけなくても交渉できるようになります。

正直、この視点に気づいたのはかなり後のことでした。フリーランスを始めた頃のわたしは、「受け入れるのが信頼を積む方法」と思っていた。でも信頼と搾取は、全然別の話です。


フリーランス保護法で「違法」になった6つのこと

① 口頭発注・あいまいな契約が違法になった【第3条】

発注者は業務委託をおこなう際、以下の内容を**書面または電磁的方法(メール・チャットツール等)**で明示する義務を負います。

明示が必要な項目具体例
業務の内容記事執筆・LP制作・撮影 など
報酬の額〇〇円(税込/税別)
支払期日納品後〇日以内
業務委託期間〇月〇日〜〇月〇日

これまで「口頭で言ったはず」「チャットで伝えた」というあいまいな発注が横行していた背景には、書面明示のルールがなかったことがあります。

損する場面:「言った言わない」のトラブルが起きたとき、以前は証拠を持っていないほうが不利でした。今は逆で、書面を出さない発注者側が義務違反です。「書面で確認させてください」と言える根拠が生まれました。


② 報酬の支払いを60日以上引き延ばすのが違法になった【第4条】

継続的な業務委託(同じ発注者と継続して取引している場合)において、報酬の支払期日は業務委託日から60日以内に設定しなければなりません。

「翌々月末払い」「3ヶ月後に一括」といった支払い条件を、「うちの会社はそういう規定で」と押しつけるのは、この条文に照らすと違法になります。

損する場面:出版・広告・IT業界では「業界慣習」として長期支払いが当たり前のようになっていました。「慣習です」は法律の根拠にはなりません。60日を超える支払い条件を提示されたら、修正を求める権利があります。


③ 不当なやり直し要求・無償提供の強要が禁止になった【第5条】

以下の2つが明確に禁止されています。

やり直し要求の禁止 フリーランス側に落ち度がないにもかかわらず、「イメージと違う」「担当が変わったので方向性が変わった」などの理由で、納品済みの成果物のやり直しを強制することは禁止。

経済的利益の提供要請の禁止 「今後も仕事を出すから」「付き合いとして」などの名目で、金銭・サービス・無償制作物の提供を求めることも禁止です。

損する場面:修正無制限・無償での追加対応・他案件の無料サービスといった慣行に、法的に抵抗できるようになりました。「第5条の不当な給付内容の変更に当たる可能性があります」と伝えるだけで、交渉の空気は変わります。


④ ハラスメント対策を講じる義務が発注者に課された【第14条】

継続的な業務委託(6ヶ月以上)をおこなう発注事業者は、フリーランスに対するハラスメント防止のための体制整備が義務になりました。

具体的には「相談窓口の設置」や「社内規程の整備」が求められます。

損する場面:クライアントの担当者から高圧的な言動・過剰なクレーム・人格否定ともとれる言葉を受けても、以前は「業務委託だから」と泣き寝入りするしかありませんでした。今は「御社のハラスメント対応窓口はどちらですか」と確認できる立場になっています。


⑤ 育児・介護中でも配慮を求める権利ができた【第13条】

継続的な業務委託における発注事業者は、フリーランスから育児や介護との両立に関する申出があった場合、必要な配慮をおこなう義務を負います。

「フリーランスだから産休も育休もない」「自己責任でしょ」という考え方に、法律が待ったをかけた条文です。

損する場面:「子どもが急に熱を出したのでスケジュール調整を相談したい」「介護があるため週2日は対応が難しい」といった申出を、一方的に断ることは発注者側の義務違反になりえます。配慮を求めることは権利として認められています。


⑥ 裁判なしで解決できる行政ADR窓口ができた【第16条】

フリーランス保護法に関するトラブルは、都道府県労働局に設置された紛争あっせん窓口(行政ADR)を利用して解決できるようになりました。

ADR(裁判外紛争解決手続き)とは、弁護士費用や裁判の手間をかけずに、第三者を介して交渉・和解をめざす仕組みです。

損する場面:「弁護士に頼む費用がない」「証拠が不十分で裁判は無理」と感じて泣き寝入りしてきたケースに対して、行政の無料窓口で相談・あっせんが受けられます。相談窓口は厚生労働省のフリーランス相談窓口からアクセスできます。


【実話ベース】その修正、本当に受けるべきでしたか?

ひかるが、まだフリーランスを始めて3年目の頃の話です。

Webサイトのバナー制作を請け負った案件でした。打ち合わせはすべてチャット。「ビジネス感のある、シンプルなもので」という言葉だけが仕様書がわりでした。

初稿を送った翌日、メッセージが届きます。

「なんかイメージと違うんですよね。もう少しポップな感じで」

修正しました。2稿目を送ると、今度は「やっぱり最初のほうが良かったかも」。3稿目、4稿目。担当者が変わると、また振り出しに戻ります。

請求書を送った日、ひかるは画面をしばらく眺めていました。

報酬は最初の見積もりのまま。修正は7回。書面での合意は、どこにもない。

「こういうもんなんだよ」とSNSで誰かが書いているのを、後日見かけました。でも画面の向こうで、同じように7回修正している誰かの顔が浮かんで、なんとも言えない気持ちになりました。

第5条が施行されたのは、その数年後のことです。

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今日からできること3ステップ

Step 1:既存のクライアントとの取引を確認する 現在継続中の取引について、「書面明示はあるか」「支払期日は60日以内か」を確認します。口頭のみの取引があれば、「確認の意味でメールで共有させてください」と伝えるだけで十分です。

Step 2:次の受注から書面フローを標準にする 新しい案件を受けるとき、業務内容・報酬・支払期日を記載した簡易な発注確認書(メールでもOK)を相手に送ってもらうよう依頼する習慣をつけましょう。テンプレートは厚生労働省の書式例が参考になります。

Step 3:トラブルが起きたら都道府県労働局へ 問題が発生したら、まずフリーランス・トラブル110番(第二東京弁護士会)か、最寄りの都道府県労働局に相談します。証拠が不十分でも、相談自体は受け付けてもらえます。

フリーランス保護法は「知っているだけで使える」法律です。交渉の場で条文番号を出す必要すらなく、「法的に確認したいことがあるので書面でお願いします」という一言が、発注者の態度を変えることがあります。


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フリーランス保護法に関するよくある疑問 

(個人事業経営士CFQ 監修)

Q1. フリーランス保護法は、単発の仕事でも適用されますか?

A:書面明示の義務(第3条)は単発の業務委託にも適用されます。ただし、報酬支払期日の規定(第4条)やハラスメント対策の義務(第14条)などは「継続的な業務委託」が対象です。継続的取引とは、同一の発注者との取引が反復・継続しているケースを指します。単発でも書面を求める権利は変わりません。

Q2. 違反した発注者には罰則がありますか?

A:フリーランス保護法には、違反事業者に対して行政が是正指導・勧告・公表をおこなう仕組みがあります。刑事罰ではなく行政上の措置が中心ですが、「公表」は企業にとってレピュテーションリスクになります。また、紛争あっせんを経ても解決しない場合は民事上の損害賠償請求に移行することも可能です。


このように、正しい知識があるだけでトラブルは避けられます!


まとめ|フリーランス保護法を知ることが、交渉力の出発点

フリーランス保護法について、6つの「違法になった慣行」を確認してきました。

口頭発注・長期支払い・無償のやり直し・ハラスメント・育児介護への無配慮・泣き寝入りの構造。これらすべてに、今は法律という根拠があります。

「知らなかった」は損をします。でも今日知ったなら、明日からは使えます。

フリーランスとして長く安定して働くには、税金・契約・マナー・権利を体系的に理解することが、一番の防御になります。迷ったとき、またこの記事に戻ってきてください。

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この記事の監修者

フリーランスひかる
大手IT企業に勤務後独立。フリーランス歴15年超。
報酬未払い、契約トラブル、ブラッククライアント案件…いろんな修羅場を経験してきました。
「あの時知ってさえいれば…」という後悔をバネに、フリーランスの人が同じ失敗をしないよう、自分の身を守る知識と、今日からできる対処法をお伝えしていきます。
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