
こんにちは。フリーランスひかるです。
業務委託でフリーランスに仕事を発注したものの、途中で「やっぱり方向性が違うかも」と感じて解約を申し出たら、突然「成果物の対価として20万円返金してください」と言われた――。
そんな経験、ありませんか?
契約書には「途中解約可能」と書いてあったのに、相手からは「もう作業に入っているので」「ここまでの工数分は払ってほしい」と主張されて、結局どちらが正しいのか分からないまま、モヤモヤした気持ちで支払いに応じてしまった。
こうしたトラブルは、実は「契約書の曖昧さ」が原因であることがほとんどです。
今回は、企業の担当者から実際に聞いたトラブル事例をもとに、業務委託の途中解約で起こりがちな失敗パターンと、それを防ぐための具体的な対策をまとめました
✅ この記事はこんな方におすすめ
- 業務委託でフリーランスに発注しているが、途中解約のルールが曖昧で不安
- 過去に解約時のトラブルを経験し、今後は事前に対策しておきたい
- 契約書の「どこまで書けばいいか」が分からず、テンプレートを探している
この記事の監修者フリーランスひかる
フリーランス歴10年超。
報酬未払い、契約トラブル、ブラッククライアント案件…いろんな修羅場を経験してきました。
「あの時知ってさえいれば…」という後悔をバネに、フリーランスの人が同じ失敗をしないよう、自分の身を守る知識と、今日からできる対処法をお伝えします。
【実例】業務委託を途中解約したら、20万円の返金請求が来た話
ある企業の担当者、Aさんから聞いた話です。
Aさんは自社のWebサイトリニューアルを、フリーランスのデザイナーに業務委託で発注しました。契約金額は50万円。納期は3ヶ月後。
順調に進んでいたかに見えたのですが、途中で社内の方針が変わり、「やはり外部の制作会社に一括で任せたい」という話になりました。
Aさんは契約書に「途中解約可能」と記載していたため、丁寧にメールで解約の意向を伝えました。
すると、相手からこんな返信が。
「すでにデザイン案を3パターン作成し、修正も2回行っています。ここまでの工数を考えると、少なくとも20万円はお支払いいただきたいです」
Aさんは驚きました。契約書には「途中解約可能」とは書いてあったものの、「その場合の返金ルール」については一切触れていなかったのです。
結局、Aさんは相手と何度もやり取りをした末、15万円を支払うことで和解しました。
でも、心の中では「これって本当に払わなきゃいけなかったのかな」というモヤモヤが残ったそうです。
途中解約トラブルが招く「負のスパイラル」
このようなトラブルが一度起きると、次のような悪循環に陥ります。
1. 信頼関係が崩れる
途中解約を巡って金銭的な揉め事が発生すると、たとえ和解したとしても、相手との信頼関係は一気に崩れます。
「次回もこの人に頼もう」とは思えなくなりますし、相手も「あの会社はトラブルが多い」という印象を持つかもしれません。
フリーランス界隈は意外と狭いので、悪い噂が広がると、今後の外注先探しにも影響が出る可能性があります。
2. 社内での説明責任が重くなる
「なぜ15万円も余計に払うことになったのか」を上司や経理に説明するのは、正直しんどいです。
「契約書に不備があった」と認めるのは、担当者としての評価にも関わります。
結果的に、「もう外注は怖い」と感じて、今後の業務委託に消極的になってしまうケースも少なくありません。
3. 次回も同じミスを繰り返すリスク
契約書のどこが問題だったのかを明確にしないまま次の発注を行うと、また同じトラブルが起きる可能性が高まります。
「今度こそちゃんとしよう」と思っても、具体的に何をどう改善すればいいのか分からないと、結局曖昧な契約書のままになってしまうのです。
実際、2023年に発表された中小企業庁の調査では、フリーランスとの取引においてトラブルを経験した企業のうち、約40%が「契約内容の認識齟齬」を原因として挙げています。
企業担当者が陥る「3つの失敗パターン」と事前対策
では、途中解約のトラブルを防ぐには、具体的にどうすればいいのでしょうか。
ここでは、よくある失敗パターンを3つ挙げて、それぞれの対策を紹介します。
失敗パターン①「途中解約可能」だけ書いて、返金ルールを明記していない
なぜ起こるのか
多くの契約書には「途中解約可能」という一文が入っていますが、「その場合、すでに支払った費用はどうするのか」までは書かれていないことが多いです。
これでは、フリーランス側としては「ここまでの作業分は請求したい」と考えるのも当然です。
対策:返金ルールを明確に記載する
契約書には、以下の内容を具体的に盛り込みましょう。
- 途中解約が可能な期間(例:納品前であればいつでも可能)
- すでに支払った費用の扱い(例:作業進捗に応じて返金する / 返金しない)
- 作業済みの成果物の取り扱い(例:途中までの成果物は納品する / しない)
テンプレート例
【途中解約に関する条項】
発注者は、納品前であればいつでも本契約を解約できるものとします。
ただし、解約時点での作業進捗に応じて、以下の通り報酬を精算します。
- 作業着手前:全額返金
- 作業進捗50%未満:契約金額の30%を支払い
- 作業進捗50%以上:契約金額の70%を支払い
なお、途中までの成果物については、精算後に発注者へ納品するものとします。このように「進捗ごとの支払い割合」を明記しておけば、お互いに納得しやすくなります。
失敗パターン②「成果物の定義」が曖昧で、どこまでが納品対象か分からない
なぜ起こるのか
「Webサイトのデザイン」と一言で言っても、ワイヤーフレームだけなのか、デザインカンプまでなのか、コーディングまで含むのか、人によって解釈が違います。
途中解約の際に「ここまでやったから対価をください」と言われても、「そこまで求めてなかった」となると、揉める原因になります。
対策:成果物の範囲を具体的にリスト化する
契約書には、以下のように成果物を具体的に列挙しましょう。
テンプレート例
【成果物の定義】
本契約における成果物は、以下の通りとします。
1. トップページのデザインカンプ(PC版・スマホ版)
2. 下層ページ3ページ分のデザインカンプ
3. 使用する画像素材一式(PSD形式またはAI形式で納品)
4. デザインガイドライン(配色・フォント・余白ルール)
※コーディングは含まれません。ここまで書いておけば、「この部分までは完成している」「ここからは未着手」という線引きがしやすくなります。
失敗パターン③ 口頭での変更が積み重なり、「言った言わない」になる
なぜ起こるのか
プロジェクトが進む中で、「やっぱりこのデザインも追加で」「この機能も入れてほしい」といった変更が口頭やチャットで発生することはよくあります。
でも、それが契約書に反映されないまま進むと、途中解約の際に「追加分の作業も含めて請求します」と言われて、揉めることになります。
対策:変更は必ず書面で記録する
口頭やチャットでの変更依頼は、必ずメールや契約書の追記として文書化しましょう。
テンプレート例(変更依頼メール)
件名:【契約変更のご依頼】デザイン案の追加について
〇〇様
お世話になっております。株式会社△△の□□です。
先日お打ち合わせでお話しした通り、以下の内容を追加でお願いしたく、ご連絡いたしました。
【追加内容】
- デザイン案を当初の2パターンから3パターンに変更
- 追加費用:5万円
- 納期:変更なし(〇月〇日まで)
上記内容でご了承いただける場合は、本メールへの返信をもって契約変更とさせていただきます。
よろしくお願いいたします。こうしておけば、後から「そんな話は聞いてない」となることを防げます。
事前対策を取ることで得られる3つのメリット
ここまで紹介した対策を事前に行っておくと、次のようなメリットがあります。
1. トラブル時の「言い訳」が不要になる
契約書に明確なルールが書いてあれば、途中解約が発生しても「契約書通りに対応しました」と堂々と説明できます。
上司や経理への報告もスムーズですし、自分自身の精神的な負担も軽くなります。
2. フリーランスとの信頼関係が長く続く
実は、フリーランス側も「曖昧な契約は不安」と感じています。
途中解約のルールがしっかり決まっていれば、むしろ「この会社はちゃんとしている」と信頼してもらえます。
結果的に、長期的な関係を築きやすくなり、良い人材を確保しやすくなるのです。
3. 「スキル不足」ではなく「知識不足」だったと気づける
トラブルが起きると、つい「自分の管理能力が足りなかった」と落ち込んでしまいがちです。
でも実際は、契約の知識が不足していただけ、ということも多いです。
知識は後からでも身につけられます。必要なのは、正しい情報にアクセスすることです。
明日からできること
ここまで読んで「なるほど」と思っても、実際に行動に移さないと意味がありません。
以下の3ステップで、今日から対策を始めましょう。
ステップ1:現在使っている契約書を見直す
まずは、今使っている契約書を開いて、以下の項目がちゃんと書かれているかチェックしてください。
- 途中解約が可能か、どのタイミングまで可能か
- 解約時の返金ルール(進捗に応じた精算方法)
- 成果物の定義(何を、どの形式で納品するのか)
もし抜けている項目があれば、この記事で紹介したテンプレートを参考に追記しましょう。
ステップ2:次回の発注から「変更は書面で」を徹底する
口頭やチャットでの変更依頼は便利ですが、後々トラブルの元になります。
次回の発注からは、変更内容を必ずメールで送る習慣をつけましょう。
最初は面倒に感じるかもしれませんが、慣れてしまえば5分もかかりません。
ステップ3:今後の自分を守るために、契約や税金の知識を身につける
業務委託のトラブルを防ぐには、契約書の知識だけでなく、税金や確定申告、マナーといった「外注管理の基本」を総合的に理解しておくことが大切です。
そのための一つの方法として、個人事業経営士・CFQ資格という選択肢があります。
CFQ(Certified Freelance Qualification)は、税金・確定申告・契約・マナー知識がトータルで身につく資格で、フリーランスだけでなく、企業の外注担当者が「相手の立場を理解する」ためにも役立ちます。
「フリーランスがどんなルールで動いているのか」を知ることで、契約書の作り方や交渉の仕方が自然と洗練されていくからです。
興味がある方は、以下の公式サイトをチェックしてみてください。
よくある疑問と誤解(Q&A)
Q1. 途中解約を申し出たら、「契約違反だ」と言われました。こちらが悪いのでしょうか?
A:👉契約書に「途中解約不可」と明記されている場合は、原則として解約できません。ただし、相手の作業が大幅に遅れている、成果物の品質が著しく低いなど、正当な理由があれば解約が認められるケースもあります。まずは契約書の内容を確認し、必要に応じて専門家に相談することをおすすめします
Q2. 「作業進捗50%」って、どうやって判断すればいいですか?
A:👉成果物の種類によって異なりますが、例えばデザインなら「ワイヤーフレームが完成している段階」「デザインカンプの初稿が上がった段階」など、具体的なマイルストーンを契約書に書いておくと判断しやすくなります。曖昧な場合は、相手と話し合って「ここまで進んでいるから〇%」と合意するのが現実的です。
これらは全て正しい知識があるだけで避けられるトラブルばかりです!
トラブルの原因はあなたのスキルや人間性ではなく「知識不足」
「何でこんなトラブルばっかり起こるんだろう。もしかして向いていないのかな…」と悩んだこと、私も何度もありました。
でも今になって思い返してみると、自分自身を責める必要なんて全くなくて、ただの知識不足だったんですね!
じゃあどうやって効率よく学ぶ?
私が「もっと早く知りたかった…」と思ったのが、CFQ(個人事業経営士)の参考書でした。
この1冊で身に付く知識
- 届出・税務の基礎(開業届、青色申告、インボイス制度)
- 契約・法務の実務(契約書の作り方、著作権、下請法)
- 保険・リスク管理(損害賠償、PL保険、トラブル対応)
- ビジネスマナー・オンラインマナー(会社員勤務の経験が少ない方にも)
- ケーススタディ(実例から学ぶ失敗パターン)
- 4択式テスト(理解度チェック)
単なる制度を解説する内容ではなく、「自分の身を守るための知識」が詰まっています。

こんな人におすすめ
- 今の自分、何がいけないかが分からない
- 契約書・見積書の作り方に自信がない
- 確定申告でいつも不安になる
- クライアントと対等に接したい
- 自分の身は自分で守りたい
私自身、この参考書に出会ってから、「一人で抱えて不安」が「自信を持って対応できる」に変わりました。
あなたの「事業者としての土台」を、この1冊がしっかり支えてくれます。
資格取得が目的じゃなくても、手元に置いておくだけで「困ったときの辞書」みたいに使えるので、私は今でもよく見返しています。
【まとめ】業務委託との関係性を高めるために
業務委託の途中解約で返金トラブルが起きるのは、決してあなたの管理能力が低いからではありません。
多くの場合、契約書の「ちょっとした曖昧さ」が原因です。
でも、その曖昧さは、今日からでも直せます。
契約書に返金ルールを追加する。成果物の定義を明確にする。変更は必ず書面で記録する。
この3つを実践するだけで、トラブルのリスクは大きく減ります。
そして、何より大切なのは「自分で判断できる力」を持つこと。
契約や税金の知識があれば、トラブルが起きても冷静に対処できますし、相手との交渉もスムーズになります。
もし迷ったら、またいつでもこの記事に戻ってきてください。
あなたが安心して外注できる環境を、少しずつ整えていきましょう。
よくある疑問と誤解(Q&A)
トラブルの原因はあなたのスキルや人間性ではなく「知識不足」

