
こんにちは。フリーランスひかるです。
「売上1000万以下だし、インボイス登録しなくていいよね?」そう思っていたのに、取引先から突然「来月から登録事業者としか契約できなくて…」と言われて焦っていませんか。
私の周りでも、登録するべきか悩んでいるフリーランスがたくさんいます。免税事業者のままでいれば消費税分が丸々手元に残るけれど、取引先を失うリスクもある。登録すれば取引は続くけれど、年間で数十万円の負担が増える。
どちらを選んでも不安が残るこの選択、本当に難しいですよね。
この記事では、実際にインボイス登録で後悔した仲間の体験談と、私自身が相談を受けてきた中で見えてきた「判断の材料」をまとめました。あなたが自分で納得して選べるように、メリットもデメリットも正直に書いていきます。
✅ この記事はこんな方におすすめ
- 売上1000万以下で、インボイス登録するか迷っているフリーランス
- 取引先から登録を求められて焦っている個人事業主
- 登録した場合としない場合の損得を具体的に知りたい方
この記事の監修者フリーランスひかる
フリーランス歴10年超。
報酬未払い、契約トラブル、ブラッククライアント案件…いろんな修羅場を経験してきました。
「あの時知ってさえいれば…」という後悔をバネに、フリーランスの人が同じ失敗をしないよう、自分の身を守る知識と、今日からできる対処法をお伝えします。
売上800万のデザイナーが「登録しない」を選んで失敗した話
仲間のユウタ(仮名・Webデザイナー)は、年間売上が約800万円でした。取引先は3社で、そのうち2社が法人、1社が個人事業主。
ある日、メインの取引先A社から連絡が来ました。「来期からインボイス登録している事業者と優先的に取引したいんだけど、登録する予定ある?」
ユウタは正直に答えました。「まだ迷ってます。売上1000万以下だし、消費税分が手元に残る方が助かるので…」
A社の担当者は「そっか、わかった」とだけ言いました。特に何も言われなかったので、ユウタは「断られたわけじゃないし、大丈夫だろう」と思っていました。
それから2ヶ月後、A社から新規案件の発注が来なくなりました。問い合わせても「今回は別の制作会社に依頼した」という返事。直接的に「インボイス登録していないから」とは言われませんでしたが、タイミング的にそれ以外考えられません。
A社からの売上は年間で約400万円。それが丸ごとなくなりました。
慌てて別の取引先B社に相談したところ、「うちも実は経理から『できればインボイス登録事業者と取引してほしい』って言われてるんだよね」と打ち明けられました。
ユウタは結局、その時点でインボイス登録することを決めました。でも、A社との関係は戻りませんでした。一度離れた取引先を取り戻すのは、想像以上に難しかったそうです。
「様子見」が招いた負のスパイラル
ユウタの失敗は「登録しなかったこと」ではなく、「判断を先延ばしにしたこと」でした。
取引先が求めているのに曖昧な返事をしたことで、相手は「この人は対応してくれないんだな」と判断します。発注側からすれば、消費税の処理が面倒になる取引先よりも、スムーズに処理できる取引先を選ぶのは自然な流れです。
特に法人の経理部門は、インボイス制度の対応に追われています。免税事業者との取引を続けると、仕入税額控除ができない分を自社で負担するか、値下げ交渉をするか、取引をやめるかの3択になります。
ユウタの場合、A社は値下げ交渉もせず、静かに取引をフェードアウトさせました。これが最も辛いパターンです。ハッキリ「登録してくれないと困る」と言ってくれれば対応できたのに、何も言われずに仕事が減っていくので、気づいた時には手遅れになっています。
収入が減ったユウタは、新規営業に時間を割かざるを得なくなりました。制作に集中できる時間が減り、既存クライアントへの対応も雑になっていきました。悪循環です。
「あの時、ちゃんと向き合って判断していれば」と、ユウタは今でも後悔しています。
5分でできる損益分岐点の判定方法
では、どうやって判断すればいいのか。具体的なステップを紹介します。
ステップ1:年間の消費税負担額を計算する
まず、インボイス登録した場合に払う消費税の目安を出します。
簡易課税制度を使う場合の計算式
- 売上800万円×10%(消費税率)= 80万円(預かった消費税)
- 80万円×50%(みなし仕入率・サービス業の場合)= 40万円(仕入にかかった消費税とみなす額)
- 80万円 – 40万円 = 40万円(納める消費税)
※みなし仕入率は業種によって異なります。デザイナーやライターなどサービス業は50%、小売業は80%です。
つまり、売上800万円のサービス業フリーランスが登録すると、年間約40万円の負担が増えます。
ステップ2:取引先の状況を確認する
次に、あなたの取引先を分類します。
インボイス登録を求められやすい取引先
- 法人(特に上場企業や中堅企業)
- 経理体制がしっかりしている会社
- あなたへの支払いが年間100万円以上
登録を求められにくい取引先
- 個人事業主やフリーランス
- 小規模な会社(従業員10名以下など)
- あなたへの支払いが少額
ユウタの場合、3社中2社が法人で、そのうち1社が年間400万円の取引でした。この時点で「リスクが高い」と判断できます。
ステップ3:損益分岐点を見極める
登録した方がいいケース
- 法人取引が売上の50%以上を占めている
- 1社あたりの取引額が年間200万円以上
- すでに取引先から登録を求められている
登録しなくてもいいケース
- 取引先のほとんどが個人事業主
- 取引先が「免税事業者でも問題ない」と明言している
- B to C(一般消費者向け)のビジネス
迷った時は、主要取引先に直接聞くのが一番確実です。
メール例文(コピペOK)
件名:インボイス制度への対応についてご相談
○○様
いつもお世話になっております。△△です。
インボイス制度への対応について、御社のご意向を確認させていただきたくご連絡しました。
現在、私は免税事業者として事業を行っておりますが、今後の取引を円滑に進めるため、インボイス登録についても検討しております。
つきましては、以下についてお教えいただけますでしょうか。
・今後の取引において、インボイス登録事業者であることが必要か
・登録が必須でない場合、免税事業者のままでも継続取引は可能か
お忙しいところ恐れ入りますが、ご返信いただけますと幸いです。
よろしくお願いいたします。このメールを送るだけで、取引先の本音が見えてきます。曖昧な返事が返ってきたら、それは「できれば登録してほしい」というサインです。
ステップ4:判断シートで最終チェック
自分の状況を整理するために、簡単なチェックシートを作りました。
□ 法人取引が売上の50%以上 □ 主要取引先から登録について聞かれた □ 年間消費税負担額よりも、失う売上の方が大きい □ 今後も法人との取引を増やしたい
2つ以上チェックが入ったら、登録を前向きに検討した方がいいかもしれません。
インボイス登録の「本当のメリット」は信頼関係
「消費税を払うのは損」という気持ちは、私もよくわかります。年間40万円って、フリーランスにとっては大きな金額ですよね。
でも、取引先の立場で考えてみてください。発注する側は「スムーズに仕事を進められる相手」を選びます。経理処理が面倒な相手よりも、シンプルに取引できる相手の方が、長く付き合いやすいんです。
インボイス登録は「あなたが取引先のことを考えている」というメッセージになります。実際、登録したことで「対応が早くて助かる」と言われたフリーランスもいます。
それに、制度を理解して適切に対応できる人は、それだけで「ちゃんとしている人」という印象を与えます。これはスキルとは別の話で、ビジネスパーソンとしての信頼につながります。
もちろん、登録しないという選択肢もあります。個人事業主やB to C中心のビジネスなら、免税事業者のままの方が手元に残るお金は多くなります。
大切なのは「なんとなく先延ばしにする」のではなく、自分の状況を把握して判断することです。
明日からできること
1. 主要取引先に確認メールを送る
まずは上で紹介したメール例文を使って、取引先の本音を確認しましょう。返事が来るまでは数日かかるかもしれませんが、これをやるだけで判断材料が揃います。
2. 年間の消費税負担額を計算する
自分の売上から、登録した場合の負担額を計算してみてください。会計ソフトを使っている人は、簡易課税のシミュレーション機能があるはずです。使っていない人は、上で紹介した計算式で概算を出せます。
3. 自分を守るための知識を身につける
インボイス制度に限らず、フリーランスとして生きていくには「知らなかった」で損をしないための知識が必要です。
税金の基本、契約書の読み方、適正な報酬の相場感。こういう知識があるだけで、無理な値下げ要求や曖昧な契約から自分を守れます。
私の周りで長く安定して稼いでいるフリーランスは、スキルだけじゃなくて、こういう「自衛のための知識」をちゃんと持っています。税理士に相談するのもいいし、フリーランス向けのセミナーに参加するのもいい。個人事業経営士「CFQ」のような資格で体系的に学ぶ方法もあります。
どんな形でもいいので、少しずつ知識を増やしていくと、今回みたいな判断も自信を持ってできるようになります。
個人事業経営士・CFQ資格の詳細はこちら
よくある疑問と誤解(Q&A)
Q1. 登録したら、すぐに消費税を払わないといけないんですか?
A:👉登録した課税期間から消費税の納税義務が発生します。例えば2025年4月1日に登録したら、2025年4月〜12月分の消費税を翌年3月末までに納めます。登録してすぐに払うわけではないので、納税資金を準備する時間はあります。ただ、売上が入った時点で「この中の10%は税金」と意識して別に分けておくのがおすすめです。私の知り合いで、納税時期になって慌てて資金繰りに困った人がいました。
Q2. 一度登録したら、もう免税事業者には戻れないんですか?
A:👉2年間は課税事業者として継続する必要がありますが、その後は「課税事業者選択不適用届出書」を提出すれば免税事業者に戻れます。ただし、取引先との関係や信頼を考えると、頻繁に変更するのは避けた方がいいでしょう。一度登録すると決めたら、少なくとも数年は続ける前提で考えた方が現実的です。
これらは全て正しい知識があるだけで避けられるトラブルばかりです!
トラブルの原因はあなたのスキルや人間性ではなく「知識不足」
「何でこんなトラブルばっかり起こるんだろう。もしかして向いていないのかな…」と悩んだこと、私も何度もありました。
でも今になって思い返してみると、自分自身を責める必要なんて全くなくて、ただの知識不足だったんですね!
じゃあどうやって効率よく学ぶ?
私が「もっと早く知りたかった…」と思ったのが、CFQ(個人事業経営士)の参考書でした。
この1冊で身に付く知識
- 届出・税務の基礎(開業届、青色申告、インボイス制度)
- 契約・法務の実務(契約書の作り方、著作権、下請法)
- 保険・リスク管理(損害賠償、PL保険、トラブル対応)
- ビジネスマナー・オンラインマナー(会社員勤務の経験が少ない方にも)
- ケーススタディ(実例から学ぶ失敗パターン)
- 4択式テスト(理解度チェック)
単なる制度を解説する内容ではなく、「自分の身を守るための知識」が詰まっています。

こんな人におすすめ
- 今の自分、何がいけないかが分からない
- 契約書・見積書の作り方に自信がない
- 確定申告でいつも不安になる
- クライアントと対等に接したい
- 自分の身は自分で守りたい
私自身、この参考書に出会ってから、「一人で抱えて不安」が「自信を持って対応できる」に変わりました。
あなたの「事業者としての土台」を、この1冊がしっかり支えてくれます。
資格取得が目的じゃなくても、手元に置いておくだけで「困ったときの辞書」みたいに使えるので、私は今でもよく見返しています。
【まとめ】インボイスは「迷って当たり前」
インボイス登録は「正解」があるわけではありません。あなたの売上、取引先、今後のビジネスの方向性によって、ベストな選択は変わります。
ユウタのように「様子見」で後悔する人もいれば、登録して安心して仕事に集中できるようになった人もいます。大切なのは、自分の状況を把握して、納得して選ぶことです。
もし今、迷っているなら、まずは取引先に確認メールを送ってみてください。それだけで見えてくるものがあります。
判断に迷った時は、またこの記事に戻ってきてください。あなたが自分で選んだ道なら、きっと前に進めるはずです。
よくある疑問と誤解(Q&A)
トラブルの原因はあなたのスキルや人間性ではなく「知識不足」

