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仕事もらう立場だから我慢してたのに、「印象悪い」って何?—それ、フリーランス新法では違法行為!

  

こんにちは。フリーランスひかるです。

クライアントから理不尽なことを言われて、でも「仕事をもらう立場だから…」と飲み込んだ経験、ありませんか。

「印象が悪い」「空気読めてない」「フリーランスなのに常識がない」——こういった言葉を投げられたとき、反論もできず、ただ自分を責めてしまうことがあります。フリーランス歴10年以上の私も、何度もそういう場面に立ちました。

でも実は、その我慢こそが問題をこじらせる原因になっていることが多い。そして2024年11月に施行されたフリーランス新法により、これまで「仕方ない」と泣き寝入りしていたような言動が、法律上の違法行為に該当するケースが明確になってきました。

この記事では、クライアントからのモラハラを「気づく」「記録する」「対処する」の3ステップで整理し、フリーランスが知識で自分を守る方法を具体的に解説します。

この記事を読むとわかること

  • クライアントからの理不尽な言動がモラハラ・フリーランス新法違反になるケース
  • 15年の実体験から気づいた「なぜ我慢してしまうのか」の構造的な理由
  • 泣き寝入りせずに動ける、今日からできる3つの行動

クライアントのモラハラに気づけていますか?まずやるべき3つの確認

そもそもクライアントからのモラハラとは?

モラハラ(モラルハラスメント)とは、身体的な暴力を伴わず、言葉や態度によって精神的に傷つける行為のこと。職場で起きるイメージが強いですが、業務委託契約を結んでいるフリーランスとクライアントの間でも当然起こりえます。

具体的には、こういった言動が該当します。

言動の例分類
「印象が悪い」「空気読めない」と人格を否定する精神的攻撃
理由なく無視・返信を無視する人間関係の切り離し
暗黙のルールを守れないと責め立てる過小な要求・理不尽な批判
「フリーランスのくせに」「外注なんだから」と立場を貶める優位性を利用した支配
深夜・休日を問わず連絡・要求を繰り返す過大な要求

「一度や二度ならまだしも…」と思ってしまいがちですが、繰り返されると確実に精神が削られます。そして気づいたときには、契約を切られることへの恐怖から、もう何も言えなくなっている。

フリーランス新法ではクライアントのハラスメントも規制対象

2024年11月1日に施行された「特定受託事業者に係る取引の適正化等に関する法律(フリーランス新法)」では、フリーランスに業務を発注する事業者に対し、ハラスメント対策の実施が義務付けられました(第14条)。

これは、これまで「労働者」を対象にしていた法律の外側に置かれていたフリーランスを、明確に保護の対象とした大きな転換点です。

つまり、「フリーランスだから法律は守ってくれない」は、もう過去の話です。

モラハラかどうかを判断する3つの確認ポイント

すぐに確認できる判断基準として、以下の3点を見てみてください。

  1. 業務の内容と無関係な人格への批判がある(「そういう性格は困る」「印象が悪い」など)
  2. 言われたことに合理的な根拠・説明がない(「なんとなく」「常識でしょ」など)
  3. 同じ状況でも立場によって扱いが違う(社員には言わないことをフリーランスだけに言う)

1つでも当てはまるなら、それは「仕事の指導」ではなくハラスメントの可能性が高い。本当の問題は何なのか、次のセクションで掘り下げます。


フリーランスがモラハラに気づけない「本当の理由」

「仕事をもらう立場」という心理的な縛り

フリーランス協会の調査(2019年)によると、フリーランスの約6割がパワハラ被害を経験し、そのうち約4割強が誰にも相談しなかったと回答しています。理由として最も多かったのが「相談しても解決しないと思った(56.7%)」「仕事に支障が出る恐れ(53.7%)」でした。

正直、この数字には納得しかありません。

クライアントとの関係では、発注者と受注者という非対称な力関係が最初から存在します。「嫌われたら次がない」「悪い評判を広められたら終わり」という恐怖は、決して被害妄想ではなく、フリーランスが置かれた構造的な問題です。

「業務委託だから指導される筋合いはない」という事実

意外と知られていないのですが、フリーランス(個人事業主)は法律上、クライアントの「指揮命令下」にありません。業務委託契約は「委任(準委任)」または「請負」であり、クライアントが逐一業務を指示したり、人格を批判したりする権限はそもそもないんです。

つまり、業務委託の場合は従業員へのパワハラよりも、むしろ「違法と評価されやすい」という見方もあります。出典:労働問題弁護士ガイド

それでも我慢してしまうのは、「知らないから」に尽きます。

「暗黙のルール」でナメられる構造

特にモラハラで厄介なのが、「一般常識」や「業界の文化」という名の、根拠のないルールを押し付けてくるパターンです。

「初対面では自分から話しかけるのが礼儀」「フリーランスなら深夜でも対応するのが当たり前」——こういった「空気」をなんとなく共有することを強制され、それを知らないだけで「印象が悪い」と言われる。

スキル不足でも、あなたの人格に問題があるわけでもない。ただ、その「ルール」を事前に教えてもらっていなかっただけです。


「印象が悪い」と言われた初日——私が経験した話

仕事を始めて数ヶ月が経ったころ、あるクライアント先で初訪問の日があった。

準備してきた企画をプレゼンし、質疑応答も無事に終わった。手応えを感じながら帰る準備をしていたところ、担当者に少し残るよう言われた。

「社長から、印象が悪いって話が出てるんですよね」

は、と思った。何かミスをしたのかと焦って聞き返すと、答えはこうだった。

「自分から喋り始めなかったから、って」

——そんな文化、知るわけがない。初対面でプレゼンをして、そのあとすぐ雑談をぐいぐい仕掛けるべきだったということか。しかも「社長から」とだけ言って、本人は出てこない。

そのとき感じた「は?」という感情は、怒りでも悲しみでもなく、もっと純粋な「意味がわからない」だった。

でもその後、ひかるはこの経験をしばらく引きずった。自分のコミュニケーション力の問題だと思い込み、次の打ち合わせでは必要以上に気を遣い、かえってぎこちなくなった。

今思えば、これがモラハラの典型的な構造だった。「あなたに問題がある」という印象を植え付け、相手を萎縮させ、反論できなくさせる。

そしてもう一つ気づいたことがある。「社長から」という伝言形式は、責任の所在を曖昧にする、古典的な圧力のかけ方だということ。

このときひかるに足りていたのは、気力でも愛想でもなく、ただ一つ「これはモラハラだという知識」でした。


今日からできること——3つのステップ

ステップ1:記録する(証拠化)

モラハラへの対処で最初にやるべきことは、記録です。感情が落ち着いている今のうちに、以下を記録しておきましょう。

  • いつ、どこで、誰に、何を言われたか(日時・場所・発言内容)
  • 目撃者がいたか
  • その後の体調や精神状態

メモアプリでもノートでも構いません。大切なのは「客観的な事実」を残しておくこと。「言った・言わない」の水掛け論になったとき、証拠があるかどうかで対応できる手段が大きく変わります。

やり取りがメールやチャットなら、スクリーンショットを保存しておくのがおすすめです。

ステップ2:契約書を確認する(権利の把握)

次に、現在の契約書を見直してみてください。確認するポイントはこの3点。

  1. 業務範囲は明文化されているか(範囲外の作業を強要されていないか)
  2. 連絡・対応時間の定めはあるか(深夜対応を強いられていないか)
  3. ハラスメントに関する条項があるか

特に「業務範囲」が曖昧な契約書は、モラハラが起きやすい温床になります。契約書がそもそも存在しない場合、それ自体がフリーランス新法違反(書面交付義務)に該当する可能性もあります。

ステップ3:相談窓口を知っておく(行動の選択肢)

我慢の次にくるのは「どこに言えばいい?」という迷いです。以下の窓口は、フリーランスでも無料で相談できます。

フリーランス・トラブル110番 厚生労働省委託・第二東京弁護士会運営。ハラスメント含む各種トラブルに対応。 URL:https://freelance110.mhlw.go.jp/

法テラス(日本司法支援センター) 収入が一定以下の場合、弁護士費用の立替制度あり。 URL:https://www.houterasu.or.jp/

「まだ相談するほどじゃない」と感じているなら、それはモラハラに気づいていないか、すでに萎縮している状態かもしれません。迷ったときこそ、一歩だけ動いてみてください。

「仕事をもらう立場だから」という思い込みが、フリーランスをモラハラに対して無防備にしています。でも、クライアントにフリーランスを批判・支配する権限はありません。フリーランス新法は、それを法律として明文化した転換点です。

記録する → 契約書を見直す → 相談窓口を知っておく

この3ステップは、どれも今日から始められます。

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ハラスメントに関するよくある疑問 

(個人事業経営士CFQ 監修)

Q1. フリーランス新法はすべてのクライアントに適用されますか?

A:フリーランス新法のハラスメント対策義務(第14条)は、従業員を一人でも雇っている「特定業務委託事業者」が対象です。個人で事業を営んでいる発注者(従業員なし)には義務規定が適用されませんが、民法上の不法行為として損害賠償を請求できる可能性はあります。契約の相手がどういった規模の事業者かによって対応方法が変わるため、不明な場合はフリーランス・トラブル110番に相談するのが確実です。

Q2. モラハラを受けても契約が怖くて言い返せません。それはおかしいですか?

A:おかしくありません。収入が特定のクライアントに依存している状況では、「嫌われたら終わり」という恐怖は非常にリアルです。ただし、今後も同じ状況が繰り返される可能性は高く、放置するとエスカレートするリスクもあります。「言い返す」以外の選択肢——記録する・別のクライアントへの依存を分散させる・相談窓口を使う——から始めることが現実的です。一人で抱えず、まず記録だけでも残しておきましょう。


このように、正しい知識があるだけでトラブルは避けられます!


まとめ|「仕事もらう立場」だから我慢は、もう終わりにしよう 

クライアントのモラハラで悩んでいるフリーランスに伝えたいのは、「あなたのスキルや人格の問題ではない」ということです。

理不尽な扱いをされるのは、ただ「知識がなかった」から。そしてその知識は、今日から手に入れられます。

フリーランス新法が施行された今、泣き寝入りを続ける理由はありません。「また言われてしまった」と落ち込んだとき、ぜひこの記事に戻ってきてください。

 

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この記事の監修者

フリーランスひかる
大手IT企業に勤務後独立。フリーランス歴15年超。
報酬未払い、契約トラブル、ブラッククライアント案件…いろんな修羅場を経験してきました。
「あの時知ってさえいれば…」という後悔をバネに、フリーランスの人が同じ失敗をしないよう、自分の身を守る知識と、今日からできる対処法をお伝えしていきます。
フリーランス実務資格「個人事業経営士CFQ」監修