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その案件、受けちゃダメ!初回商談で地雷クライアントを見抜く3つの質問とは?

こんにちは。フリーランスひかるです。

先日、久しぶりに会った同業の友人が、疲れ切った顔でこんなことを言っていました。「もう、あのクライアント最悪だった。毎日のように修正依頼が来るし、最初の話と全然違うし…。3ヶ月も無償対応させられて、精神的にもう限界」

その瞬間、私は数年前の自分を思い出しました。初回商談で「いい人そう」と感じて受けた案件が、結果的に赤字になり、心身ともにボロボロになった経験があるからです。

実は、地雷クライアントには初回商談の段階で見抜けるサインがあります。でも、多くのフリーランスは「仕事が欲しい」という焦りから、そのサインを見逃してしまうんです。私もそうでした。

今日は、あの頃の私が知りたかった「初回商談で絶対に聞くべき3つの質問」を共有します。これを知っているだけで、無駄な苦労や赤字案件を避けられるはずです。


✅ この記事はこんな方におすすめ

  • 初回商談でどんな質問をすればいいか分からないフリーランスの方
  • 過去に「こんなはずじゃなかった」と後悔した案件がある方
  • 無理な要求や追加作業で消耗した経験がある方
  • 「案件は欲しいけど、変なクライアントは避けたい」と思っている方
  • 自分の時間と労力を大切にしたいと考えている方

第1章:商談後に後悔した記憶

あれは確か、フリーランス2年目の春でした。

知人の紹介で舞い込んできたWebサイト制作の案件。初回商談で会ったクライアントは、とても感じの良い40代の社長さんでした。
「予算は50万円で考えています」という言葉に、私の心は躍りました。

商談はスムーズに進み、私は「この人なら大丈夫そうだな」と直感的に感じました。
契約書も交わし、意気揚々と制作を開始したのを覚えています。

ところが、制作が始まって1週間後、事態は急変しました。

「やっぱりこのページも追加したい」「デザイン、もう少しこうならない?」「競合のあのサイト見たんだけど、あんな感じにできる?」

毎日のように飛んでくる要望。最初の打ち合わせで決めた内容とは、明らかに違う方向に進んでいました。
でも私は、「紹介案件だし、ここで揉めたくない」という思いから、すべて無償で対応してしまったんです。

結局、その案件は当初の予定の3倍の時間がかかり、実質的な時給は1,000円以下。
精神的にも追い込まれ、他の案件にも悪影響が出ました。

あのとき、私は気づいていませんでした。
初回商談で「あること」を聞いていれば、この地獄は避けられたということに。

実は、地雷クライアントには共通するパターンがあります。そして、そのパターンは初回商談で明らかになるんです。でも当時の私は、「仕事が欲しい」という焦りから、重要なサインを見逃していました。

商談中、社長さんは何度も「前に頼んだ制作会社が使えなくて」と言っていました。
でも私は、その理由を深く聞かなかったんです。「過去の制作物を見せてもらえますか?」という一言も、口にしませんでした。

今思えば、すべてがサインだったんです。

第2章:地雷案件がもたらす「負のスパイラル」

あの案件以降、私は完全に自信を失っていました。

夜中の3時まで修正作業をして、朝起きたらまた新しい修正依頼が来ている。そんな日々が続くと、心が折れてきます。「自分は向いてないのかな」「もう会社員に戻ろうかな」そんな弱気な考えが頭をよぎりました。

でも、これは私だけの経験ではありませんでした。

2023年の日本フリーランス協会の調査によると、フリーランスの約60%が「契約内容と実際の業務が異なる経験がある」と回答しています。さらに、そのうちの40%以上が「追加料金を請求できなかった」と答えているんです。

つまり、多くのフリーランスが似たような苦しみを経験しているということです。

地雷案件が引き起こす問題は、金銭的な損失だけではありません。もっと深刻なのは、時間と心の消耗です。

無理な要求に応え続けると、他のクライアントへの対応が疎かになります。納期に追われ、クオリティも下がり、結果的に評判も落ちていく。そして「次の案件を取るために、また無理な条件を飲んでしまう」という負のスパイラルに陥るんです。

2024年には、フリーランスのデザイナーが過度な修正対応でメンタルヘルスを崩し、数ヶ月間休業せざるを得なくなったケースも報じられています(参照:フリーランス協会の事例集)。

私自身も、あの案件の後遺症は長く続きました。新しい案件の商談でも「また同じことになるんじゃないか」という不安が拭えず、自信を持って提案できなくなっていたんです。

でも、ある日、ベテランフリーランスの先輩から言われた言葉が、私を変えました。

「ひかるさん、商談は面接じゃないんだよ。クライアントを見極める場でもあるんだ。あなたにも選ぶ権利があるんだよ」

その言葉で、私ははっとしました。今まで、私は「選んでもらう側」だと思い込んでいたんです。でも本当は、対等な関係を築くための最初のステップが初回商談だったんですね。

それから私は、商談の進め方を根本から変えました。

第3章:地雷クライアントを見抜く「3つの質問」

先輩から学び、自分なりに試行錯誤した結果、私は3つの質問にたどり着きました。この質問をするようになってから、地雷案件は劇的に減りました。

質問1「過去に外注した際の制作物を見せていただけますか?」

これは最強の質問です。

この質問に対する反応で、クライアントのタイプが一目瞭然になります。快く見せてくれるクライアントは、過去の制作会社との関係が良好だった可能性が高いです。

一方、「実は前の制作会社とトラブルがあって…」と言い出したら、要注意です。そこで必ず聞いてください。「差し支えなければ、どんなトラブルだったんですか?」と。

もし「向こうが勝手に音信不通になった」「クオリティが低すぎた」という答えが返ってきたら、危険信号です。制作会社側から逃げられたケースかもしれません。

私の経験上、「3社以上の制作会社と続けて揉めている」クライアントは、ほぼ確実に地雷です。問題はクライアント側にあると考えていいでしょう。

もし過去の制作物がない場合は、「どんなイメージをお持ちですか?参考サイトを3つほど教えていただけますか?」と聞いてください。ここで具体的なサイトを示せないクライアントは、自分のイメージが固まっていない可能性が高く、後から「イメージと違う」と言い出すリスクがあります。

質問2「今回のプロジェクトで、最終的な意思決定をされるのはどなたですか?」

これは見落としがちですが、超重要な質問です。

あなたが商談している相手が決裁者でない場合、後から「上司がOKを出さなかった」「役員会議で却下された」というトラブルが起こります。せっかく進めた提案が、見えない上層部によってひっくり返されるんです。

私も過去に、担当者レベルで話を進めていたら、最後の最後で社長が「やっぱりこのデザインじゃダメだ」と言い出し、すべてやり直しになった経験があります。その際の追加料金も請求できず、泣き寝入りでした。

この質問をすることで、「実は社長の承認が必要で…」という事実が明らかになることがあります。その場合は、「では、社長も同席していただいた上で、もう一度打ち合わせの機会をいただけますか?」と提案しましょう。

もし「それは難しい」と言われたら、その案件は受けない方が賢明です。見えない決裁者がいる案件は、ほぼ確実に後から揉めます。

質問3「今回のプロジェクトで『絶対に譲れないポイント』を3つ教えていただけますか?」

この質問は、クライアントの優先順位を明確にするために使います。

地雷クライアントの特徴は、「すべてを完璧にしたい」と思っていることです。でも、デザインも機能も納期も予算も、すべてが理想通りになることはありません。どこかで優先順位をつける必要があります。

この質問に対して、「全部大事です」「どれも譲れません」と答えるクライアントは危険です。現実的な判断ができない可能性が高いからです。

逆に、「まず納期は絶対に守ってほしい。デザインは多少シンプルでもいいです」とか「ブランドイメージが最優先。そのためなら予算も多少上乗せできます」と明確に答えられるクライアントは、付き合いやすいです。

この質問は、見積もりを作る際にも役立ちます。優先順位が分かっていれば、「このオプションは優先度が低いので、削ることもできます」といった柔軟な提案ができるからです。

実際、私はこの3つの質問を使うようになってから、案件の成功率が格段に上がりました。

もちろん、質問するだけでなく、その答えをしっかり聞き取り、判断することが大切です。もし少しでも違和感を感じたら、勇気を持って断る。それが、自分の時間と心を守ることにつながります。

質問をする際のコツは、「詰問」ではなく「相互理解」の姿勢で臨むことです。「より良いものを作るために教えてください」というスタンスで聞けば、相手も素直に答えてくれます。

私は商談の際、Notionで作った「初回ヒアリングシート」を使っています。事前にこの3つの質問を含めたテンプレートを用意しておくことで、聞き漏れを防げますし、プロフェッショナルな印象も与えられます。

Notionのテンプレートは無料で使えるので、自分なりにカスタマイズしてみるのもおすすめです
https://www.notion.so
他にも、GoogleドキュメントやTrelloなどでヒアリングシートを作っている人もいます。

大切なのは、「この質問をすることで、自分もクライアントも幸せになれる」と信じることです。私は今、この3つの質問を必ず聞くようにしていて、お互いに納得できる関係を築けるようになりました。

第4章:見極める力が生む「本当のメリット」

3つの質問を使い始めてから、私の仕事は劇的に変わりました。

まず、明らかに無理筋な案件を断れるようになったことで、精神的な余裕が生まれました。「この案件、ちょっと怪しいな」と思ったら、丁寧にお断りする。それだけで、ストレスが激減したんです。

そして、断った分の時間を、本当に価値のあるクライアントに注げるようになりました。結果的に、リピート率も上がり、紹介案件も増えていきました。

数字で見ても変化は明らかです。3つの質問を使う前は、年間20件の案件のうち、5件は赤字か精神的にきつい案件でした。でも今は、20件中ほぼすべてが良好な関係のクライアントです。

さらに驚いたのは、収益面での変化です。地雷案件を避けることで、追加作業や無償対応が減り、時間単価が1.5倍になりました。同じ時間働いても、得られる報酬が全然違うんです。

でも、一番大きなメリットは「自信」が戻ってきたことです。

初回商談で適切な質問をし、クライアントの本音を引き出せるようになると、「自分はプロなんだ」という自覚が生まれます。対等な立場で話せるようになり、提案にも自信が持てるようになりました。

これは、単なる「スキル」だけの問題ではありません。「自分の価値を理解し、それを守る」というマインドセットの変化なんです。

実は、こうした「フリーランスとしてのマインドセット」や「契約の基本」について、体系的に学べる場所はあまり多くありません。私も長い間、手探りで学んできました。

最近、私が参考にしているのが「CFQ®フリーランス検定 公式参考書」です。この本には、契約の基礎から税務、リスク管理まで、フリーランスとして知っておくべき実務知識が網羅されています。

特に「契約書の読み方」や「トラブル時の対応」については、具体的な事例も豊富で、まさに「あの時知りたかった」という内容ばかりです。初回商談での質問の仕方についても、法的な観点から解説されていて、とても参考になりました。

もちろん、本を読むだけですべてが解決するわけではありません。でも、「正しい知識を持っている」ということ自体が、大きな武器になります。クライアントと対等に話すためには、法律や契約の基礎を理解していることが不可欠だからです。

地雷クライアントを見抜く力は、一朝一夕では身につきません。でも、適切な質問を繰り返し、失敗から学び、知識をアップデートし続けることで、確実に成長できます。

私自身、まだまだ学ぶことは多いです。でも、あの頃の「何も分からず苦しんでいた自分」と比べたら、随分と前に進めたと思います。

明日からできること

では、具体的に何から始めればいいのか。3つのステップで整理します。

ステップ1:ヒアリングシートを作る(所要時間30分)

まず、初回商談で使うヒアリングシートを作りましょう。NotionでもGoogleドキュメントでも、紙のノートでも構いません。今回紹介した3つの質問を必ず含めてください。

その他に含めるべき項目は、プロジェクトの目的、納期、予算感、参考サイト、担当者の連絡先などです。テンプレート化しておくことで、商談のたびにゼロから考える必要がなくなります。

ステップ2:次の商談で実際に使ってみる(実践)

作ったヒアリングシートを、次の商談で実際に使ってみてください。最初は緊張するかもしれませんが、「より良いものを作るために教えてください」というスタンスで聞けば、自然に質問できます。

もしクライアントの反応が良くなかったり、答えを濁されたりしたら、それ自体が重要なサインです。その情報をもとに、案件を受けるかどうか判断しましょう。

ステップ3:振り返りと改善を繰り返す(継続)

商談後は必ず振り返りをしてください。「この質問は効果的だった」「ここはもっと掘り下げるべきだった」といった気づきをメモしておきます。

そして、次の商談でその学びを活かす。この繰り返しが、あなたの「見抜く力」を確実に高めていきます。

大切なのは、完璧を求めすぎないことです。最初から全てうまくいくわけではありません。でも、少しずつ改善していけば、必ず成長できます。

私も最初の頃は、質問するタイミングを逃したり、言葉に詰まったりしました。でも、回数を重ねるごとに自然に質問できるようになりました。あなたもきっと大丈夫です。


よくある疑問と誤解(Q&A)

Q1. フリーランス初心者ですが、商談で質問しすぎると失礼じゃないですか?

A:👉いいえ、むしろ逆です。適切な質問をすることは、プロとしての姿勢を示すことになります。何も聞かずに進めるほうが、後からトラブルになりやすく、結果的にクライアントにも迷惑をかけます。「良いものを作るために必要な情報を教えてください」という姿勢で質問すれば、失礼にはなりません。

Q2. フリーランスが案件を断るタイミングはいつがベストですか?

A:👉明確な基準として、「過去に複数の制作会社と揉めている」「決裁者が不明確」「優先順位が答えられない」「予算感が曖昧」「納期が異常に短い」のいずれかに当てはまれば要注意です。また、初回商談で威圧的な態度を取る、無理な値引きを要求する、契約書を嫌がるなども危険信号です。一つでも当てはまれば慎重に、複数当てはまれば断ることを検討しましょう。

Q3. フリーランスとして、地雷案件かどうか判断する基準を教えてください

A:👉明確な基準として、「過去に複数の制作会社と揉めている」「決裁者が不明確」「優先順位が答えられない」「予算感が曖昧」「納期が異常に短い」のいずれかに当てはまれば要注意です。また、初回商談で威圧的な態度を取る、無理な値引きを要求する、契約書を嫌がるなども危険信号です。一つでも当てはまれば慎重に、複数当てはまれば断ることを検討しましょう。


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この1冊で学べること

  • 届出・税務の基礎(開業届、青色申告、インボイス制度)
  • 契約・法務の実務(契約書の作り方、著作権、下請法)
  • 保険・リスク管理(損害賠償、PL保険、トラブル対応)
  • ケーススタディ(実例から学ぶ失敗パターン)
  • 4択式テスト(理解度チェック)

単なる制度解説ではなく、「明日から使える実務知識」が詰まっています。

こんな人におすすめ

  • フリーランス1年目で何から始めていいか分からない
  • 契約書・見積書の作り方に自信がない
  • 確定申告でいつも不安になる
  • クライアントに対等に扱われたい
  • 体系的に実務を学びたい

私自身、この参考書に出会ってから、「一人で不安」が「自信を持って対応できる」に変わりました。
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【まとめ】案件を自ら断る勇気も必要!

フリーランスとして働く中で、「どの案件を受けるか」という判断は、とても重要です。でも、仕事が欲しいという気持ちから、つい目の前の案件を受けてしまうことがあります。私もそうでした。

でも今は違います。初回商談で3つの質問をすることで、地雷クライアントを事前に見抜けるようになりました。そして、本当に価値のある仕事に時間を使えるようになったんです。

あなたにも、案件を選ぶ権利があります。クライアントと対等な関係を築く権利があります。そして、自分の時間と心を守る権利があります。

もし今、「この案件、大丈夫かな」と不安を感じているなら、それはあなたの直感が何かを感じ取っているサインかもしれません。その直感を大切にしてください。

初回商談は、あなたとクライアントが「一緒に良いものを作れるか」を見極める場です。恐れずに質問し、違和感があれば立ち止まる。その勇気が、あなたのフリーランス人生を守ります。

私自身、いろいろな失敗した経験があったからこそ、今は慎重に、でも自信を持って実務を進められるようになりました。正しい知識を持つことで、不安は自信に変わります。そして、その自信が、より良いクライアントとの出会いを引き寄せてくれるんです。

私自身、いろいろな失敗した経験があったからこそ、今は慎重に、でも自信を持って実務を進められるようになりました。

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