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【実体験】フリーランスが家賃を経費にしたら税務調査が来た話〜按分の正解は?

こんにちは。フリーランスひかるです。

あの日のことは今でも鮮明に覚えています。郵便ポストに入っていた、税務署からの一通の封筒。「税務調査実施のお知らせ」という文字を見たとき、手が震えました。

私は自宅の一室を仕事場にしているデザイナー。家賃10万円のマンションで、6畳の部屋を作業スペースとして使っていました。「仕事で使ってるんだから、家賃も経費にできるよね」と軽い気持ちで按分比率を決めて、確定申告していたんです。

でも、税務署の方が実際に自宅まで来て、部屋の使い方や仕事の実態を細かく聞かれたとき、初めて気づきました。「按分って、こんなに厳密に見られるものなんだ」と。

あなたも今、家賃を経費にしていますか? それとも「どこまで経費にしていいのか分からなくて、怖くて計上できていない」という状態でしょうか。

この記事では、私が実際に税務調査を受けて学んだこと、そして「按分の正解」について、包み隠さずお伝えします。


✅ この記事はこんな方におすすめ

  • 自宅で仕事をしているフリーランスで、家賃を経費にしたいと考えている方
  • すでに家賃を経費計上しているけれど、按分比率が適切か不安な方
  • 税務調査が来たらどうなるのか、事前に知っておきたい方
  • 「家賃 経費 フリーランス」で検索してこの記事にたどり着いた、まさに今悩んでいる方
  • 確定申告のたびに「これで大丈夫かな」とモヤモヤしている方

フリーランスが家賃を経費にするとき、最初に陥る「落とし穴」

フリーランスになって3年目の春、私は確定申告を前に頭を抱えていました。収入は順調に増えていたものの、それに伴って税金も増える。少しでも節税したいという気持ちが強くなっていました。

そんなとき、同業者の友人から「家賃、経費にしてる? 自宅で仕事してるなら当然だよ」と言われたんです。調べてみると、確かに「事業使用分は経費にできる」と書いてある。ただ、どう計算すればいいのかがイマイチ分からない。

結局、私はこう考えました。「2LDKのうち、6畳の部屋を完全に仕事部屋にしてるから、面積比で40%くらいかな。家賃10万円の40%だから、月4万円を経費に」。

この判断が、後々大きな問題を引き起こすことになります。

当時の私は「ちゃんと仕事で使ってるんだから問題ないでしょ」と思っていました。でも税務署の視点は違ったんです。彼らが見ているのは「本当にその割合で事業に使われているのか」という実態でした。

私の場合、確かに6畳の部屋は仕事部屋でしたが、夜はそこでリラックスしたり、週末は趣味の読書をしたり。つまり「100%仕事専用」ではなかったんです。この「曖昧さ」が、税務調査のきっかけになりました。

国税庁のデータによると、2022年度の個人事業主への税務調査件数は約3万件。その中で家賃や光熱費などの「家事関連費」の按分が指摘されるケースは少なくありません。特に在宅ワークが増えた近年、この傾向は強まっています。

税務調査当日、私が直面した「現実」

税務調査の通知が来たのは、確定申告から約1年後の5月でした。最初は「何かの間違いじゃないか」と思いました。でも調査官からの電話で「家賃の按分について確認したい」と言われたとき、背筋が凍りました。

調査当日、自宅に来た税務署の方は思ったより物腰が柔らかく、でもその目は鋭かったです。

「この部屋、仕事専用ですか?」 「週末も使いますか?」 「夜は何時まで仕事してますか?」 「この本棚の本、全部仕事関連ですか?」

次々と質問されて、私は答えに詰まりました。正直に「週末は趣味で使うこともあります」と言うと、調査官はメモを取りながら頷いていました。

結果として指摘されたのは、按分比率の「過大計上」でした。私が申告していた40%に対し、実態は「せいぜい20〜25%程度」という判断。差額分の経費が否認され、追加で税金を納めることになったんです。

金額にして約18万円。延滞税や加算税も含めると、20万円を超える出費でした。

でも、お金以上にショックだったのは「自分の判断が甘かった」という事実です。あの日から、私は経費に対する考え方が180度変わりました。

朝日新聞の報道(2023年)によると、フリーランスの税務調査では「必要経費の過大計上」が全体の約6割を占めているそうです。その中でも家賃や光熱費などの按分は、特にチェックが厳しいポイントなんです。

「按分の正解」を知って、スマートに経費計上する方法

税務調査を経て、私は税理士に相談し、正しい按分の考え方を学びました。そこで分かったのは「按分には明確なルールがある」ということです。

按分の基本ルール

家賃を経費にするには、まず「事業専用スペース」であることが大前提です。ここでいう「専用」とは、プライベートでは一切使わない空間を指します。

具体的な計算方法は2つあります。

面積による按分
これは最も一般的な方法です。例えば、50平米のマンションで10平米を完全に仕事専用にしているなら、10÷50=20%となります。ただし、この場合「完全に仕事専用」であることを証明できる必要があります。

時間による按分
面積だけでなく、時間の要素も加えるとより実態に即します。例えば、6畳の部屋を面積比30%で使っていても、1日のうち仕事をしているのが8時間なら、30%×(8時間÷24時間)=10%という計算も考えられます。

私の場合、税理士のアドバイスで最終的に20%で落ち着きました。6畳の部屋を主に仕事で使っているものの、週末や夜はプライベート空間にもなる実態を踏まえた数字です。

証拠を残すことの重要性

税理士から強く言われたのが「証拠を残すこと」でした。

まず、仕事部屋の写真を撮りました。デスク、パソコン、資料棚など、明らかに仕事で使っているものが分かるように。さらに、間取り図に仕事スペースを色分けして保存しています。

次に、業務日誌をつけ始めました。Googleカレンダーで「何時から何時まで自宅で作業したか」を記録するだけです。これがあると、時間按分の根拠にもなります。

最後に、按分比率を決めた根拠をメモにまとめました。「なぜこの比率なのか」を説明できることが大切です。

国税庁の「所得税法第45条」では、家事関連費(家賃や光熱費など)を経費にするには「業務の遂行上直接必要であったことが明らかな部分」に限られると定められています。つまり、主観ではなく客観的な根拠が必要なんです。

税理士が推奨する「安全な按分率」

複数の税理士に話を聞いたところ、多くの方が「20〜30%以内」を推奨していました。もちろん、実態として50%以上を事業で使っているなら、それを証明できれば問題ありません。

でも「証明できるか」がポイントなんです。税務署から「なぜこの比率なのか」と聞かれたとき、明確に答えられるかどうか。

ある税理士の言葉が印象的でした。「節税は大切です。でも、説明できない節税は、ただのリスクです」。

便利なツールとテンプレート

按分計算や記録管理に便利なツールもあります。

freee (https://www.freee.co.jp/)
クラウド会計ソフトの定番。家事按分の計算機能があり、一度設定すれば自動で按分してくれます。

マネーフォワード クラウド確定申告 (https://biz.moneyforward.com/)
こちらも家事按分に対応。スマホアプリも使いやすく、移動中でも記録できます。

Googleスプレッドシート
無料で使えて、按分計算のテンプレートも豊富。「家賃按分 テンプレート」で検索すると、すぐに使えるシートが見つかります。

私は現在、freeeで経費管理をしつつ、Googleカレンダーで業務時間を記録しています。この組み合わせなら、いつ税務調査が来ても慌てずに説明できます。

按分を正しく理解すると得られる「本当のメリット」

税務調査を経験して、私が得たものは「不安からの解放」でした。

以前は確定申告のたびに「これで大丈夫かな」とビクビクしていました。でも今は違います。根拠をもって按分比率を決め、証拠も残している。だから堂々と申告できるんです。

この「精神的な安定」は、想像以上に大きな価値があります。不安を抱えながら仕事をするのと、自信を持って仕事をするのでは、パフォーマンスが全然違います。

さらに、正しい知識があると「適切な節税」ができます。私の場合、家賃だけでなく光熱費やインターネット代も、同じ考え方で按分しています。年間で見ると、10万円以上の節税効果があります。

ある税理士に聞いた話ですが、フリーランスの多くは「怖くて経費にできない」か「根拠なく経費にしすぎる」のどちらかに偏るそうです。でも、正しい知識があれば、その中間の「適切なライン」を歩けるんです。

CFQ資格で学ぶ、フリーランスの実務知識

私が按分について学び直すきっかけになったのが「CFQ®︎(Certified Freelance for Quality)」という資格でした。これはフリーランスの実務に必要な知識を体系的に学べる資格で、税務だけでなく契約や労務、キャリア設計まで幅広くカバーしています。

特に「CFQ®︎公式参考書」(https://cfq-official.jp/)は、按分の考え方や証拠の残し方が具体例付きで解説されていて、税務調査後の私にとってバイブルのような存在になりました。

「なぜこの経費が認められて、あれが認められないのか」というロジックが分かると、自分で判断できるようになります。税理士に頼らなくても、日々の経費処理を自信を持って進められるんです。

フリーランスとして長く活動するなら、税務は避けて通れません。でも、正しい知識さえあれば、怖いものじゃない。むしろ、自分の武器になります。

明日からできる3つのステップ

按分について学んだことを、すぐに実践に移せる形でまとめます。

ステップ1:自宅の間取り図を用意して、仕事スペースを色分けする
スマホのカメラで間取り図を撮影し、画像編集アプリで仕事専用エリアに色を付けましょう。この画像に「面積:◯平米、全体に占める割合:◯%」とメモを加えて保存します。5分でできる作業ですが、これだけで証拠になります。

ステップ2:業務時間をカレンダーに記録する習慣をつける
Googleカレンダーやスマホの標準カレンダーアプリで構いません。「自宅作業 9:00-18:00」のように、毎日の作業時間を記録します。1ヶ月も続ければ、時間按分の根拠になります。

ステップ3:按分比率を決めて、根拠をメモに残す
面積と時間から按分比率を計算したら、「なぜこの比率にしたのか」を文章で残しましょう。例えば「50平米の自宅のうち10平米を仕事専用スペースとし、1日8時間使用。10÷50×8÷24=約6.7%、安全を見て5%で計上」のように。

この3ステップをやるだけで、あなたの確定申告の精度は格段に上がります。そして何より「説明できる」という自信が持てます。


よくある疑問と誤解(Q&A)

Q1. フリーランスが家賃を経費にするとき、税務署に怪しまれない按分率はどのくらいですか?

A:👉一概には言えませんが、税理士の多くが「20〜30%以内」を推奨しています。ただし、これはあくまで目安。大切なのは「実態に即しているか」と「説明できるか」です。例えば1Kのワンルームで完全に仕事専用にしているなら、50%以上でも問題ありません。逆に2LDKで一部屋を仕事に使っていても、プライベートでも使うなら20%以下が妥当かもしれません。面積と時間、両方の観点から計算し、根拠を残すことが重要です。

Q2. フリーランスが税務調査を受けやすいのは、どんなケースですか?

A:👉主に3つのパターンがあります。1つ目は「急激な経費の増加」。前年と比べて家賃や光熱費などの経費が大幅に増えると、目を付けられやすくなります。2つ目は「高額な家賃の計上」。例えば家賃20万円のマンションで50%を経費にすると、月10万円の経費になります。この規模になると、実態調査の対象になりやすいです。3つ目は「按分比率の不自然さ」。例えば50%や70%など、キリの良すぎる数字は「根拠なく決めたのでは?」と疑われます。実態に基づいた細かい数字の方が信憑性があります。

Q3. フリーランスが按分を間違えて申告してしまった場合、どうすればいいですか?

A:👉気づいた時点で「修正申告」をすることをおすすめします。税務調査で指摘される前に自主的に修正すれば、加算税が軽減される場合があります。国税庁のウェブサイトから修正申告の手続きができますが、不安な場合は税理士に相談しましょう。また、過去5年分まで遡って修正できますが、修正するほど多く税金を払っていた場合は「更正の請求」で還付を受けられる可能性もあります。いずれにせよ、放置が一番よくありません。早めの対応が大切です。


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こんな人におすすめ

  • フリーランス1年目で何から始めていいか分からない
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【まとめ】使った分を計上し、しっかり節税!

家賃を経費にする。フリーランスなら誰もが考えることですが、その一歩を踏み出すのに不安を感じるのも、また当然のことです。

私は税務調査を受けて、20万円以上の追徴課税を払いました。でもそれは、正しい知識を持っていなかった代償です。あの経験があったからこそ、今は自信を持って経費計上できています。

按分は難しくありません。面積と時間から実態に即した比率を計算し、その根拠を残す。これだけです。そして、説明できる経費だけを計上する。このシンプルなルールを守れば、税務調査も怖くありません。

あなたが今、家賃を経費にするかどうか迷っているなら、ぜひ一歩踏み出してみてください。ただし、根拠をもって。そして、証拠を残して。

「これで大丈夫かな」という不安を抱えながら仕事をするのは、もう終わりにしましょう。正しい知識は、あなたのフリーランス人生を支える大きな武器になります。

私は自分の失敗から多くを学びました。税務の不安、契約のトラブル、キャリアの迷い。フリーランスとして歩んできた中で、たくさんの壁にぶつかってきました。でも、その度に学び直し、正しい知識を身につけることで、今では自信を持って前に進めています。

私自身、いろいろな失敗した経験があったからこそ、今は慎重に、でも自信を持って実務を進められるようになりました。

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