コンテンツへスキップ

実体験〜フリーランスが正社員にならないかと誘われたら?委託契約で失敗しないために「契約書を見直すあの術」で雇用との違いを知る!

こんにちは。フリーランスひかるです。

つい先日、3年間お付き合いしているクライアントから「もしよかったらうちの正社員にならない?」と声をかけられました。
正直、嬉しい反面、複雑な気持ちになったんです。

なぜなら、私がフリーランスとして委託契約で働く理由は、単に「自由だから」ではないからです。
委託契約には、雇用とは全く違うメリットがあることを、痛い経験を通じて学んだからなんです。

でも、この違いを正しく理解せずに損をしているフリーランスの方が、本当に多いと感じています。
あなたも「なんとなく」で委託契約を結んでいませんか?

今回は正社員にグッと心が揺らいだ私が、どんなメリットとデメリットがあるかを検討したかをお伝えしますね。


✅ この記事はこんな方におすすめ

  • フリーランス歴3〜10年で、委託契約と雇用の違いを明確に説明できない方
  • クライアントとの契約内容に不安を感じている方
  • もっと単価を上げたいけれど、根拠を持って交渉できない方
  • 契約書の内容をなんとなくで済ませている方

フリーランス委託契約の本質を知らずに失った50万円

私がフリーランスになって2年目の話です。あるWebサイト制作の案件で、月50万円の委託契約を結んでいました。クライアントは大手企業で、案件も順調。「このまま長期で続けられそうだ」と安心していたんです。

ところが、ある日突然「来月で契約終了」の連絡が。理由は「予算の都合」でした。

その時、私は委託契約と雇用の決定的な違いを思い知らされました。雇用なら解雇予告や退職金などの保護がありますが、委託契約にはそれがない。つまり、いつでも契約を終了できるということです。

でも、これは必ずしも悪いことではありません。逆に言えば、私たちフリーランスも同じように、より良い条件の仕事があればすぐに移れるということ。この「対等な関係性」こそが、委託契約の本質なんです。

この経験から、私は委託契約について本格的に勉強し直しました。そして気づいたのは、多くのフリーランスが「雇用に近い働き方」をしながら「委託契約のリスク」だけを負っているということでした。

委託契約と雇用の3つの決定的な違い

1. 働き方の自由度

委託契約は「成果物」や「業務の完成」に対して報酬を支払う契約です。
極端に言えば、朝5時に作業しようが、週末にまとめてやろうが、求められた成果を出せばOK。

一方、雇用契約は「労働力の提供」に対する対価。
決められた時間、決められた場所で働くことが前提です。

私の場合、この違いを活かして、集中力の高い早朝に作業することで、効率を3倍に上げることができました。
結果的に、同じ成果物でも作業時間を短縮でき、実質的な時給アップに繋がったんです。

2. 責任と裁量のバランス

委託契約では、「どうやって成果を出すか」の方法は基本的に私たちに任されています。でも、その分、成果に対する責任も重い。

例えば、私がデザインした LP のコンバージョン率が期待値を下回った時、雇用なら「頑張ったけどダメでした」で済むかもしれません。でも委託契約では「改善案の提示」「追加修正の実施」まで求められることがあります。

この責任の重さは確かにプレッシャーですが、同時に「専門家として扱われている」証拠でもあります。この専門性が、単価交渉の際の大きな武器になるんです。

3. 税務・社会保険の取り扱い

これが一番複雑で、多くのフリーランスが混乱するポイント。

雇用の場合、社会保険料や税金の計算・納付は会社がやってくれます。でも委託契約では、これらすべてが自己責任。

私も最初は「面倒だな」と思っていました。でも、正しく理解すると、実は節税のチャンスがたくさんあることに気づいたんです。

例えば、自宅の一部を事務所として使用した場合の家賃按分、クライアントとの打ち合わせでの交通費、スキルアップのための書籍代など、適切に経費計上することで、年間数十万円の節税効果を得られています。

単価交渉を成功させる「委託契約の価値」の伝え方

委託契約の特性を理解したら、次は「なぜその単価が妥当なのか」を説明できるようになることが重要です。

私が単価を30%アップさせた時に使った方法をお話しします。

成果物の品質保証を明文化

「デザイン1本50万円」ではなく「コンバージョン率3%向上を目標とした LP デザイン一式50万円(3回まで修正対応、効果測定レポート付き)」という具体的な提案をしました。

雇用されたデザイナーなら「作って終わり」かもしれませんが、委託契約なら「成果」まで責任を持つ。この違いを価格に反映させたんです。

専門性の根拠を数値で示す

過去の実績を「売上向上○○円」「コスト削減○○円」など、具体的な数値で示しました。雇用なら「頑張りました」で済むかもしれませんが、委託契約では「どれだけクライアントの利益に貢献したか」が全てです。

リスクヘッジの価値を説明

「私に何かあった場合のバックアップ体制」「急な修正依頼への対応体制」など、雇用されたスタッフにはないサービスレベルを提示しました。

これらの提案が功を奏し、クライアントからは「さすがプロだね」という評価をいただけました。
そして、単価アップにも快く応じてもらえたんです。

最近のニュースでも、フリーランスの活用が進む中で「専門性の高いフリーランスは引く手あまた」という報道が増えています。
経済産業省の調査でも、フリーランス人口は右肩上がりで、企業側も「優秀なフリーランスの確保」に力を入れているそうです。

つまり、私たちが適切に自分の価値を伝えれば、必ず評価してくれるクライアントに出会えるということなんです。

契約書で絶対に確認すべき5つのポイント

良い関係性を築くためには、契約書の内容をしっかりチェックすることが欠かせません。私が痛い目に遭って学んだポイントを共有します。

1. 成果物の定義と完了条件

「Web サイト制作」だけでは曖昧すぎます。「トップページ含む5ページ、レスポンシブ対応、CMS 導入、SEO 基本設定完了まで」など、具体的に記載してもらいましょう。

2. 修正回数と範囲の明確化

「無制限修正」は危険です。私は一度、50回以上の修正を求められて大変な目に遭いました。「3回まで無料、以降は1回につき○○円」など、明確なルールを設けることをおすすめします。

3. 支払い条件と遅延時の対応

「完了後30日以内」ではなく「完了から30日以内、遅延時は年利14.6%の遅延損害金」など、具体的な条件を入れておくと安心です。

4. 著作権・知的財産権の帰属

特にクリエイティブ系の仕事では重要。「納品と同時に著作権譲渡」なのか「使用許諾のみ」なのかで、後々の二次利用の可能性が変わります。

5. 秘密保持と競業避止の範囲

「同業他社との契約は一切禁止」のような過度な制限は、委託契約の趣旨に反します。合理的な範囲での制限に留めてもらいましょう。

契約書のチェックには「freee サイン」のような電子契約サービスを利用すると、テンプレートも充実していて便利です(https://www.freee.co.jp/sign/)


よくある疑問と誤解(Q&A)

Q1. フリーランスが委託契約で働く場合、労働基準法は適用されないのですか?

A:👉はい、基本的に労働基準法は適用されません。ただし、実態が雇用に近い場合(指揮命令関係が強い、時間管理される等)は「偽装請負」として問題になることがあります。適切な委託契約の形を保つことが重要です。

Q2. フリーランスの委託契約で源泉徴収された場合、確定申告は必要ですか?

A:👉はい、必要です。源泉徴収は「仮の税金」なので、正確な税額を計算して過不足を清算するために確定申告が必要になります。多くの場合、源泉徴収された分、還付金が発生するのでむしろお得です。

Q3. 委託契約のフリーランスでも社会保険に加入できますか?

A:👉国民健康保険と国民年金への加入が基本ですが、フリーランス向けの共済組合(文芸美術国民健康保険組合など)や、個人事業主向けの労災保険特別加入制度もあります。選択肢は意外と多いんです。

Q4. フリーランス同士の委託契約を結ぶ際の注意点はありますか?

A:👉個人間契約でも、法人との契約と基本的なポイントは同じです。ただし、相手方の与信調査が難しいため、前払いや分割払いを検討するなど、リスク管理により注意が必要です。

Q5. 委託契約で長期間同じクライアントと働く場合、雇用とみなされるリスクはありますか?

A:👉期間の長さだけでは判断されませんが、指揮命令関係の有無、報酬の支払い方法、働く場所の限定度などを総合的に判断されます。定期的に契約内容を見直し、委託契約の実態を保つことが大切です。


そんな「フリーランスの実務不安」この1冊が解決!

フリーランスの実務や疑問を解決するためには、「フリーランスの実務教科書」をお勧めします。

この参考書は、単なる理論の解説ではありません。

  1. 届出・税務・契約・保険などの基礎知識
  2. 実際に起こる事例でケーススタディ
  3. 4択式テストで理解度をチェック

といった3ステップ構成で、あなたの不安を「自信」に変える実践的な教材です。

もう一人で不安にならなくていい。
あなたの「フリーランスとしての信用」をしっかり支えてくれる教科書です。

「フリーランスの実務教科書」詳細はこちら


【まとめ】委託か雇用か?意外と大事な違い

委託契約と雇用の違いを理解することは、まるで「地図を持って旅に出る」ようなもの。

地図なしでも目的地に着けるかもしれませんが、遠回りしたり、危険な道を通ったりするリスクがあります。でも、正確な地図があれば、最短ルートで、しかも景色を楽しみながら目的地に向かえます。

フリーランスとしてのキャリアも同じ。委託契約の本質を理解していれば、クライアントとの関係性も、収入も、働き方も、すべてがあなたの思い描く方向に進んでいくはずです。

そして何より大切なのは「あなた自身が選択している」という意識。雇用ではなく委託契約を選んだのは、きっと理由があるはず。その理由を大切に、自信を持って歩んでいってください。

時には不安になることもあるでしょう。でも、正しい知識と準備があれば、その不安は「成長への階段」に変わります。あなたの未来は、あなた自身の手の中にあるのですから。

私自身、いろいろな失敗した経験があったからこそ、今は慎重に、でも自信を持って実務を進められるようになりました。

「税務が不安…」「契約が苦手…」
そんな悩みも、正しい知識を持つことで大きな武器に変わります。

不安をそのままにするのではなく、学んで備えれば、あなたの自信につながり、その自信が信頼を生むという未来が待っています。
フリーランスの新しい資格「CFQ」は、そんなあなたの実務力を一緒に育てていきます。

👉「個人事業経営士・CFQ」資格について詳しく知る