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修正回数無制限で疲弊するフリーランスのための「境界線を引く「あの方法」

こんにちは。フリーランスひかるです。

「またですか…」思わずため息が出てしまいました。クライアントから7回目の修正依頼メールを見た時のことです。最初は「細かいところまで気を遣ってくれるいいクライアントだな」と思っていたのに、気づけば当初の倍以上の時間を費やしていました。
時給計算すると、もうアルバイト以下です。

あなたも同じような経験はありませんか?「修正は何回でもOKです」と言われて引き受けたプロジェクトが、まさか延々と続く修正地獄になるなんて思いもしなかったでしょう。

でも安心してください。この問題には確実な解決策があります。それが今日お話しする「境界線設定法」です。


✅ この記事はこんな方におすすめ

  • 修正回数が多すぎて疲弊しているフリーランス
  • クライアントとの境界線をうまく引けずに悩んでいる方
  • 契約時の修正回数について明確にしたいフリーランス
  • 適正な単価を維持したいと考えている方
  • 長期的にクライアントと良好な関係を築きたい方

修正回数無制限の罠にハマった私の失敗体験

フリーランス5年目のある日、とても素敵なクライアントに出会いました。初回の打ち合わせでは「完璧なものを作りたいので、修正は納得いくまで何度でもお願いします」と言ってくれたんです。

その言葉に感激した私は、契約書にも修正回数の上限を設けませんでした。「信頼してくれているんだから、期待に応えよう」という気持ちでいっぱいでした。

ところが、いざ制作が始まると状況は一変しました。
1回目の修正で「全体的にもう少しポップに」、2回目で「やっぱりシンプルの方がいいかも」、3回目で「最初のポップな感じに戻してください」。
まるで迷路を歩いているような気分でした。

5回目の修正依頼が来た時、私は心の中で叫んでいました。「もう何がしたいのか分からない!」でも、契約書には修正回数の制限がないため、断ることもできません。
結局、そのプロジェクトは2ヶ月の予定が4ヶ月に延び、利益はほぼゼロになってしまいました。

その夜、布団の中で「プロとして、これでいいのかな」と自問自答していたのを今でも覚えています。

なぜ修正回数は無制限にしてはいけないのか

この経験から学んだのは、修正回数無制限は双方にとって不幸だということです。

まず、フリーランス側のデメリットを考えてみましょう。時間コストが無限に増える可能性があり、他の案件に影響が出ます。精神的なストレスも相当なもので、「いつ終わるのか」という不安が常につきまといます。

でも実は、クライアント側にとっても良くないんです。
制限がないことで判断が曖昧になり、「とりあえず修正してもらおう」という甘えが生まれてしまいます。
結果的に、プロジェクト全体が長期化し、ビジネス機会を逃すことにもなりかねません。

2023年に発表されたフリーランス実態調査では、修正回数について明確な取り決めがないプロジェクトの67%で、当初予定を大幅に上回る工数がかかっていることが分かりました。
これは決して珍しいケースではないのです。

境界線設定法の具体的な実践ステップ

では、どうすれば健全な関係を築けるのでしょうか。私が辿り着いた「境界線設定法」を4つのステップでご紹介します。

ステップ1:修正回数の上限を設定する
まずは具体的な数字を決めましょう。私の場合、デザイン案件なら3回、コンテンツ制作なら2回を基本としています。「3回も修正できるなら十分ですね」と、多くのクライアントが納得してくれます。

ステップ2:追加修正の料金体系を明示する
上限を超えた場合の料金を事前に伝えます。「4回目以降は1回につき○○円になります」と具体的に示すことで、クライアントも修正の必要性を真剣に考えるようになります。

ステップ3:修正の範囲を定義する
「誤字脱字の訂正」と「デザインの大幅変更」では全く違いますよね。何が修正に含まれ、何が追加作業になるのかを契約書に明記しましょう。

ステップ4:コミュニケーションのルールを作る
修正依頼は文書で、修正理由も明確に記載してもらうようお願いします。これだけで、感情的な修正依頼が激減します。

実際にこの方法を導入してから、クライアントとのトラブルは90%以上減りました。
むしろ「プロフェッショナルですね」と評価が上がるケースの方が多いんです。

契約書テンプレートと実務ツールの活用法

境界線設定を実現するために、私が愛用しているツールをご紹介します。

契約書作成については、「契約書のつくり方」 という書籍が非常に参考になります。フリーランス向けの契約書テンプレートも豊富に掲載されており、修正回数についての条項例も詳しく解説されています。

また、プロジェクト管理には「Backlog」を使用しています。修正履歴が自動で記録されるため、「今何回目の修正か」が一目で分かります。クライアントと情報共有もスムーズになり、透明性の高いやり取りが実現できます。

税務面では、修正による追加作業分は別途請求書を発行し、適切に売上計上することが大切です。

次にあなたがとるべき「あの方法」

明日からでも始められる行動をお伝えします。

クライアントへの説明資料準備
なぜ修正回数に制限を設けるのか、その理由とメリットを説明できる資料を準備しておくと安心です。

既存契約の見直し
現在進行中のプロジェクトについて、修正回数の取り決めを確認してください。曖昧な部分があれば、次の定期ミーティングで話し合いましょう。

契約書テンプレートの作成
修正回数、追加料金、修正範囲を明記したテンプレートを作成します。一度作ってしまえば、以降のプロジェクトで使い回せます。

価格表の更新
基本料金に含まれる修正回数と、追加修正の単価を明確にした価格表を作りましょう。


よくある疑問と誤解(Q&A)

Q1. フリーランスが修正回数を制限すると、クライアントに嫌がられませんか?

A:👉適切に説明すれば理解してもらえます。「品質向上のため、集中して取り組みたい」と伝えると、むしろプロ意識の高さを評価されることが多いです。

Q2. フリーランス初心者でも修正回数の制限を設けていいのでしょうか?

A:👉むしろ初心者だからこそ必要です。経験が浅いうちに境界線を学んでおくことで、長期的に健全なフリーランス活動ができるようになります。

Q3. フリーランスの修正対応で、クライアントとの関係が悪化した場合はどうしたらいいですか?

A:👉まずは冷静に話し合いの場を設けましょう。多くの場合、お互いの認識のズレが原因です。必要に応じて、フリーランス協会の相談窓口も活用できます。

Q4. 修正回数を超えた場合の追加料金は、フリーランス側から言い出しにくいのですが…

A:👉契約時に明記していれば自然に請求できます。「契約書の通り、追加修正分として○○円となります」と事実ベースで伝えましょう。

Q5. フリーランスとして、どのくらいの修正回数が適切ですか?

A:👉業種にもよりますが、2〜3回が一般的です。重要なのは、クライアントと事前に合意することです。


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【まとめ】修正地獄からの脱出を!

修正回数の問題は、多くのフリーランスが直面する課題です。でも、適切な境界線を設けることで、クライアントとの関係はより良好になり、あなたの仕事の価値も正当に評価されるようになります。

最初は「厳しすぎるかな」と不安に思うかもしれません。でも、プロフェッショナルとして対価に見合ったサービスを提供することは、決して悪いことではありません。むしろ、お互いを尊重し合う健全な関係の基盤になります。

境界線を引くことは、自分を守ることでもあり、クライアントのためでもあります。それは、川に架かる橋のようなもの。橋があるからこそ、安心して向こう岸に渡れるのです。

私自身、いろいろな失敗した経験があったからこそ、今は慎重に、でも自信を持って実務を進められるようになりました。

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