
こんにちは。フリーランスひかるです。
「インボイス制度が始まって、なんとなく様子見してたんです」
そう話してくれたのは、フリーランスエンジニア歴7年の友人でした。彼は優秀なエンジニアで、複数の企業と継続契約を結んでいた人です。でも、インボイス登録を「まだいいか」と先延ばしにした結果、気づけば年収が50万円も減っていたんです。
私自身も最初は「免税事業者のままでいいんじゃない?」と軽く考えていました。消費税を納めなくていいメリットがあるし、年収1000万円以下なら登録しなくても大丈夫だろうって。
でも、現実は違いました。
取引先から「来月から報酬を10%減額させてください」と言われたとき、彼の顔が真っ青になったのを今でも覚えています。しかもそれが1社だけじゃなく、3社から同じような連絡が来たんです。
この記事では、インボイス未登録のフリーランスエンジニアが実際にどんな損失を被ったのか、そして今からでも間に合う挽回策を、私の周りの実例をもとにお伝えします。
✅ この記事はこんな方におすすめ
- インボイス登録をまだしていないフリーランスエンジニア
- 取引先から報酬減額を打診されて困っている方
- 登録すべきか迷っていて、判断材料がほしい方
- 免税事業者のまま仕事を続けたいと考えている方
- 実際にどれくらい損失が出るのか、具体的な数字を知りたい方
インボイス未登録で起きた「想定外」の出来事
私の友人、仮にKさんとしましょう。Kさんは都内在住の35歳、Web系のフリーランスエンジニアです。年収は850万円ほどで、主に3社のクライアントと継続契約をしていました。
2023年10月、インボイス制度がスタートしたとき、Kさんは登録しませんでした。理由はシンプル。「年収1000万円以下だから、免税事業者のままでいい」と税理士にも言われたし、消費税を納めなくていい分、手取りが増えるはずだったんです。
でも、制度開始から2ヶ月後の12月。最初の異変が起きました。
メインクライアントのA社から、こんなメールが届いたんです。
「いつもお世話になっております。来年度の契約更新にあたり、インボイス発行事業者への登録状況を確認させてください。未登録の場合、報酬額の見直しを検討しております」
Kさんは焦りました。でも、まだ他の2社からは何も言われていなかったので、「A社だけの話かもしれない」と楽観視していたんです。
ところが、年明け。立て続けにB社とC社からも同じような連絡が来ました。
B社は「消費税相当額の10%を控除させていただきます」とストレート。C社は「インボイス登録をしていただけないなら、次回更新は難しいかもしれません」と、やんわりとした契約終了の匂わせでした。
Kさんが抱えていた感情は、怒りでも悲しみでもなく、「なんで誰も教えてくれなかったんだ」という虚無感だったと言います。制度のことは知っていた。でも、自分がここまでダイレクトに影響を受けるなんて、想像していなかったんです。
結果として、A社とB社は報酬10%カット、C社とは契約終了。新しいクライアントを1社見つけましたが、トータルで見ると年収は約50万円のマイナスになりました。
「様子見」が招いた負のスパイラル
Kさんのケースは決して珍しくありません。実際、フリーランス協会が2024年に実施した調査によると、インボイス未登録のフリーランスのうち、約42%が「報酬減額または契約終了」を経験したと回答しています。
なぜこんなことが起きるのか。それは企業側の事情があるからです。
インボイス制度では、免税事業者(未登録者)に支払った消費税は、企業側が控除できません。つまり、企業は「余計な税負担」を背負うことになるんです。
例えば、あなたに月50万円(税込55万円)を支払っている企業があるとします。あなたがインボイス登録していれば、企業は5万円の消費税を控除できます。でも未登録なら、その5万円は控除できず、企業の実質的な負担になる。
年間で考えると60万円。これは中小企業にとって無視できない金額です。
だから企業は、インボイス未登録のフリーランスに対して、こんな選択肢を迫ります。
選択肢1:報酬を10%減額する 消費税分を引いて、実質的な負担を変えない方法です。月55万円が49.5万円になるイメージ。
選択肢2:インボイス登録をしてもらう あなたに課税事業者になってもらい、インボイスを発行してもらう。
選択肢3:契約を終了する 登録済みの別のフリーランスに切り替える。
Kさんは選択肢1を飲みました。でもこれ、実はかなり辛い選択なんです。
月収が5万円減るということは、年間60万円の減収。さらに、他の取引先でも同じことが起きれば、ダメージは倍増します。Kさんの場合、3社のうち2社が減額、1社が契約終了だったので、合計で約50万円のマイナスになったわけです。
「あのとき登録しておけば」
Kさんは何度もそう口にしていました。でも時間は戻せません。
さらに厳しいのは、2026年以降です。現在は「経過措置」という救済制度があって、企業側も免税事業者への支払いの80%(2024〜2026年)を控除できます。でも2026年10月からは50%、2029年10月以降は0%になる。つまり、時間が経つほど、未登録フリーランスへの風当たりは強くなるんです。
実際に、大手企業の中には「2025年度中にインボイス登録必須」と通達を出しているところもあります。IT業界では、某有名プラットフォーム企業が登録済みフリーランスを優先的にマッチングする仕組みを導入したというニュースもありました。
今からでも間に合う「挽回策」の全手順
「じゃあ、もう手遅れなの?」
いいえ、そんなことはありません。Kさんも含め、私の周りで挽回に成功した人たちがやった方法を、ステップごとにお伝えします。
ステップ1:自分の損益分岐点を計算する
まず最初にやるべきは、「登録した場合」と「登録しない場合」、どちらが得なのかを数字で把握することです。
ざっくりとした計算式はこうです。
登録しない場合の損失 年間売上 × 10%(消費税分) × 減額される取引先の割合
登録した場合の負担 年間売上 × 10%(消費税) – 経費の消費税(仕入税額控除)
ただし、2023〜2026年度は「2割特例」という制度があって、売上の2%だけ納税すればOKという救済措置があります。これを使えば、かなり負担は軽くなるんです。
例えば、年収800万円のフリーランスエンジニアの場合。
- 登録しない→取引先2社が10%減額=約60万円の減収
- 登録する→2割特例で約16万円の納税(800万×2%)
この場合、登録したほうが44万円も得になります。
この計算、エクセルやGoogleスプレッドシートで簡単にできます。国税庁のサイトにも「インボイス制度 簡易シミュレーション」というツールがあるので、ぜひ使ってみてください。
ステップ2:取引先に「状況確認」をする
計算が終わったら、次は取引先への確認です。
ここで大事なのは、いきなり「登録します!」と伝えるのではなく、まず「相手の意向」を聞くこと。
こんな感じのメールを送ってみましょう。
件名:インボイス制度に関するご相談
○○様
いつもお世話になっております。
インボイス制度について、御社としてのお考えをお聞かせいただけますでしょうか。
私は現在、免税事業者として活動しておりますが、今後の取引を円滑に進めるため、必要であればインボイス登録事業者への切り替えも検討しております。
お手数ですが、御社の方針や今後のご意向について、ご教示いただけますと幸いです。
このメールのポイントは「下手に出すぎない」こと。「登録しないとダメですか?」と聞くと、相手に判断を委ねることになり、不利な条件を飲まされる可能性があります。
あくまで「こちらも検討している」というスタンスで、対等な関係を保つことが大切です。
ステップ3:登録申請を進める(必要なら)
取引先の反応を見て、「やっぱり登録したほうがいい」と判断したなら、すぐに動きましょう。
インボイス登録の手続きは、e-Taxを使えば最短1週間程度で完了します。紙の申請書でも1ヶ月程度です。
必要な書類はこれだけ。
- 適格請求書発行事業者の登録申請書(国税庁サイトからダウンロード)
- 本人確認書類(マイナンバーカードなど)
記入も難しくありません。氏名、住所、事業内容を書いて、「登録希望日」を記入するだけ。この登録希望日は、過去に遡って設定することもできます(制度開始の2023年10月1日まで)。
もし手続きが不安なら、税理士に相談するのもありです。費用は5000円〜3万円程度が相場。でも、年間数十万円の損失を考えれば、十分ペイする投資だと思います。
ステップ4:既存取引先に「報告」する
登録が完了したら、すぐに取引先に報告しましょう。
件名:インボイス登録事業者となりました
○○様
いつもお世話になっております。
このたび、適格請求書発行事業者(インボイス登録事業者)として登録が完了いたしましたので、ご報告申し上げます。
登録番号:T1234567890123 登録日:2025年○月○日
今後の請求書には、上記の登録番号を記載させていただきます。
引き続き、どうぞよろしくお願いいたします。
このメールを送ることで、「この人はちゃんと対応してくれる人だ」という信頼感を与えられます。
実際、Kさんもこの方法で報告したところ、減額されていた報酬が元に戻ったんです。しかも、新しいプロジェクトの相談も来るようになりました。
「ちゃんと対応できる人」というのは、それだけで大きな武器になるんです。
「損しない選択」をするための本当のメリット
ここまで読んで、「じゃあやっぱり登録するしかないのか」と思った人もいるかもしれません。
でも、実はもう一つの道もあるんです。それは「登録せずに戦う」という選択肢。
未登録でも戦える人の条件
インボイス未登録でも問題なく仕事を続けられている人たちには、共通点があります。
1. 個人事業主や小規模企業とだけ取引している 免税事業者同士なら、インボイスは必要ありません。相手も消費税を控除していないので、影響がないからです。
2. 高いスキルや独自性がある 「この人じゃないとダメ」という状況を作れていれば、多少の不利は乗り越えられます。実際、著名なデザイナーやエンジニアの中には、未登録でも引く手あまたの人がいます。
3. 報酬単価が高い 時給1万円以上、月単価100万円以上のような高単価案件では、10%の減額よりも「人材の質」が優先されます。
逆に言えば、上記に当てはまらない人は、登録したほうが無難です。
登録のメリットは「損失回避」だけじゃない
実は、インボイス登録には意外なメリットもあります。
Kさんが登録後に気づいたのは、「信用度が上がった」ということ。
大手企業との新規取引で、「インボイス登録済み」という事実が、一つの信頼材料になったんです。特に、企業の経理部門は「ちゃんと税務対応している人」を好みます。
また、確定申告が少し楽になるというメリットも。インボイスを発行するということは、請求書のフォーマットがしっかり整うということ。結果的に、帳簿管理もきちんとせざるを得なくなり、申告ミスが減るんです。
さらに、将来的に法人化を考えている人にとっては、いい練習にもなります。法人になれば必然的に消費税を納めることになるので、今のうちに慣れておけるわけです。
もちろん、納税額が増えるというデメリットもあります。でも、2割特例を使えば、年収800万円でも16万円程度。月1.3万円です。この金額で取引先を失うリスクを回避できるなら、私は安いと思います。
判断を助けるツールと相談先
もし自分だけで判断するのが不安なら、こんなツールや相談先を活用してみてください。
国税庁「インボイス制度特設サイト」 制度の基本から、シミュレーションツールまで揃っています。
税理士ドットコム 無料で税理士に相談できるサービス。インボイスの登録判断についても聞けます。
freee 会計 クラウド会計ソフト大手。インボイス対応の請求書テンプレートも無料で使えます。
私自身、判断に迷ったときは税理士に相談しました。費用は1時間5000円でしたが、モヤモヤが晴れて、すっきりと決断できました。
明日からできること
ここまで読んで、「じゃあ自分はどうすればいいの?」と思っている人へ。
明日から、いや今日からできることを3つだけお伝えします。
1. 自分の年収と取引先構成を書き出す(5分)
まず、紙でもスマホのメモでもいいので、こんな情報を書き出してみてください。
- 年間売上(予想)
- 主要取引先3社の名前と売上比率
- 各取引先の企業規模(大手/中小/個人)
これだけで、自分がどれくらいリスクにさらされているかが見えてきます。
2. 国税庁のシミュレーションツールを使う(10分)
国税庁のサイトにある「インボイス制度 消費税額シミュレーション」を使って、登録した場合の納税額を計算してみてください。
2割特例を使った場合と、使わない場合の両方を試すと、よりリアルな数字が見えます。
3. 主要取引先1社にだけ、意向を聞いてみる(30分)
いきなり全取引先に聞く必要はありません。まずは一番売上比率が高い取引先1社だけ、先ほど紹介したメールを送ってみてください。
その反応を見て、次のアクションを決めればOKです。
この3つをやるだけで、あなたの「モヤモヤ」は確実に減ります。そして、自分にとって最適な選択肢が見えてくるはずです。
よくある疑問と誤解(Q&A)
Q1. フリーランスエンジニアがインボイス登録しないままだと、必ず報酬が減りますか?
A:👉必ずではありませんが、大手企業や上場企業と取引している場合は、報酬減額や契約見直しの可能性が高いです。企業側は消費税を控除できないため、経理的な負担を避けたいと考えるからです。一方、個人事業主や小規模企業との取引がメインなら、影響は少ないケースもあります。重要なのは、取引先の規模や方針を早めに確認することです。放置すると、突然の減額通知や契約終了のリスクが高まります。
Q2. インボイス登録後、いくら消費税を納めることになりますか?
A:👉2023〜2026年度は「2割特例」という制度があり、売上の2%だけ納税すればOKです。例えば年収800万円なら、約16万円(月1.3万円程度)。この特例が終わる2027年度以降は、簡易課税制度(売上の2〜5%)または本則課税(経費の消費税を差し引いた額)を選ぶことになります。ただし、報酬が10%減額されるよりは、2%の納税のほうが圧倒的に負担は少ないです。国税庁のシミュレーションツールで、自分の場合の具体的な金額を確認してみることをおすすめします。
Q3. 今から登録しても、過去に減額された報酬は戻りませんか?
A:👉取引先の対応次第ですが、登録完了後に報酬を元に戻してもらえるケースは多いです。私の知人も、登録番号を報告したら「次月から元の金額に戻します」と言われました。大事なのは、登録後すぐに取引先へ報告すること。請求書に登録番号を記載し、「インボイス対応完了しました」と伝えれば、企業側も消費税を控除できるようになるため、減額の理由がなくなります。過去の分は難しくても、今後の損失は確実に防げます。
これらは全て正しい知識があるだけで避けられるトラブルばかりです!
トラブルの原因はあなたの人間性ではなく「知識不足」
「何でこんなトラブルばっかり起こるんだろう。もしかして自分は向いていないのかな…」と悩んだこと、私も何度もありました。
でも今になって思い返してみると、自分自身を責める必要なんて全くなくて、ただの知識不足だったんですね。
CFQ(個人事業経営士)公式参考書は、まさにそんな人のために作られました。
この1冊で身に付く知識
- 届出・税務の基礎(開業届、青色申告、インボイス制度)
- 契約・法務の実務(契約書の作り方、著作権、下請法)
- 保険・リスク管理(損害賠償、PL保険、トラブル対応)
- ビジネスマナー・オンラインマナー(会社員勤務の経験が少ない方にも)
- ケーススタディ(実例から学ぶ失敗パターン)
- 4択式テスト(理解度チェック)
単なる制度を解説する内容ではなく、「明日から使える実践知識」が詰まっています。

こんな人におすすめ
- 今の自分、何がいけないかが分からない
- 契約書・見積書の作り方に自信がない
- 確定申告でいつも不安になる
- クライアントと対等に接したい
- もっと自分に自信を持ちたい
私自身、この参考書に出会ってから、「一人で抱えて不安」が「自信を持って対応できる」に変わりました。
あなたの「事業者としての土台」を、この1冊がしっかり支えてくれます。
【まとめ】悔しいけどインボイスは「信頼」
インボイス制度、正直言って面倒ですよね。私も最初は「なんでこんな制度作ったんだ」って思いました。
でも、現実として制度は始まってしまったし、時間が経つほど未登録のデメリットは大きくなっていきます。
Kさんのように、年収50万円減ってから後悔するよりも、今のうちに自分の状況を整理して、最適な選択をするほうが絶対にいい。
「登録する」でも「登録しない」でも、どちらも正解はあります。大事なのは、なんとなく先延ばしにするのではなく、自分で判断して、自分で選ぶこと。
そのための材料は、この記事に全部詰め込みました。
あなたがどんな選択をするにしても、その決断を私は応援しています。フリーランスって、自分で決めて、自分で責任を取る働き方。不安もあるけれど、だからこそ自由で、おもしろいんです。
まずは今日、この記事で紹介した「明日からできること」の1つ目、年収と取引先を書き出すことから始めてみてください。
その一歩が、あなたの未来を変える最初のきっかけになるかもしれません。
私自身、いろいろな失敗した経験があったからこそ、今は自信を持って実務を進められるようになりました。
「税務が不安…」「契約が苦手…」
そんな悩みも、正しい知識を持つことで大きな武器に変わります。
不安をそのままにするのではなく、知識を身につければ、あなたの自信につながり、そして、その自信が信頼を生むという未来が待っています。
フリーランスの資格「CFQ」は、そんなあなたの「自信と未来」を一緒に育てていきます。

よくある疑問と誤解(Q&A)
トラブルの原因はあなたの人間性ではなく「知識不足」

