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「ちょっと相談です」で1時間拘束されて報酬ゼロ|次から「これは別案件ですか?」と聞くことにした!!

  

こんにちは。フリーランスひかるです。

「ちょっと相談です」というメッセージから始まった打ち合わせで、気づけば1時間が経っていた。
そして、その1時間分の報酬は、当然のように発生しなかった。

もしあなたが今、この状況を検索して、ここにたどり着いたなら。
たぶん、モヤモヤしているけど言葉にできない、という状態なんじゃないでしょうか。

私も同じでした。 断れないのは自分の性格が弱いからだと思っていましたし、フリーランスは立場が弱いのだから仕方ないとも思っていました。

でも実は、その1時間のタダ働きこそが、契約の線引きを覚える一番いいきっかけになります。
損した経験のある人だけが、次から「これは別案件ですか?」と聞けるようになるからです。

そしてこれ、実はCFQ(個人事業経営士)で扱っている「契約の範囲」という論点の、ほんの一角です。 無償の相談も、無限修正も、断れないことも、根っこは全部同じところにつながっています。

この記事を読むとわかること

  • 「ちょっと相談」がタダ働きになる仕組みと、無償と有償の境界線の引き方
  • 断れない原因はメンタルではなく、契約書に書かれていない「範囲外」の定義であること
  • 打ち合わせを見積もり対象に変える、角の立たない一言と伝えるタイミング

「ちょっと相談です」は断れないのではなく、線引きがないだけ

結論から言います。 無償の相談を断れないのは、あなたの性格の問題ではありません。
契約書のどこにも「打ち合わせは何時間まで無償か」が書かれていないからです。

線引きがない場所では、断る根拠が自分の気分しか残りません。 だから断ると角が立つ気がして、結局は受けてしまう。

なぜそう言えるのか。 実は私も、この構造にまったく気づかないまま何年も過ごしていました。

フリーランスが「立場が弱い」と思い込む本当の理由

そもそも、なぜ相談は無料だと思われるのでしょうか。
理由は単純で、発注側にとって相談は「作業」に見えていないからです。

納品物がないので、費用が発生する感覚が生まれません。
私たちが売っているのは時間と判断なのに、目に見える成果物だけが値段のついたものだと認識されている。
ここに、最初のズレがあります。

そしてもうひとつ。 フリーランス側には「次の仕事が来なくなるかもしれない」という不安が常にあります。

会社員なら、断ったところで来月の給料は変わりません。
フリーランスは、断った瞬間に収入が消える可能性がある。

この非対称性が「立場が弱い」という思い込みを作ります。

ただ、ここは冷静に見たほうがいい部分です。
確かに、フリーランスは取引を切られやすい立場にあるという意見もあります。

しかし実際には、無償で応じ続ける人ほど「安く使える人」として扱われ、単価が上がらないまま消耗していきます。

短期的に嫌われないための我慢が、長期的な立場の弱さを作っている。
断らないことが立場を守っているように見えて、実は削っている、という逆転が起きています。

スキル不足ではなく「範囲外」を定義していないだけ

ここが一番伝えたいところです。

無償相談を受け入れてしまうのは、交渉が下手だからでも、気が弱いからでもありません。
契約時に「業務の範囲」を決めていないという、ただの知識不足です。

フリーランス新法(正式名称は特定受託事業者に係る取引の適正化等に関する法律)では、業務委託をした時点で、発注者は給付の内容や報酬額などを書面か電磁的方法で明示する義務を負います。
この明示義務は第3条にあり、発注者の規模や契約期間にかかわらず、すべての業務委託に適用されます

つまり、内容も報酬も示されていない「ちょっと相談」は、そもそも委託として成立していない状態です。 断る断らない以前に、まだ何も始まっていない。

この事実を知っているかどうかで、返せる言葉が変わります。

認識出てくる言葉結果
メンタルの問題だと思っている「大丈夫です、やります」時間が消える
範囲の問題だと知っている「これは別案件ですか?」見積もりの話になる

一方で、注意しておきたい点もあります。 契約外の無償対応を繰り返し要求する行為は、フリーランス新法が禁じる「不当な経済上の利益の提供要請」に当たる可能性があります。
ただしこの禁止行為(第5条)が適用されるのは、発注者が従業員を使用する事業者で、かつ1か月以上の継続的な業務委託である場合に限られます。

単発の相談1回だけでは、法律で直接止めることは難しい。 だからこそ、法律ではなく契約書と一言の確認で自衛するしかないのです。

判断に迷ったときは、厚生労働省が運営するフリーランス・トラブル110番で弁護士に無料相談できます。
制度の詳細は公正取引委員会の公式サイトでも確認できます。

画面共有が始まった、あの60分の話

「ちょっと相談だけいいですか」

Slackにその一文が届いたのは、火曜の15時前だった。 納品を終えて、請求書のテンプレートを開いたところ。

15分くらいだろうと思って、通話に応じた。

画面共有が始まる。 共有されていたのは、私が納品したものとは別の、まだ手をつけていない企画書だった。

「これ、どう思います?」

マウスのカーソルが、資料の上をゆっくり往復していた。 私は思ったことを話した。ここは構成を変えたほうがいい、この数字は根拠を足したほうがいい、この見出しは弱い。

相手はメモを取っていた。キーボードを打つ音が、こちらのスピーカーからずっと聞こえていた。

「なるほど、じゃあこの部分は」 「あともう一個だけ」 「最後にこれだけ聞いていいですか」

画面の右上の時計が16時を過ぎたのを見て、通話終了のボタンを押した。

通話履歴には「1:04:22」と表示されていた。

その日の夜、請求書に書ける項目を数えた。 納品物の分は書ける。相談の分は、書く欄がなかった。

翌週、同じ相手から届いたSlackの文面。

「先日のお話、社内で通りました!ありがとうございます」

その下に、その企画書の制作依頼が続いていた。 発注書には、私が1時間かけて話した構成が、ほぼそのまま反映されていた。

見積もりを出そうとして、Excelを開いた。 作業工数の行は埋まる。 先週の1時間を、どの行に入れればいいのかがわからなかった。

同業の友人にその話をしたら、返ってきたのは一言だけだった。

「それ、聞かなかったの?別案件ですかって」

聞くという発想が、私にはなかった。

今日からできる、無償相談と有償相談の境界線の引き方

やることは3つだけです。 順番にやってください。

ステップ1 自分の「無償枠」を決める

まず、何分までなら無償で応じるかを自分の中で決めます。 おすすめは、契約中の案件に関する相談は30分まで無償、それ以外は有償という線引きです。

数字にすると判断が一瞬で終わります。 迷う時間そのものがコストなので、ここは機械的に決めてしまってOKです。

ちなみに時間単価8,000円で計算すると、月2回の1時間相談は年間で19万2,000円になります。 「たかが1時間」の累積は、想像よりずっと大きい。

ステップ2 通話の冒頭で「これは別案件ですか?」と聞く

一番大事なのがこれです。 終わってからでは聞けません。冒頭で聞いてください。

言い方は、詰めるトーンにしないことがポイントです。

そのまま使える確認フレーズ

ありがとうございます、ぜひお伺いします。
念のための確認なのですが、こちらは今の案件の範囲内のご相談でしょうか。
それとも別件として進むお話でしょうか。
別件でしたら、あとで簡単にお見積もりをお送りしますね。

このフレーズの狙いは、断ることではありません。 相手に「これは有償になり得る話だ」と認識してもらうことです。

実際、これを言うと相手の反応は2つに分かれます。 「あ、別件です」と正直に言う人と、「いや、今の案件の延長で」と言う人。 どちらでも構いません。どちらにしても、その通話は範囲が定義された状態で始まります。

ステップ3 次の契約書に一行足す

最後は再発防止です。 契約書か、なければ見積書の備考欄に、この一行を入れておきます。

契約書・見積書に入れる一文

本業務に付随する打ち合わせ・相談対応は、合計◯時間までを本報酬に含むものとし、
これを超える場合または本業務の範囲外の相談については、別途お見積もりのうえ対応するものとします。

書いてあれば、断る理由が自分ではなく契約書になります。 これが一番、精神的に楽です。

なお、同じ発想は修正回数にもそのまま使えます。
無限修正で消耗している方は、「修正は〇回まで」と契約書に書く具体的な方法も合わせて読んでみてください。

この記事で持ち帰ってほしいのは、たった一つ。 通話の冒頭で「これは別案件ですか?」と聞く。それだけです。


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まずは無料模擬試験で、自分の知識が今どのくらいのレベルなのかを確かめてみましょう!

「ちょっと相談」のタダ働きに関するよくある疑問 

(個人事業経営士CFQ 監修)

Q1. すでに何度も無償で相談に応じてしまった場合、今から有償にできますか?

A:過去分を遡って請求するのは現実的に難しいですが、今後の分は変更できます。次の契約更新か新規見積もりのタイミングで「打ち合わせ時間を工数に含める形に整理させてください」と伝えるのが自然です。過去を責める形にせず、あくまで運用の見直しとして出すと、関係を壊さずに切り替えられます。

Q2. 「別案件ですか」と聞いたら、感じが悪いと思われませんか?

A:確認自体を不快に思う発注者は、正直に言うとかなり少数です。むしろ社内で稟議を通す立場の人ほど、費用が発生するかを早めに知りたいと考えています。それでも不機嫌になる相手は、今後も範囲外の作業を無償で求めてくる可能性が高いので、初期の段階で分かってよかったと考えるくらいがちょうどいいです。


このように、正しい知識があるだけでトラブルは避けられます!


まとめ|「ちょっと相談」で1時間タダ働きしないための線引き

「ちょっと相談です」で1時間拘束されて報酬ゼロ。 この状況がつらいのは、時間を失ったからではなく、それを損だと言っていいのかどうか自分で判断できないからだと思います。

断れないのは、性格でも度胸でもありません。 契約書に範囲が書かれていないから、断る根拠が自分の中にしかなかっただけです。

線引きさえ決めてしまえば、あとは冒頭で一言聞くだけ。 「これは別案件ですか?」

それだけで、次の1時間の意味が変わります。

同じような場面でまた迷ったら、いつでもここに戻ってきてください。 私も、あの60分があったから聞けるようになりました。 損した時間は、線引きを覚えるための授業料だったと、今は思っています。

そして、断れない心理そのものを整理したい方はこちらの記事も参考になるはずです。

 

この記事の監修者

フリーランスひかる
大手IT企業に勤務後独立。フリーランス歴15年超。
報酬未払い、契約トラブル、ブラッククライアント案件…いろんな修羅場を経験してきました。
「あの時知ってさえいれば…」という後悔をバネに、フリーランスの人が同じ失敗をしないよう、自分の身を守る知識と、今日からできる対処法をお伝えしていきます。
フリーランス実務資格「個人事業経営士CFQ」監修